ついにタイムマシンの開発に成功した博士は、喜びを抑えきれずに飛び跳ね、自らの成果を自画自賛した。そして、「タイムマシン? ははっ、不可能だよ」と自分を侮蔑した人々を思い浮かべては、口汚い言葉を吐き、さらに世間という無形の相手を罵った。この
ように人間嫌いを深めていた博士だったが、その憎しみを原動力にしたおかげでこの偉業を成し遂げたので、結果的には、めでたしめでたし。終わりよければすべてよしということである。
「いっひっひっひ、人間どもの終わりを見てやるぞぉ」
……と、めでたしには程遠い、邪悪な笑みを浮かべて独りごちる博士。『人間ども』などと敵意剥き出しに言うその博士ももちろん正真正銘人間であるが、これまで人々から受けた冷たい仕打ちと、タイムマシンを開発したという確かに人並外れた偉業を成し遂げたことにより、自分以外の人間は凡、猿、愚民。そして私は神だ、という風にこの時、博士の自己肯定感は極限まで高まっていたのである。
その博士がタイムマシンを使い、まず初めに見ようと考えたのは、恐竜時代でもなく、未来ではあるが、人類の滅亡の時代、つまり荒廃した世界だった。科学者でありながら、車が空を飛ぶような科学技術が発展した未来を見たいとは思わない。そんな未来に行けば、せっかくタイムマシンを開発したばかりなのに劣等感を抱くかもしれないからだ。
「さてと、私の見立てでは、もう千年くらいは今の人類の歴史は続くだろう。気候変動、疫病、人口の増加、カウントダウンはすでに始まっているがな……これでよし。千年後にセット完了だ。二千年後でもよかったかもしれないが、まあ、これで様子を見るとしよう」
タイムマシンに乗り込み、行き先を設定した博士は狙い通り、遥か未来へと飛んだのであった。
「ほほう、これが未来の世界か……」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-17 11:00:00
4261文字
会話率:48%
現状維持するのもそれはそれで大変。改善し続けないと、現状後退になってしまう
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最終更新:2022-11-20 14:28:27
1315文字
会話率:54%
「皆には30日後にこの人間を殺して食べてもらいます。先生はね、みんなに命の大切さを知ってもらいたいんです」仲間に騙されて売り飛ばされたオレは魔物の学校で飼われることになる。絶望するオレだったが、やがて魔物たちのスキルを奪って逃げ出す計画を立
て始める。全てはオレを売った仲間達に復讐するために──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-01 18:41:23
281473文字
会話率:39%
「不貞の事実は無い」
茶会の場に響いた男の声。その男を責め立てる伯爵夫妻。
修羅場の幕開けだった。
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最終更新:2022-09-30 18:25:06
6655文字
会話率:41%
だんだん、毎日書けなくなってきた。
私ね、話にはオチが必要だと思うんですよ。小説でもなんでもね。オチがないとさ、後に何にも残らない。終わりよければすべてよしっていうでしょ? あれ、あながち間違ってないんじゃないかなって。
でね、私
最近インスタントフィクションなるものを知りましてね。あ、これいいじゃんと思ったわけですよ。短い話を作る訳だけども、当然そこにはオチがいると。私ね、恥ずかしながら話が面白くないって言われるんですよ。関西人なのに。それが嫌でね。これやったらオチのある話ができるんじゃないかってね。
という訳でですね、ふきのとうの短編集を編んでみることにしました。全部ショートショートより短い。ショートショートショートくらい。意味がわからん。まあとにかく、ごゆっくりお楽しみください。
……ちなみに、ふきのとうが短編集やるのはこれで三度目。果たしていつまで続くだろうか……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-24 12:08:08
20513文字
会話率:19%
過労死して転生したらとある町のパン屋の娘だった。
と思ったら、軒先に捨てられた赤子を両親が拾ってきてるし、その子が持ってる印籠なんかものすごい見覚えあるんですけど―――!?
これまさか、前世で有名だった少女漫画「黎明の彼方へ」のヒロインの親
世代編ででてきたヒロイン母?
ええ、姉になるこの赤子があの悲惨な運命をたどるヒロイン母?
そんなの絶対に認めない!権力をもった後ろ盾がないから悲劇が生まれたなら、私が権力を手に入れて彼女を守る!ひとまずは実績だけ出せばすぐに評価される隣国でレッツ権力獲得!
メメタァな感じであろうとなかろうと、前世記憶でずるしようが関係ない、結果よければすべてよし、女は度胸!いざ参ります!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-08 00:10:57
6568文字
会話率:22%
【一章完】
「終わりよければすべてよし!」
この物語は皇帝に妹を拐われた主人公が、取り戻しに行く異文化ごたまぜ冒険ファンタジー。
槍から刀になり銃になりブーメランになりドリルにもなるありえないハイテクな傘を持ち、傷を負ってもすぐ回復する
主人公・レツ。
ヒロインは道端で眠れる神経図太い二丁拳銃・メルドラ。
その他大勢が活躍したりしなかったり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-26 14:57:31
45718文字
会話率:48%
私には兄がいる。とても優しく努力家な兄が。
歪んだ関係を続けている兄とその婚約者を傍観者として見てきた弟王子。二人の関係が破綻し、自分が新たな婚約者になった。
――私は彼女を愛せない。
兄を王位から追い落とした女と婚約なんて…。王位に婚約者
、厄介事を押しつけられた弟王子の内心の変化を追います。
一歩離れた位置から傍観していた弟王子。舞台上に引き上げられたときから少しずつ変化していく心は、一体どこにたどり着くのか。
「終わりよければすべてよし」「すべて世はこともなし」の第二王子視点の婚約破棄前後です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-07 19:00:00
7405文字
会話率:10%
僕は一体どうすれば――どうあればいいのだろう。
優秀な婚約者に劣等感を刺激され、周囲に見下されながら育った王子。やや被害妄想気味だけど、事態の打開策を模索し続ける。
最終的には結構充実した生活の中、前向きに生きていこうとする彼の話。
「終わ
りよければすべてよし」の婚約破棄までとその後のアルス王子視点の顛末です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-06 19:00:00
9142文字
会話率:18%
「ディアナ・セシル! お前との婚約は破棄する!」
卒業を祝うパーティで、突然始まった婚約破棄宣言とわたくしへの断罪。
わたくし、身に覚えがありませんが?
彼らの言い分をとりあえず聞いてみますが、呆れるばかり。
そろそろ反撃してもよろしくて?
あなた方のつまらない茶番につきあう義理はございませんの。
公爵令嬢が淡々と正論で相手を叩きのめすだけのお話。何となく釈然としない謎が残りますが、ディアナは全く気にしません。
初投稿です。拙い作品ですが、暇潰しにでもお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-05 17:25:18
7294文字
会話率:27%
主人公 古河 志木 がいろいろな人と関わっていくなかで成長していく。
中学最後の一年からの出来事。
色々あるけど、終わりよければすべてよし。
最終更新:2013-01-09 21:45:49
2544文字
会話率:23%