流行り病によって音楽の国にある一つの集落が全滅した。その十年後、生き残りの一人であるサンズ・サンダーソンはピアニストになっていた。この国で行われている国際コンクール準決勝の日、彼は不思議な館へと迷い込んだ。そこでは何でも願いが叶うという。
サンズの願いはただ一つ、「自分の村を亡ぼした奴らに復讐を」
復讐を実行するのは、コンクールの各楽器の優勝者が集まるコンサート。空に浮かぶ城が会場だ。不思議な力を手に入れたサンズはその日に向けてひたすら鍵盤を叩く。しかしある日、劇場で奇妙な演出家と花屋。そしてすみれ色の髪のヴァイオリニストの少女に出会い、彼の気持ちに変化が訪れる。彼の復讐は成功するのだろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-10 23:01:03
12270文字
会話率:33%
規則に縛られた芸術の国で、画家になりたいピエリスは白と黒の絵を描き続けていた。宿屋で働きつつ我が道を突き進んでいたある日、アパートのオーナーに呼び出されてしまう。そこで受けたのは最終通告「次の新人公募展に出品して賞を取ってきて。ダメなら出
て行くように」
新人公募展の受付終了まで残り1週間。オーナーの言葉に焦りに焦ったピエリスは階段から滑り落ち……本だらけの不思議な部屋の扉にスライディングゴールしていた。何でも願いが叶うというその部屋。そこで願いを言った彼女が自室に戻ると、見たことがない木製のパレットがポツンと置かれていた。どうやらそのパレットには不思議な力があるようで?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-24 21:30:43
33990文字
会話率:40%
いつものように家の扉を開いたら、そこは本に覆われた見知らぬ部屋へ続いていた。何でも願いが叶うというその部屋の不思議な雰囲気にのまれ、私はぼそりと言ってしまった。「理想の世界に行ってみたい」と。後でのたうち回るくらい後悔することになるこの言
葉を。たぶんこの時、理想の世界なんてふわっとした感じじゃなくもっと具体的に説明すべきだったのだ。
貴族なら誰もが精霊と契約している私の新たに生まれた世界。不思議な力もゲットして、侯爵令嬢として順風満帆な人生の始まりだと思いきや……いつになっても精霊と契約できない私は、気がつけば落ちこぼれ扱いを受けていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-10 00:01:12
42586文字
会話率:25%