中古の一軒家に引っ越してきて間もなくの頃、まだ2歳になったばかりの息子が隠れんぼで有名な「もーいいかい?」を覚えてきたんです。
ある夜、部屋の奥の壁を叩きながら何度も言うんです。
コンコン
「もーいいかい? もーいいよ」
最終更新:2025-04-02 23:42:03
2490文字
会話率:38%
聞こえてくるのは、爆発音と建物が崩壊する音。
黒煙が立ち込め辺りは薄暗く、遠くまでよく見ることはできない。
唯一、崩れた壁の隙間から差し込む、外の光だけが頼りだった。
瓦礫と火災で道は塞がり、塵と埃が舞い、悪臭が漂う。
そんな悲惨な状況の
中を、一人の少女が走っていた。
その少女の足には千切れた鎖が繋がっている。
やがて少女は立ち止まる。
その目からは涙が溢れ出す。
少女は膝を付き、ただ、ただ、すすり泣いていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-18 20:39:23
10369文字
会話率:32%
どうしようもないくそったれだった。箪笥と壁の隙間からは目玉が覗いているし、影からは常に誰かが監視している。
そんなことは誰もが知っている真実だ。だが誰もそれを口に出そうともしない。見えている物を見なかったことにしたがる。それは自分が異端
だと思われたくないからだ。だれもが普通のふりをして今日も街を歩いている。
だからおれは、センセーや仲間たちと共に革命を起こすことにした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-28 21:09:00
6755文字
会話率:35%
■本作中で登場する人名・地名は実在するものとは一切関係ございません。
時は2000年代。
地球の中で、極東と呼ばれた地域の弧状列島「日本」。
日本はかつて数多くの問題を抱え、政治の低迷・人口の大幅な減少により問題が増大化していた。
それ
がいつしか…国民の生活をも圧迫させていく。政府と反政府軍が徐々に対立。そして、西日本側は負担を軽減させるため、東日本への交通・経済・物流の一切を凍結。
これがまた原因となり、日本政府内で対立が起こり、旧政府と総理一同は西日本、政府内に居た反政府派は東日本で、それぞれが「国家」として独立。領土を求めるための東西紛争で多くの犠牲が出た末、富士から上越にかけて十数メートルという高さの壁が建設され、本州は東西に分かれた。
そんな中、壁の隙間を掻い潜って不法で入出国をする闇バスが京都市近郊で横転落下事故を起こす。
唯一の生存者だったが、生きる代わりに記憶を失ってしまった少女は、京都に生まれ育つ出雲玲子・陽三にひっそりと救出される。
2週間近く泥のように深く眠った少女は、玲子の親戚方の兄であった隼士が操縦していた旅客機のシップネームから「サヤ」と呼ばれるようになる。
東西情勢が悪化の一方をたどる中、記憶を失ったサヤは自身の故郷と家族を探すため旅に出る―
…というお話です。
「地球の隅の島国で、もし…てろてろと過ごす「平和」、共に過ごした「土地・家族」が突如奪われたとしたら…」大体の方はお分かりになられたと思いますが、東西ドイツ分裂・ベルリンの壁がもし日本にも起こってしまったら…なんて考えで書いています。
◇文才が無くクオリティーにかける部分やお見苦しい所もありますでしょうが、最後まで目を通していただければ幸いです…(^^;折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-27 19:01:47
57934文字
会話率:25%
竜の姿をした王を倒すために、冒険を始めることになった勇者。そんな勇者を待ち受けていたのは、50cmの壁の隙間に挟まった人だった。
最終更新:2013-05-13 02:36:28
2679文字
会話率:28%