食堂で、高位貴族令嬢の婿候補達の前に立ち塞がっているのは……どちらの令嬢かしら? どこかで見た覚えがあるのだけど、なぜか思い出せない。
「お姉ちゃんは誰にも渡さないんだからっ!!」
と、フシャーっ!! と、全身を逆立てた子猫の如く威嚇し
ている美少女がいる。
「お姉ちゃんとごはん食べるのはあたしなんだから、あっち行ってよっ!!」
高位貴族令嬢も、クスクス笑って威嚇するその美少女を窘めない。美少女に威嚇されて追い払われた美少年達は、すごすごと引き下がり……少し遠くの席に着いた。
そして、お昼休みにキャッキャウフフと優雅にランチを食べる美少女二人を、羨ましそうにちょっと遠くから指を咥えて見ている婿候補の美少年達……という、なんとも言えない図が繰り広げられている。
なんだか、あそこの空間だけ百合の花が舞い散っている気がするっ!!
「あれ? このゲームって、百合エンドあったのかしら?」
ポロリと、よくわからない言葉が口から出た瞬間――――
わたしは、ここがとある全年齢対象の乙女ゲームの世界と酷似していることに気付いた。頭を駆け巡る、ゲームの情報。
ヒロインか、悪役令嬢のどちらかが転生者でどちらかが相手を攻略した、という可能性もあるわよね?
ということは……婿候補である攻略対象達は、ヒロインに攻略されない?
それなら、わたしが攻略してもいいんじゃないかしら?
こうしてわたしは、悪役令嬢の婿候補の一人を落とすべく狙いを定めた。
そんなとき、ゲームヒロインがわたしの前に現れて言った。
「えっとね……あなた。ひぎゃくー、趣味? でも、持ってるの?」
設定はふわっと。『純粋な疑問なのですが、あなたは一生虐げられたいのでしょうか?』の続き。
『純粋な~』を読んでなくても大丈夫です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 02:08:13
4880文字
会話率:39%
どうやらわたしは、聖女がヒロインの乙女ゲームに転生したようだ。
それも……ヒロインを執拗に付け狙うストーカー暗殺者として。
暗殺者は、ヒロインが攻略対象とくっ付くための当て馬。そして……隠しキャラの、最難関攻略対象でもあった。
暗殺者
にあるのは、攻略対象シナリオ分の大量の死亡フラグ!
唯一、暗殺者が死なないでヒロインに攻略されるというルートがあるが……それは通称『百合エンド』と称される暗殺者がヒロインに忠誠を誓うエンドのみ。
しかし、そこに辿り着くまでは難易度が高い無理ゲーでもある。ヒロインがステータほぼスカンストというそこまでの努力をしてくれる可能性は限りなく低い。
おまけにわたしは、このヒロインが嫌いだ。
真顔で「は?」と言いたくなるような・・・全体的に、イラッとするタイプのヒロインだった。まぁ、わたしの主観なのだが。
生き残れるのが通称『百合ルート』のみとは言え、リアルで百合って、相当仲良くないと無理だろ。
というワケで、死にたくないしヒロインにも忠誠を誓いたくないので、シナリオをぶっ壊そうと思います。
わたしの死亡エンド回避のためにっ!?
※通称『百合ルート』を回避するために動くので、百合ではありません。
設定はふわっと。
アルファポリスに掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-09 12:23:15
17924文字
会話率:27%
「――つまりこれは、筋書きのある舞台のようなものなのね?」
恋愛シミュレーションゲーム【月光のリーベリウム】における『悪役令嬢』、アーデルハイド・フォン・ヴァンデルヴァーツは、ある日自分を待ち受ける運命を知った。
『主人公』たる異母
妹、レティシア・フォン・ヴァンデルヴァーツをいじめ抜き、そして最後には復讐され、断罪されるのが役所。
「私の『役』は……『いじわるな腹違いの姉にして、人の優しさを解さぬ高慢ちきなお嬢様』?」
未来は、ほんの些細なことで変わってしまう。
きっと、舞台をぶち壊すこともできる。
「よろしい。与えられた役を、演じ抜いてみせましょう」
けれどこれは舞台。
誰かが作った、誰かを幸福にするためのストーリー。
「あー、うちの妹可愛い……めっちゃかわ……はっ、いけない。いじめ抜かなきゃ……」
だからこれは、気の迷い。
台本の行間に記されず、台詞にして語られぬこともあるものだから。
「演じ抜きましょうとも。したくないことをするのには慣れている。そして今度は、自分の心までは裏切らずともよいのだから」
だからこれは、演者に許された裁量の範囲内。
この舞台をぶち壊しかねない素人どもに、未来を変えさせない。
「目標その一、【最後の舞踏会】。目標その二、【断頭台】。ありとあらゆる抵抗を排し、全てをあるべき未来へと」
目標その一、【最後の舞踏会】。
目標その二、【断頭台】。
「そのためにこれまでの全てがあったと言うなら、私の人生も、この血塗られた公爵家の歴史も、少しは報われるというもの」
善良な妹に幸福を。
非道な姉に報復を。
「私の妹に、幸福を贈る。誰にも、邪魔はさせない」
異母妹――自分の地位を脅かすかもしれない、"冷徹非情のヴァンデルヴァーツ"の当主にとっての『敵』を。
血を分けた妹を、本当は大好きな姉がいただけの話。
「お姉ちゃ……お姉様!」
でも、その妹も、姉(私)のことが大好きみたいで……。
目標達成の一番の障害になってるのどうしよう。
・あらすじ圧縮版
悪役令嬢のお姉ちゃんが、妹の幸せのためにゲームシナリオ通り断頭台エンドを目指す。
……でも、妹は姉妹百合エンドを目指しているかもしれない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-28 10:03:34
512636文字
会話率:21%
王子のせいで傷ついた尊いお方は、私の大切な人だった。
ご都合主義のハッピーエンド、最終的にはハッピーな百合に着地するSS。
アルファポリス様でも投稿しています。
最終更新:2024-03-29 16:05:40
1260文字
会話率:45%
誠はある日、乙女ゲームの世界にヒロインとして転生していたことに気付く。
目の覚めるような美少女に転生しても、男としての自我がしっかり根付いていて、男相手に恋愛なんて出来る気がしない。
だが幸いなことに、この乙女ゲームには複数の百合エン
ドが存在していた。
本音を言えば恋愛そのものをスルーしたい所。しかし恋愛ゲームの世界でそれが許される保証は無い。下手にフリーでいたら、強制的に攻略対象である野郎共との恋愛イベントが始まる恐れもある。
ならば目指すは百合エンド一択。ゲームの開始時期までの2年間で、何とか彼女を確保するしか無い。
同じ世界に転生していた前世の妹や、もう一人のヒロインとの学園生活を楽しく送ろうと、少しばかりおかしな世界で奮闘する前世アラサー、現世JCの日々。
下ネタが多数登場するので、一応R15。ですが、あくまでも会話に登場するだけです。
現世における主人公の年齢が低いので恋愛要素が少なく、どちらかと言うと友情メインの話になります。がっつり濃厚な百合にはなりません。
作中にパロディネタが多数登場します。
諸々ご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-25 11:55:56
43419文字
会話率:43%
悪役令嬢ものの断罪返し後からの話、王子の悪あがきからざまぁが本番です。
一度は婚約破棄を突き付けたものの、とりなしを願い、お嬢様に贈り物をしてくるようになった王太子。しかし
「婚約の継続や婚姻を行う事は受け入れられません。皆様に資料をお見
せして」
「王太子殿下からお嬢様への贈り物の総額が200万。
対して、過去に王太子殿下が愛人の方々に贈ったものの総額は1億2000万です」
「それは、王太子殿下の予算ではあり得ない額ですぞ。
これは!これも!宝物庫に収められているべき品。王太子殿下、ご説明願います」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-29 15:00:00
5668文字
会話率:29%
異母妹を害したとして、王太子に断罪された公爵令嬢のアンジェリカは修道院へ送られた。
そこで出会った修道女に己の過ちを諭されるが、彼女は疫病で命を落としてしまう。
アンジェリカの命も、もうすぐ尽きるはずだったが……そこで何故か、時間が戻ってい
ることに気づく。
アンジェリカは誓う。
もう二度と、過ちを繰り返さないと。
これは断罪された悪役令嬢が、人生をやり直す物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-07 22:55:20
79314文字
会話率:21%
王太子であるリオンに突き飛ばされ、その痛みからルーシエは前世の記憶を取り戻す。電車の事故に巻き込まれ、先ほどまでやっていた『転生令嬢は華やかに愛される』というゲームの世界に悪役令嬢として生まれ変わったのだ。ゲームをしていた時には気づかなか
った、悪役令嬢としてのルーシエのあまりに悲惨な立場に、思わずどうしようもない怒りが込み上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-09 23:17:52
4325文字
会話率:57%
地球全土にダンジョンが現れてから六十年が経過した西暦二千二十年の日本。
田舎に住む中学二年生の少女、小坂井彩花(こさかいあやか)は、夏休みの自由研究の題材に丁度良いと考えて、家の庭に現れた低ランクダンジョンに挑んだ。
魔物もフロアボスもノー
ダメージで瞬殺し、ハイスピードで攻略を続ける彩花だったが、とある動画が拡散されたことで一躍世界的な有名人となってしまう。
これは魔法のメイド服を着た中学二年生でロリ体型の少女が、オタオタしながらも無自覚に魔物を殲滅したり、内心冷や汗をかいて絶対無理とか叫んでも、現実的には余裕でしたという感じで、あっさり世界を救っちゃったりするお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-02 06:00:00
130744文字
会話率:30%
恋愛SLG「ラブ・フォーチュン」はヒロインの主人公がとあるおじいさんを助けた『お礼』として高等学校に入るところから始まるゲームである。王子様がいたり、ナンパな騎士様の卵がいたり、性格が悪い賢者様がいたりとバラエティに富んだ男性と恋愛できたり
と思いきや、悪役令嬢っぽい方となぜか百合エンドを迎えたりと割とクレイジーなゲームである。主人公の行動で様々なエンディングを迎えるゲームなのだ。そして今日も、素っ頓狂な物語が繰り広げられるはずだった。
ええ、好き勝手やった自分がいうのも何だけど、この展開は読めなかった、やり込みゲーマーの○○(中の人)の目をしても折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-28 07:00:00
5175文字
会話率:44%