終業直前に突如異世界に飛ばされた僕、三千院侘助は【鍛冶一如】というユニークスキルを手にした。
それは熱した鉄を金槌の一打でイメージする完成形へと成形する鍛冶特化スキルだった。
ちょうど転職を考えていたので手に職ヤッターこれ幸いと鍛冶と異世界
の知識を学び始めた僕は図書館で古い本を手にした。
そこから現れたのは封印されていた【溶鉱の魔竜】を名乗る絶世の美女だった。
自己紹介をしたところで契約が結ばれてしまい、魔竜の権能を手に入れた僕は自前のスキル以上に金属を操る能力を手に入れてしまった。それは戦いにおいては無限の可能性を持つ無敵の力だった。
正直、僕は鍛冶が性に合ってるのでひっそりと暮らしたいのだが……どうしても戦いは避けられない。それがこの世界らしい。
僕は鉄を打ちながら、この世界でどう生きるかを模索することにした。その上で戦うことがあれば……しょうがないよね。世界最強の力を使うことになっても。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-27 00:00:00
102471文字
会話率:56%
筋金入りの擦れっ枯らしを自認する四十路男の西条誠司は、脳出血で倒れて、胸糞悪い思いしかない生涯を振り返る暇もなく死んでしまった──はずだった。
気がついたときには、どういうわけか前世の自我と記憶を持ったまま、異世界の赤子に生まれ変わっ
ていた。
「擦れっ枯らしに『感動』と『楽しい』という言葉は存在しない」
「衣食足りずんば、礼節など糞の役にも立たない」
「人間はつき合うものではない。扱うものだ」
「何をしてもいいという自由を手にしてなければ、どんな呼び方をしようとも、そいつは単なる奴隷だ」
「人間を集めても金は買えないが、金で人間を買うことはできる」
「恋愛感情も性交も、神が子作りさせるために人間にくれてやった餌にすぎない」
「暴力に対抗できるのは、それを上回る圧倒的な暴力だけだ」
「親兄弟など『血が繋がっているだけの他人』でしかない」
「生きている人間は危険きわまりない。死体のほうが安全な代物だ」
「自分の命は神よりも尊く、他人の命は蛆虫よりも卑しい」
望んでもいない転生を余儀なくされた元四十路男が目指すのは、最期を迎えたときに「今度は好きに生きてやった」と呟いて逝くことだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-01 00:00:00
94639文字
会話率:10%