「わたし、ノービルさまとけっこんする!」
幼き日にそう心に決めた公爵令嬢フィアマは、十六歳の誕生日に王立騎士団団長ノービルの屋敷を訪ねる。
「さあ、私と結婚いたしましょう」
「せっかくの申し出だが、断らせてもらう」
「あら、どうしてです
か?」
「俺はもうじき三十だ。十四歳差だぞ、ほぼ倍だ。悪いこと言わんからやめておけ」
断る理由を並べられても、フィアマはめげない。
「理解はいたしました。ですが、長年の恋を諦められもしないので――勝負をいたしましょう? ノービル様がが私に惚れれば私の勝ち」
「俺が惚れなかったら?」
「どちらかが死ぬまで試合続行ですわ」
「期限を決めろ」
押せ押せモードでアプローチするフィアマと、たじろぐノービル。そんな二人のじゃれ合いのそばでは、不穏な影もうごめいて――?
※ゆるっと楽しい異世界恋愛。軽い気持ちでページをめくってみてください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-28 18:10:00
11304文字
会話率:61%
ロシェル・カーライルはある日前世の記憶を取り戻した。それは、タキシードを着た夫と並び立つ、結婚式の光景だった。その夫とは、彼女の現在の主治医であり、想いを寄せるイルマ・スペンサーの前世だった。ロシェルが今恋をするイルマこそが、彼女の前世
の夫だったのである。
これを運命と呼ばずに何と呼ぼう!幸福な未来に想いを馳せた少女は、しかし。すぐに嘆きの声を上げることとなる。
『どうして結婚してくれないの!』と。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-14 22:01:04
100466文字
会話率:36%