グランメル帝国元老院で長年議長を務めるゼネクスには悩みがあった。
彼は威厳がありすぎて、街を歩けば人々に恐れられ、時には――
「ゼネクス様こそ帝国の真の支配者だ」
「その気になれば、帝国軍を顎で動かせるらしい」
「威厳でドラゴンも倒せるそ
うだ」
とメチャクチャな噂話までされる始末。
悩めるゼネクスを、妻ジーナは優しく励ましてくれる。
そこでゼネクスは威厳を減らし、“親しみのある議長”を目指そうとする。
しかし、彼はエルフやリザードマンといった異種族、騎士団長、皇帝にまで尊敬されており、さらに息子リウスは帝国一の魔法使い“大賢者”ということもあり、何かをすればするほど、ますます威厳が増してしまう。
なかなか思惑通りいかない中、孫娘ミナが、せめてもの生きがいである。
そしてゼネクスは様々なことにチャレンジしていく。
冒険者としてダンジョンを攻略し、学校の教師となり、時には暗殺者の少女に狙われ、ドラゴンの王と対峙し……。やがてその影響力は国外へも……。
元老院議長ゼネクスは、帝国のために働き、“親しみのある議長”を目指しつつ、残りの人生をどう生きるかを模索していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 18:35:15
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