日ノ本の国に置いて、人の世は乱世……だった。
何故過去形かと言えば、その人の世がつい数ヶ月前に滅んでしまったからである。
今、この小さな国に跋扈するのは、有象無象の【化生者(ばけもの)】ども。
ある日、突然に化生者どもが大挙して、人々を襲い
始めたのである。
数少ない生き残りとして落ち延びた武士、丑若丸は独り森に辿り着くが、そこで森に住まう化生者【堕悪恵麗巫(ダークエルフ)】の襲撃を受けてしまう。
万事休すか――そう思った丑若丸の前に現れたのは……
――白衣を纏った【河童】だった。
これは、医薬師河童・Drカーパーによる、世治しの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-28 18:11:18
18225文字
会話率:42%
医薬師ライアは毎日のように王宮魔術師のジオドールに恋を教えるために恋薬を作っている。そんなジオドールには過去に愛した女性がいて…。これは王城で働く1人の医薬師が周りを巻き込みながら自分の恋に気づくお話。※前作「今日も今日とて王立図書館は平和
です」と同じ世界観になっています。というかその子供たちの話です。読まなくても大丈夫なようになっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-22 21:43:03
11718文字
会話率:47%
「ドレイファスの宝石」シリーズのエピソードゼロ。すべての事件のはじまりの物語。
「キールの薔薇」編、「天使の涙」編をお読みになった後に読んでいただけると嬉しいです。
キール王国の王であるリサフォンティーヌは、遺伝子組み換えされたグリ
セラトプスとの死闘や天使の子供とされる奴隷の少女を保護した後のある日、王宮内の自室に一人の老婆を迎える。彼女の名前はフルバ・ドゥース。彼女から、その事件の首謀者と考えられている男の話を聞くためだ。
老婆は、その男と関わってきた自らの経験を話し始める……。
時は「キールの薔薇」編の35〜36年ほど前。
舞台はドレイファス王国。リサフォンティーヌの父メンフィスはまだ20歳前。
ドレイファス王国の王宮医薬師であるフルバは37歳。ドレイファスの王都カラキムジアにあるシャルル・アドルフ大学医薬院の医薬術の教授に就任していた。
その彼女の教え子の中に、あの男がいた。
やがて悪魔の創造主と呼ばれることになる、あの男が…。
(この作品は、SF同人誌用に執筆した作品の転載です。限られた文字数の中で書いていますが、いずれはもっと長くしていくかもしれません)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-12 20:58:05
20624文字
会話率:51%
バルディス・レイ・ソートは、代々ドレイファス王国を守護する騎士団を率いてきたレイ・ソート家の長男だ。やがてキール王国の黒騎士として名を馳せることになる彼はまだ18歳。2年前に王宮騎士となったばかりだ。騎士団を率い、ある事件現場に向かっていた
。
物語は1年半前の春の丘から始まる。
バルディスの妹、カロリーナが今回の物語の主人公だ。
剣を握るのが当然の家系にあって、カロリーナは、薬草学に関心を抱き薬師(くすし)を目指していた。この春、ナシエラに出来たばかりの王立研究所の天才医薬師ジョバンニの助手に選ばれていた。ジョバンニは、リジェナチュール(再生術)を得意とする医師で、臨床の場だけでなく研究の場においても、画期的な成果を次々と生み出していた。
ナシエラには同年代の若い研究員が集い、活気にあふれ、カロリーナも充実した日々を送ることになる。
しかし、そのナシエラが、この後、ドレイファス王国の歴史に名を残す事件の舞台となることを、春の丘で言葉をかわす兄妹には想像もできなかった。
(登録ジャンルをSFからファンタジーに変更しました)
(この作品は、SF同人誌「Pfoject;D」に2010年〜連載した作品の転載です)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-12 23:23:26
15090文字
会話率:39%