絵師・栄松斎長喜は、蔦屋重三郎が営む耕書堂に居住する絵師だ。ある春の日に、斎藤十郎兵衛と名乗る男が連れてきた「喜乃」という名の少女とで出会う。五歳の娘とは思えぬ美貌を持ちながら、周囲の人間に異常な敵愾心を抱く喜乃に興味を引かれる。耕書堂に居
住で丁稚を始めた喜乃に懐かれ、共に過ごすようになる。長喜の真似をして絵を描き始めた喜乃に、自分の師匠である鳥山石燕を紹介する長喜。石燕の暮らす吾柳庵には、二人の妖怪が居住し、石燕の世話をしていた。妖怪とも仲良くなり、石燕の指導の下、絵の才覚を現していく喜乃。「絵師にはしてやれねぇ」という蔦重の真意がわからぬまま、喜乃を見守り続ける。ある日、喜乃にずっとついて回る黒い影に気が付いて、嫌な予感を覚える長喜。どう考えても訳ありな身の上である喜乃を気に掛ける長喜に「深入りするな」と忠言する京伝。様々な人々に囲まれながらも、どこか独りぼっちな喜乃を長喜は放っておけなかった。娘を育てるような気持で喜乃に接する長喜だが、師匠の石燕もまた、孫に接するように喜乃に接する。そんなある日、石燕から「俺の似絵を描いてくれ」と頼まれる。長喜が書いた似絵は、魂を冥府に誘う道標になる。それを知る石燕からの依頼であった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-16 00:00:00
143048文字
会話率:37%
現は夢に 実は虚に
移り変わるは浮き世のさだめ
ならばその目でご覧ぜよ
古くは鳥山石燕が
描きし異形のあやかしの
闇に蠢く 世界なり
おどろおどろの妖怪の
日記に少し毛の生えた
百に足りない物語
参考文献
『画
像百鬼夜行全画集』(角川ソフィア文庫)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-30 12:24:07
96188文字
会話率:33%
会社の不正を暴いた結果、報復でリストラされた『自分』は自棄酒の酔った勢いで妖怪達の抗争に鉄パイプ持って突貫。全員をボコボコにして…何故か妖怪の大将になってしまいました。
これは、人間な『自分』が妖怪達の総大将となっていくまでの摩訶不思議
なお話。
何時か書くかもしれないけど、書かないかもしれない物をいざ書こうとしたときに忘れては困るのでここに備忘録っておきます。
え?何かに似ている?
大体妖怪モノは水木先生と鳥山石燕先生と柳田國男先生に似る運命なんですよ!その辺が大家過ぎて!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-28 22:14:58
305文字
会話率:0%
今回は「鬼一口」として鳥山石燕が描いたことで有名な、「伊勢物語」の一節が元ネタです。
最終更新:2016-01-29 17:38:25
3656文字
会話率:29%
「心配しないで。何があっても、必ず俺が守るから」図書館の古ぼけた本を開いた瞬間、長谷川釦は異世界に飛ばされた。そこにはすでに中学校の同級生が召喚されていて、彼曰く、やるべきことは妖怪退治らしい。国の神官から魔法を教えてもらえたりと、先駆者の
お陰で予想外に丁重に扱われる釦だが、それには何か理由があるようで……?●全体的に重い話が多いです。まだ病んでません。不定期更新。参考文献:『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』 鳥山石燕著 平成17年 角川書店 ※各話のタイトルはこちらの本の妖怪を引用しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-05 16:18:33
64537文字
会話率:55%