探偵の佐幸輝夜(さゆきかぐや)という女性は、毎回奇妙な物に出くわす。
自らを怪異と称するのっぺらぼうの市松(いちまつ)は、望みがありながらも輝夜を守るも、ある日輝夜に顔を見られる。
のっぺらぼうのはずの顔には、亡き母親の顔が映っていた――そ
の後市松が輝夜の命と顔を奪おうと狙っている事実が判明するも、情がわいた市松は一族を裏切り輝夜を命がけで守る。
輝夜もまた母親の顔を盗んで殺した市松を許し、市松の苦悩を知る。
市松は人間の顔が欲しいと願い、ケサランパサランを使い叶えるも、輝夜がその後死んだ行為によって願いをなかった行いとする。
世界線はそうして輝夜が生きていた軸と戻り、相も変わらず怪異と過ごしていたが、輝夜にはとんでもない隠れた美学があった。
輝夜の美学を知った市松は、輝夜をただの人間に戻したがる。そうでないと、輝夜はきっと人間の輪から外れる。
『そう、それなら貴方は今まで気狂いな偽善を貫いてきたのね』
輝夜の美学に惚れ込んだ者達は輝夜に傾倒していき、まるで信仰のような恋模様も出来上がっていく。
恋心を殺し、味方になった怪異や市松は、輝夜の美学をねじ伏せようとするも、輝夜の友達は告げた。
「行動力がありすぎる善だと思っておけばいいじゃないか。真っ当な善なんてない。狂気なんだよ、善人は」
果たして狂っているのは輝夜か、周りか、それとも人間か。
善について語ろう。これは善とは何かを、吟味し続ける話だ。
何処まで人は犠牲になれるのか、何処まで人は善に狂っていられるのか。
人のために動く心や助けたいと感じる気持ちは、何処までが偽善で善なのか。本心を偽ってでも助けるのは偽善なのか。
その答えが見つかったとき、初めて輝夜は正常となるのかもしれない――。
※一部残酷・暴力表現が出てきます。某所にも載せてます。
※短編集ではありますが、話数が多いため連載にさせて頂きます。
ネット小説大賞第九回、十回 一次通過作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 01:27:55
296633文字
会話率:43%
天狗の疾風は昔、人間の親友を失った。
もしも生まれ変わりが現れたら大切にしようと願っていても、江戸時代から現代にまで時代が変化しても生まれ変わりは現れない。
やがて悪魔が現れ疾風へ生まれ変わりを案内できると告げた。
紹介で出会った親
友の生まれ変わりの候補たる存在「加覧 存(がらんある)」は無気力な存在で、心が死んでいた為墓を欲しがる。
存は親へ豪遊させるために借金まみれで自殺未遂し、大金を稼ぐ術がないとつげる。
疾風は「悪魔と契約し金を得ろ」と囁き、後日悪魔と契約した存と疾風は主従関係を迎えた。
存は悪魔専門の人探しを引き受け、大金を稼ごうとしはじめる。
人探しをする存に様々な悪魔、人々と関わっていくが素直になれない者達へ、存は「表の言葉は本音じゃなく、裏の意味が本音だ」と自分の認識で素直になるのを待つのだった――。
*BL未満のブロマンスです。念のためボーイズラブの表現にチェックを入れておきます。
*残酷に見える描写があります
*現代ファンタジーです
*別場所でも公開しています。
表紙一枚だけあり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-19 18:03:01
129543文字
会話率:50%