『魔術』という技術が世界に登場してから二世紀。
極東の島国、日本帝国に存在する魔術の名家に、一人の男児が生まれる。
彼には、魔術の才能がなかった。欠片も無かった。魔術師の家系ですらない一般人でも、僅かなりとも持っているという魔力を一切保
持していなかったのだ。
優秀な魔術師を輩出する事で家格を上げている名家にとって、魔術の才能を持たない事は許し難い罪でしかない。
父は失望し、母は恥と言った。姉は軽蔑し、妹は侮蔑した。
やがて、彼は抹消される。戸籍を消し去り、生まれてきた事実を消し去り、そして彼自身は未開の原始の森へと捨てられた。
幼い子供であった彼に、そんな場所で生きていく能力はなく、時を置かずして死ぬと誰もが思っていたし、彼本人ですら遠くない死の気配を感じていた。
だが、彼は生き残った。
力を付けて、知恵を磨いて生き残った。
全ては復讐の為。
自分を無き者とした実家への、その価値観を培った世界への復讐の為に。
物語は、彼――刹那が世界の表舞台に上る所から始まる。
【令和2年4月2日、書籍化します!】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 10:33:52
1665736文字
会話率:24%
(第二部開始しました)
その晩、帝都は一夜のうちに制圧された。奇襲を仕掛けた軍を率いていたのは、かつて王女の奴隷として帝都にて飼われていた経歴を持つ青年だった。
奴隷の身に落とされた少年は、いかにして復讐を遂げたのか?
……少女は愚
鈍と無邪気を装い、幼い頃から周囲の目を欺いてきた。少年は復讐の矛先を据えかねていた。二人の主従は一つの目的のもとに手を結ぶ。すなわち――帝国を、滅ぼせ。(他サイトにも転載しています)
第一部
【表層編】若き将軍の視点から帝国で起こる数々の事件が語られる出題編。
【深層編】帝都で暗躍する主従と、その策略を紐解きながら描く解答編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-14 18:58:08
1359477文字
会話率:40%
「目標目視可能、座標特定。
―――これより任務を開始する」
暗い過去を持つ少年少女。
彼らが集うは、首都・東京。
復讐の矛先は――!?
「これでも私、一番まともなんだよ?」
「残念。私からは逃げられねーよ?」
「あは
は、そんな怖がらないでよ。一瞬で済むんだからさ?」
「本当は、貴方達なんてどうでもいいんですよ。
でも、貴方達が僕たちの平凡を脅かす可能性が少しでもあるなら――――仕方ない、ですよね?」
「うるせーんだよ。お前ら蠅か?
…いや、蠅に失礼だな」
「はい、黙ろうね~。
………今、私最ッ高にキレてるから」
「…貴方の過ちは、私たちを敵に回した事。
ご愁傷様。同情くらいはしてあげるわ」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-20 17:19:19
1376文字
会話率:28%