我々が平和と繁栄を享受できるなら、我々以外の全ての人間が苦しんでいても構わない。
魔導文明世界の近代初期とはそういう時代だった。
この時代、大陸西方や大陸北方の各強国は周辺国との領土の削り合い、言うなれば、自分の家の庭先で延々と殺し合
い、奪い合うことに疲弊し辟易し嫌厭していた。苦労してモンスターを駆除して切り拓いた土地を台無しにし、汗水流して稼いだ国富を小便のように垂れ流し、限りある人口を使い潰すことに疲れ果てていた。
そこで、彼らの一部はもっと建設的かつ生産的な希望を求め、外洋へ踏み出した。
現代日本の教科書なら「大航海時代の到来」などとロマンティックに記しただろうが、その実態は悪辣極まりない。軍事力を背景にした強国による大侵略時代が到来したのだから。
列強の外洋進出は幾多の苦難と困難を乗り越えて成功し、彼らに大きな富と繁栄をもたらした(侵略される側には決して忘れぬ恨みと怒りをもたらした)。
そして、時が流れて大陸共通暦18世紀。
戦乱と革新の気配が強くなったこの時代に、ベルネシア王国の大公令嬢ヴィルミーナが前世覚醒を遂げた。
前世同様の野心と強欲と上昇志向が目覚めたヴィルミーナは、激動の時代をどう生きるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 08:10:00
2320780文字
会話率:29%
それは、よくある断罪シーン。
名門貴族学校の卒業パーティーを舞台に、王太子アーヴィンが涙ながらに訴える男爵令嬢メリアを腕に抱き着かせながら、婚約者である侯爵令嬢クララマリアを卑劣ないじめの嫌疑で追及しようとしていた。 ただ、ひとつ違うとこ
ろがあるとすれば。
一見悪役令嬢と思われる立ち位置の侯爵令嬢、クララマリアが、天使すぎたということである。
※別の投稿サイト様でも同時公開させていただいております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-14 13:01:50
6660文字
会話率:40%
素直で天真爛漫な主人公リリアンと冷静だが愚直な王子アルヴィン、一見悪役令嬢に思われがちだが本当は素直になれないだけの伯爵令嬢シャローラ、眉目秀麗な好青年風腹黒子爵のクリス。この四人を中心にに繰り広げられる学院生活。異世界貴族学院ファンタジー
王国にある貴族達が通う学院に田舎町で育った一人の男爵令嬢リリアンが入学式の日に出会ったのは王位継承第二位にあたる王子。何故かその王子と友人になることになって、その王子の幼馴染だというツンデレ令嬢と腹黒子爵とも出会い……………………
リリアンが思い描いていたような穏やかで優雅な学院生活とはかけ離れた毎日に奮闘する恋愛あり友情ありのストーリーです
「あれ?何か思ってたような淑やかお嬢様生活とは一味違う?まあでも楽しいからいっか!」
「はあ、能天気な奴は気楽でいいな」
「本当ですわ。もう、また御髪が乱れてますわよ。それじゃ完璧な淑女には程遠いですわよ」
「ははは、とか言ってちゃんと直してるあげてる辺り君は本当素直じゃないね」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-18 00:00:00
3578文字
会話率:40%