セイラム国第一王子アストールは、その強大過ぎる魔力故に人と交わることができず、辺境の塔に身を置いていた。彼の力を恐れるあまりに、使用人はいつかない。いい加減、数えるのにも飽きた頃、彼の前に連れてこられたのは、まだ幼いフラウという名の少女だっ
た。彼女もまた、ある理由から孤独の中に身を置いていて……
己の不幸に囚われていた傲慢な王子と人の温もりを知らない無垢な少女は、互いにかけがえのない相手となっていく。
※出血を想起させる描写を入れるかもしれないのでR15・残酷な描写ありキーワードを入れてます。きついものにはならないと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-27 20:53:22
128112文字
会話率:33%
「わたしは生きるの」――そう宣言した彼女の笑顔は、凍った湖面のような彼の心にさざ波を立てた。
::私立霞谷病院に勤める瀧清一郎《たき せいいちろう》は、腕は良いが冷血人間と名高い循環器内科医だ。
理性的で合理的、医者の本分は患者を治す為に力
を尽くすこと。
患者を診るのに余計な感情は必要ない。
それを信条とする清一郎は、ある日屋上で一人の少女と出会った。
彼女の名前は雨宮キラ。
心疾患で、幼い頃から入退院を繰り返している少女だった。
彼女は無愛想な清一郎に屈託なく笑いかける。
ただの患者にしか過ぎなかった少女は、やがて彼の中でかけがえのない存在となっていく。
※『のべぷろ!』にも投稿します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-19 08:00:00
167087文字
会話率:29%
深い闇のような黒い花は、またたく星に「お日さまを、おむかえするのに、ふさわしくない」と言われ、野原を出ていきます。黒い花は、どうくつの奥深くや、うっそうとしたしげみで咲きますが、とどまることはできませんでした。そして最後に咲いた場所で、「
とてもきれいな黒い花」と言ってくれる、やさしい存在に出会います。かけがえのない相手のもとで、黒い花は、今まででいちばん、美しく花をひらかせるのでした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-23 16:46:18
1332文字
会話率:25%
ある朝目が覚めると自分の部屋に見知らぬ女の子がいた。見知らの女の子の顔に戸惑いながらもまたいつもと変わらず学校へ行こうとする悠喜。しかしそこは自分の家ではなくなっていた。
他人行儀な妹、憤慨する父親、悠喜の名を知らない母親。そしていつも一緒
にいたはずの友達すら自分のことを忘れてしまっていた。
そんな世界で変わり者の少年がかけがえのない相手を見つける物語。
大切な人と過ごした何の変哲もない日常。一緒にいる間はそれがどれだけ大切なものなのかなんて理解することができなかった。失ってから初めて気づく。
取り戻すことができるかどうかはわからない。けれど、それを取り戻すために走らずにはいられない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-25 00:03:51
266604文字
会話率:35%