ある日の病院で二人は出会った。同じ高校の二年生だが、クラスが一緒になったことはなく、話したこともない。共通の友人もいない。
もしかしたら、一度くらい学校の廊下ですれ違ったことはあるかもしれない。どちらかが相手を意識して、「ちょっといいな
」と思ったことがあるかもしれない。その程度の繋がりで、二人の人生が交わることはない。そう思っていた。あの時までは……。
「まさか、あなたと付き合うことになるなんて思わなかったな」
学校を抜け出し、公園に来た彼女が笑いながら言った。
「ま、成り行きだけどね」
「でも、あの日、病院であなたが声をかけてなかったら、こうはなっていなかったんだろうなあ。不思議だね、人生って」
「ババくさいな」
「おいっ」
「いてっ、ははは、でもさ、声をかけてきたのは君だろ?」
「え、そうだっけ?」
「そうだよ。君のせいで僕は不良になってしまったよ。優等生だったのに、学校を抜け出して公園でダラダラしてるなんてさ。人けがないからいいけど、補導されたら嫌だよ」
「よかったじゃない。私に染まってきたってことだね」
「まだまだだよ。君みたいな不良には追いつけないよ」
「ふふふっ、ちなみに私のほうが成績いいって知ってた?」
「嘘だろ」
「テストの順位、私のほうが圧倒的に上だからね」
「へー、気にしたことなかった。もしかして、前から僕のことが気になってたの?」
「そういう自惚れは女の子を引かせちゃうよ。今後のために気をつけたほうがいいよ」
「今後って何さ。ないよ、そんなの」
「わっ、今のはいいね。加点します」
「え?」
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最終更新:2024-11-07 11:00:00
3356文字
会話率:93%
十八歳の伯爵令嬢・アリーシャは、借金返済のために領主代理として一生懸命に働いていた。
父は芸術家の支援に夢中で働かず、兄は吟遊詩人になると言って失踪。領民の暮らしを守るには「私ががんばるしかない!」と奮闘する。
唯一の希望は、領地が隣同士の
侯爵令息との政略結婚。結婚した後は、領地をまるごと預かってもらえる約束だった。
相手の侯爵令息から呼び出されれば「お願いがあるんだけれど…」というお決まりのセリフから始まり、必ず面倒事を押し付けられる。親友からはダメ男製造機と呼ばれても、それでもアリーシャは婚約維持のためにずっと彼に尽くしてきた。
ところがある日、恋人ができたという理由でいきなり婚約を解消される。
しかも「君のせいで僕が『自分じゃ何もできないダメ男だ』なんて嘘が広がって本当に迷惑してたんだ」とまで言われ、アリーシャは愕然とする。
このままでは伯爵家は破産、取り潰しになり、領民たちの暮らしが危うい。
「今度こそ父を更生させ、自分はダメ男製造機を卒業する!」そんな風に決意するアリーシャだったが、突然に第二王子・クレイドの婚約者に選ばれてしまった。
クレイドは王国一の魔法使いだが、容姿は醜く性格は冷酷と悪評ばかり。二十歳になるまで婚約者はおらず、政治的に微妙な立場であるとのこと。何もないドレイファス伯爵との婚約は、彼の力をそぐための嫌がらせだった。
こんな貧乏令嬢が相手で王子様に申し訳ない……と思うアリーシャだったが、断ることはできず婚約式に臨むことに。「クレイド殿下のためにがんばろう」と前向きに考えていた彼女の前に現れたクレイドは、噂とはかけ離れた美貌の王子様だった。
ただし、彼は鋭い眼光で言う。
「よくここまで無事で来られたものだな……!」
ぎらぎらとした恐ろしい眼差しと、怨念でも篭っていそうな低い声にアリーシャは怯え慄いた。クレイドはこの婚約に納得していないんだと直感する。
婚約者との初対面でまずやるべきことは命乞い!?まだ死にたくない!
とにかく生き残ることが目標になる。
だが、それからは豪華絢爛な部屋に案内され、おいしいものを食べてただのんびりと暮らす予想外の軟禁生活へ。クレイドは「君は何もしなくていい」と言って────。
尽くし癖のあるダメ男製造機令嬢と、初恋をこじらせすぎて愛情が伝わらない王子様の溺愛執着ラブコメです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-03 07:00:00
128758文字
会話率:37%
君が生きてても死んでても、僕は苦しいままだ。
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最終更新:2023-03-23 17:54:41
727文字
会話率:60%
今泉君は鼻血ブーのハードルが凄まじく低い。
最終更新:2022-09-25 23:32:33
2575文字
会話率:48%
城崎高校の天才少女こと"望月くるみ"はただ、生きることに飽きてしまっている。
優等生で人気者で、いつだってクラスの中心にいた彼女は、数ヶ月前を境に記憶喪失になって、性格が変わってしまった。
「ごめんだけど、私、君の
こと覚えてな……」
「記憶喪失じゃないでしょ」
「…………へ?」
「望月さんって、記憶喪失になったわけじゃないでしょ。その格好になる前から自傷してたじゃん」
"フリ"をしていると気がついたのは、僕だけだった。
「毎日毎日つまんなくて、死んじゃいそうなの。だからさ、退屈に殺される前にモブくんが救ってくれる?」
天才故に何でも出来て疎外され、つまらない毎日に飽き飽きしている『孤高ちゃん』と、今まで非凡とは無縁の世界で平凡に生きてきた『モブくん』の青春の話です。
少し重めに見えますが、ちゃんとハッピーエンドです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-20 00:07:54
21529文字
会話率:41%
学校1の人気者である、神に二物も三物も、才能を詰め合わせパックで与えられた完璧な美少女、三峰 彩葉。
まさに『神に愛された少女』である彼女の自殺現場に、マイペースで平凡な男子高校生である俺が遭遇してしまったからには。
「なぁ。俺、学校
抜け出して海を見に行くのが夢なんだけどさ。今から一緒に行ってみようぜ」
「はぁ……?」
「だって、どうせ死ぬなら俺に付き合って徳を積んでから死んだほうが良くないか? 俺は女子と学校を抜け出して海を見に行く夢を叶えられる。お前は死ぬ前に徳が積める。WinWinだろ」
「……別に、徳なんて今まで死ぬほど積んできたからもう積み足りてるんだけど」
「本当にそう言い切れるのか? あと少し足りなくて、地獄に落ちた後で後悔しても知らないけどな!!」
「くッ……。脅すとか最低! 卑怯者!!」
今日も絶対に、君を死なせない。
完璧な人気者じゃないと生きていけないような生活に疲れて自殺しようとした美少女が、平凡ハイテンション主人公と出会って、美味しい空気が吸えるようになるまでのラブコメです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-29 00:02:56
21851文字
会話率:55%
太田櫻17歳、ある日の朝、姉の小咲がランニング中に倒れてた少女を救ったという。
少女はどこからきたかは分からないが自分の事を麻生もねという。身寄りのない少女もねと一緒に暮らすことになる。
ある時、櫻の憧れの先輩中在雪穂と話しているともねがお
弁当をととげに来る。それが雪穂にもねは櫻の彼女だと思われてしまう。またどうにかその誤解を解くことに成功するがなんと雪穂は、櫻と同じクラスの湊と中良さげなところを目撃。それはあまりにも付き会っているようだった。櫻はそれを見て雪穂の事をキッパリ諦める。よく考えれば雪穂に抱いていた思いは恋心ではなくただの憧れだと。またもねは、自分のがお弁当届けるタイミングのせいで…。と思っていたため櫻に言った。「私が櫻の彼女見つけます」と。
一方、湊と雪穂は付き合っていないことを2人は知らなかった。
そして未来から来た君と5人の少女たちの運命が動き出す。
この作品はLINEノベルにも掲載しています。https://novel.line.me/reader/novel/3349
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-06 13:26:42
4113文字
会話率:67%
君のせいだ。君のせいで私は......。
最終更新:2018-03-27 23:26:31
571文字
会話率:0%
大学生になった俺が、ある日電車の中で美しい彼に偶然出会う。その出会いは美しいものではなかったが、その後再会を果たす。しだいにお互いが似た性格だとわかった俺達は親友になる。
そんな楽しい毎日に思えたが、どこが違和感を感じながら生活していた。
そんなある日俺に悲劇が起こる。
親友の彼だけはなぜか嬉しそう、、。
悲劇から俺たちの意識はどんどん変化していく。
迷い、求め、嫌い、おかしくなって、好きになる。
俺が大学四年間で過ごした、美しい彼との物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-30 23:44:20
14393文字
会話率:30%
進藤翔平は高校二年になり美形の篠原秀隆に会う。
積極的さの欠片もない妄想癖の進藤は、会話もないまま篠原を神格化していく。
俺は本気で篠原のことが好きなのか?
悩む思春期を等身大の高校生活で描く、青春のメモリーズ。
最終更新:2017-07-05 00:04:24
5533文字
会話率:16%
この物語の主人公、悟は充実した中学校青春時代に別れを告げ、背負っていたものを全て置いて高校いう新しいステージに爆誕した。
輝きをなくした悟は同時に色を失う。
光輝も色彩もない世界に君臨した女神ユンは、画面の向こう側の存在で鮮やかに彩っていた
。
彼女を手に入れたい。そんな衝動から悟は覚醒する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-10 00:00:00
280文字
会話率:0%
タエーナシアは狸獣人の外務省の文官。
今日も甘友な後輩たちと社員食堂で甘味を楽しんでる。
それを意地悪な近衛騎士副隊長な同期な狐獣人が邪魔をする平和な毎日に隣国から留学にきた姫君のせいで暗雲立ち込める?
私は甘いもんを食べてれば幸せだもん
。
タエーナシアの幸せな甘味生活は保てるのでしょうか?
短編小説
チミっ子ドジワンコひろいんは今日もコケる。
ちみっこ悪モフ令嬢はスカートだと転ぶ。
の続編です単独でも読めます。
乙女ゲーよくわからずすみません(泣)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-24 16:11:03
8804文字
会話率:41%
僕はただ、遠くから君を眺めていられれば良かった。
ただそれだけで良かったのに。
君のせいで、君を好きになってしまった。
そのせいで、こんなにも辛い想いをしなければならなくなった。
僕の悲しすぎる初恋の話
最終更新:2012-06-03 18:44:30
10187文字
会話率:15%
直人君は生徒会長を辞める事になりました。センゴク君のせいです。
最終更新:2010-11-16 17:01:25
200文字
会話率:20%