夏姫蒼空(なつきそら)は大石特許事務所に入所して五年、弁理士になって三年。昭成(しょうせい)化学から出願された特許番号×××634号の捏造事件の担当者に任命される。634(ムサシ)と呼ばれる特許はメガネからカメラまでを網羅するレンズ材料に関
するもので、高屈折率と成形性の良さを併せ持つ画期的な技術で、その汎用性はガラスレンズを圧倒していた。蒼空は初めて大きな仕事を任され心躍らせるのだが、そこには思いもよらない試練が待ち受けていた。文久化学は634特許を手に入れることでメガネレンズで世界のトップメーカになることを模索し、一方の昭成化学は文久化学を一気に追い抜き、日本を代表するメーカに躍り出るという大いなる野望を抱いていた。それぞれの思惑が交錯する中で一つの疑念が持ち上がる。昭成化学の元に文久化学より634特許のデータの多くに捏造があると指摘されたのだ。もしそれが事実なら昭成化学は社会的責任を追及され、最悪の場合、会社の存続すら危ぶまれる状況になる。解決の糸口すら見つかぬまま事務所を出た蒼空は、リウと名乗る青年に出会う。蒼空はリウに言われるがまま自転車型タイムマシンの説明を聞くうちにちょっとした行き違いから一七七六年、江戸の平賀源内の屋敷にタイムスリップしてしまう。ここでは源内が発明したエレキテルが大量に模倣されており、この事件に蒼空とリウは否応なしに巻き込まれていくことになる。江戸での偽エレキテル事件は、源内が長崎で知り合った清次郎(せいじろう)や偽エレキテルを製造した吉松、そして偽エレキテルを販売していた大店の主、阿蘭陀屋善兵衛(おらんだやぜんべい)を巻き込み、人間模様を描きながら繰り広げられる。タイムスリップしてきた蒼空とリウはどようにしてエレキテル模倣事件を解決するのだろうか?現代へ戻ろうとする二人の前に、リウの父ケイが突然、最新式のタイムマシンに乗って現れる。父と子はタイムマシン特許の出願に対して対立するが、そこには地球の全生命体に影響を与えかねない大きな問題と、金と欲、科学者の魂とプライドが絡みあっていた。果たしてタイムマシンの特許はリウの望みどおりに出願されるのだろうか?現実の世界に戻った蒼空は、634特許の捏造事件を解決し、昭成化学を逆転勝利へと導くことができるのだろうか?蒼空とリウのほのかな恋は?二人は過去、現代、未来の三つの時空を超え、捏造事件に挑む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-05 13:00:00
86356文字
会話率:42%
第二次世界大戦が終結してから
およそ1世紀。
過去の歴史も風化して、平和を語り継ぐ者が居なくなった生ぬるい世界で実は、まだ戦争が終わっていなかった。
舞台はネットゲーム「W2T2」の中、各国は戦争を現実世界ではなく、仮想空間で続けていたの
だった。
だが、その戦争は仮想空間であろうと
ロスト「死亡」すればリンク時に接続した人間本体に支障をきたし、最悪の場合脳死状態に陥る。
しかし今という世の中と仮想世界での戦争に興味本心で参加する若者は後を絶たない。
ついにはその戦争の参加こそが義務化されてしまった。
だが、最近になってその仮想世界での戦争に異変が発生していた。
その異変の調査に乗り出すべく、W2T2技術師の一人である「ゼロ」はゲーム内へと潜入する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-12 04:40:44
11914文字
会話率:28%
まだ自然が多く残る町、桜弥市。
そこに住む成瀬佳人は楽しくも平凡な日常を送っていた。
そんな平凡な日常につまらなさを感じていた佳人はある夜、謎の男に遭遇する。
その男によればこれから佳人の周りに不可解なことが起こると言う。
そして、その男
の言葉通り、翌日から佳人の周りで不可解な出来事が起こり始める。
佳人は彼の所属する「ミステリー研究部」の部長・朝倉八雲に相談すると、何故か周りの人間をも巻き込み佳人の周囲で起こっている不可解な出来事を調査することに。
それは佳人にとってはただの暇潰しだった。
だが、彼はまだ知らない。それがこの世界の”真実”に繋がるということを――――――。
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※この小説は何となく思いつきで初投稿してみようと思った作品です。
別の作品に影響を受けたりして、似ている部分もあるかもしれません。
そんな時は優しく教えて下さるか、スルーでお願いします。
また、遅筆なので更新はゆっくりめで最悪の場合、長期間放置になる可能性がありますのでご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-31 01:12:50
4729文字
会話率:24%
第21回電撃大賞1次選考落選の短編作品。
略してゴミ。以下でどんなゴミかを説明するぜ!
二〇一三年の「アルファ流星群」の観測以降、プラスアルファと呼ばれる超能力者が現れ始めた時代。その力で自殺志願者専門の殺し屋を営む呉井最愛(くれいもあ)
は、仕事に飽き飽きしていた。無気力を精神疾患にこじつけ刺激欲しさに精神科のドアを叩くも、そこは依存性の高い精神薬で患者を薬漬けにし暴利を貪る悪徳病院だった。まんまとしてやられた最愛は腹を立て医者に重傷を負わせてしまう。結果、警察に逮捕されてしまうのだった。傷害はもちろんのこと殺し屋で生計を立てていることも筒抜けであり、このままでは良くて無期懲役、最悪の場合死刑となる。もう駄目だと思ったそのとき、刑事があらぬ取引を持ちかける。「俺ら警察のやばいネタを握っているある男を始末できたら、今回の件は見なかったことにする」と言った。即座に承諾した最愛の前に現れたその男「レキソ」は「死ねない男」なのだと刑事は言う。それでもやるしかない。最愛は彼の殺害を試みた。結果は失敗。そして最愛は能力を失ってしまう。それは刑事とレキソの策謀だった。レキソは他人の能力を吸収する能力者だったのだ。刑事がプラスアルファに対する憎しみを吐露したそのときだった。仲間であるはずのレキソが刑事を失神させる。そしてレキソは今度こそ、最愛に真実を告げるのだった。レキソは自殺志願者の宇宙人だった。二〇一三年のあの日、宇宙から地球に落下する自殺を試みたのだった。地表に衝突した彼はバラバラになったがなおも生存本能を働かせ人間体を再構築、人間社会に紛れ込み、失われた自信の一部である「プラスアルファ」を取り戻すための生活を送っていた。「君がその最後の一人だ。僕はもう一度死ぬつもりだが、その前に迷惑をかけた人類に償いたい」と彼は言った。「君に対してもだ。願いごとはあるかい?」「能力の無かったあの日に戻りたい」彼は能力を使い「能力の無い別の世界軸」へ彼女の魂を転送したのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-13 00:30:30
15670文字
会話率:21%
フライング・ビートとはー
風の力を利用したブーツ、ハンド、シールドを使い相手と闘いどちらかが参ったするか、審判に止められるか、最悪の場合死ぬまで闘う格闘技である。
この世界ではフライング・ビートー通称FBーの実力がものを言う。
これはそ
の世界の中で闘う者たちの物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-11-01 22:10:46
2393文字
会話率:44%