早見千恵は東京の高校で国語の教師をしており、夫の俊夫と娘の沙樹と平凡な家庭を営んでいる。沙樹には高校の同級生で葛西直紀という彼氏も出来て、誕生日に祝いに来てくれるように一家は皆それなりに幸せな生活を送っている。ある夏、千恵は自分の母校であ
る高校の同窓会に出席するために広島に帰郷する。それには青春のほろ苦い記憶も宿していた。千恵は高校生の頃は成績が優秀で、かつては東大に進学して大学教授になる夢を描いていたが、当時付き合っていた西村隆と別れることをためらい、広島に残りたいという気持ちも残していた。夢を取るか恋を取るかの岐路に立たされたが、最後は隆と別れて東京へ行くという選択肢を選んだ。しかし、東大を卒業してもその夢は叶わず、過去の決断に微かな後悔の念を感じるのだった。同窓会で隆と再会した千恵は二人だけでお互いの人生を語り合い、かつては感じなかった不思議な感情を呼び起こす。その後、ミュージシャンになるために高校を中退したいという夢を語る生徒の話を聞き、人の幸せについて考えさせられる。その一方で父親の急病の一報を知らされ、再び帰郷して再会した隆から、夢を求めない方が平穏でいられるという人生観を聞かされ、現代的な煩悩について考えさせられる。それでも沙樹が将来について悩んでいないことにとりあえず安心する。やがて沙樹が習っているピアノの教師の仲介で、沙樹がウィーンの音楽大学に留学する話が持ち上がる。以前は平凡な人生を歩むと言っていた沙樹も急にそれに興味を示し始め、千恵は沙樹が今の幸せを捨ててでもかつての自分と同じことを繰り返すのかと思い、一時は反意を示す。千恵は何とか沙樹を説得しようと、直紀と密会して思い留まらせるように働きかけるが、そんなやり方に不満を持った沙樹とも衝突する。そして、沙樹と直紀は彼らの答えを両親に報告する席を設ける。その場で沙樹も直紀と別れても留学することを希望し、直紀も沙樹の夢を後押ししたため、千恵もそれ以上引き止めることはできなかった。千恵の心には過去に封じ込めていた感情が再びわき起こり、人生が揺り動かされるのを感じる。三月になって高校を卒業すると、沙樹は空港で一同に別れを告げて旅立つ。千恵は空港で沙樹の幸せを信じて送り出すしかないのだった。
この作品は他のサイト(エブリスタ、comico、novelabo、ストリエ、カクヨム)にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-30 21:45:55
33335文字
会話率:50%
寿命という概念が存在しない神々の世界。
・・・・
その中でも特に位が高く.......というか神々からも絶大な人気と信仰を誇る神は、他の神たちから働きすぎていると言われ、若い神の間で流行っていた異世界転生旅行なるもので日頃の疲れをとって
くださいと神々総出で頼まれてしまい、子供らや部下たちの気遣いを無駄にはできず旅行することになった。
最初のうちは渋々であったが、徐々に慣れてくるとそれなりにロールプレイを楽しむことができていた。しかし何事にもマンネリ化というものは存在した。同じような日々を繰り返すだけの神生は退屈なものだった。そこでその神はある一定の期間で死ぬようにして、また別の世界に転生することを続けた。
一方神々の世界では彼がいなくなったことで仕事が回らなくなり、少しずつ欲を持つようになり下級位神らや若い世代の神々など仕事を押し付けられ徐々に腐り始めることに。予想以上に彼が抜けた穴が大きなったのだ。彼の帰りを待とうという案も出たが、彼を休ませることに必死で帰るタイミングや旅行の期間を伝えるのを忘れていたため、いくら待っても帰ってくることはなかった。のちに転生するタイミングで引き戻らせようともしたのだが、時間が経ち過ぎていたことと運悪く腐った者たちが担当していたことが重なり、彼を引き止めるものは存在しなかった。
斯くして一部隠居していて事情を知らない者たち・彼の直属及び元部下・蓋がなくなり増長され続けるゴミ、そして旅行を楽しんでいるうちに本来の目的も忘れた下界で遊びまくる神々のトップ。
彼らの行き違い相容れることのない物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-10 22:48:00
783文字
会話率:55%
後に奇跡の歌姫と呼ばれる少女、トニカ・ルッソ。
幼いころに盗賊団に拾われ、虐げられて彼女を救い出したのは、マルテという冒険者の青年だった。
助けを求める彼女に、手を差し伸べたマルテは共に暮らすことを決めるが、期限を区切った。
「2
年で、一人で暮らせるようにしてやる」
彼に、さまざまなことを教わるうちに歌の才能を開花させた彼女は、成功の階段を駆け上がる。
やがて、マルテの区切った2年の月日が流れた。
出て行こうとする彼を、トニカは引き止める。
ーーー『このキスで、さよならを』。
彼女は、日々の暮らしの中で何を思い、なぜ、劇場を去ったのか。
これはほんの些細な出会いから、トニカが本当の幸せを掴むまでの話。
※完結しました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-05 20:47:40
189894文字
会話率:29%
「……やばい、俺とうとう見えるようになっちゃったのか?」
ある夜、自分の部屋で幽霊を見てしまった主人公。しかし、その幽霊は「あなたと話がしたい。」そう言って彼を引き止める。
彼女が話をしたい理由とは?そして、彼女の正体とは?
見えない
彼女と、大学生の主人公が送る切ない物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-02 17:49:47
10911文字
会話率:42%
※流血、殺傷シーンがあります。
あまりに恐ろしいため歴史からも消されたメランコリック・ダイナソー。優しい心を持ちながらその一族に生まれた恐竜ブルーの夢は花冠を作ることだった。ある日ブルーは残酷な心を持った少女アカネと出会う。一緒に過ごすう
ちにブルーはアカネに惹かれていき、アカネは優しい心を育んでいく。しかし二人が一緒にいるのを見つかってしまい、ひとは森に火を放った。優しすぎる恐竜と優しさをおぼえた少女の恋の物語。
以下、ネタばれあ有りのあらすじです。
あまりに恐ろしく、残酷なため歴史から消された恐竜、メランコリック・ダイナソー。
その一族に生まれながら、優しい心を持つブルーの夢は、花冠を作ることだった。
恐竜の住む森の近くの村には、残酷な心を持って生まれたアカネという孤独な少女がいた。
鏡合わせのようなアカネとブルーは森で出会い、同じ時を過ごす。次第にアカネは、触れるものを壊さなくなっていく。
明日も、きみといられたら。
それだけを願っていた二人を引き裂いたのは、人間と恐竜の争いだった。
アカネが恐竜と一緒にいるのを見た村人は、襲われることを恐れて先に武器を取った。捕われたアカネは薬で眠らされ、牢屋に閉じ込められた。
目を覚ましたアカネが鎖を引きちぎってブルーのもとへ行こうとすると、幼馴染のリョクが引き止める。アカネへの恋心を打ち明け、行かないでくれと言うリョクに、アカネは妹のアンズを託して森へ駆けていく。
わざと囮になったブルーが息を引き取ると、アカネの血に眠っていたメランコリック・ダイナソーの本能が爆発する。アカネは恐竜たちに襲い掛かり、殺しあって、殺された。
かみさまは、たくさんの命を奪ったアカネを裁き、生まれ変わりの輪から外した。
ときのない世界でアカネを呼んだのは、頬に鱗を残した、人間の姿をしたブルーだった。
かみさまに救いの手を差し伸べられたブルーは、アカネのところに行かせてくださいと頼み込み、姿を変えてもらった。
約束の花冠と、花の指輪を贈ったブルーに、アカネはようやくこの気持ちが恋で愛であることを知る。
誰もいない世界で、二人はいまもずっと一緒にいる。
それを覚えているのは、優しい世界を作りたかったかみさまだけ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-14 00:05:49
22922文字
会話率:35%
真夜中の二時。訪問者は、突然に訪れた。自殺を図ろうとしている私を引き止めるように、次の日も、その次の日も、決まって真夜中の二時に訪問者がやって来るのだ。
最終更新:2016-08-11 01:57:04
5425文字
会話率:33%
飛び降り自殺を図ろうとした高校生の伏見朝生。しかし、それを引き止める存在が一人いた。それは初めて出会った、ツインテールが印象的な女子高生の榛名若葉。彼女は「朝生くんが死ぬなら自分も死ぬ」などと言い始めて――!? ◆甘酸っぱい青春ストーリー。
最終更新:2016-03-17 17:39:38
7063文字
会話率:14%
秋吉慎弥は恨んだ。
折角の楽しみを台無しにした、前触れなく現れた小悪魔のような少女を。
その少女はずぼらで、無鉄砲で、執拗で、忌々しく、図々しくて、しかし何故か真面目な彼の眼を引き止める不思議な魅力を持っていた。
伊沢茜は羨んだ。
一途に
一つの目標を見据え、そのためのプロセスを揺らぎなく遂行する。自らには出来ない、持っていない力をもった少年は、何処までも先の見えない道を上り詰めて行くようだった。
レーシングドライバーを目指す。
それは終わることのない操縦技術の追求と、絶対的な勝利への渇望。
その世界を歩き出す少年。
それを見守る少女。
そんな二人の物語。
レーサーになりたかった少年。
※昔モバゲー小説で執筆していたものの改定、続編となります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-04 14:51:06
237文字
会話率:8%
どうしても家に居たくない少年は真冬の街を散歩している。
そこで一人の少女と出会う。
少女は雪に足を取られ怪我をしてしまう。
少年は少女の手を取って病院へ連れて行くことになる。
病院に着き、少年は立ち去ろうとするが少女は彼を引き止める。
お礼
がしたいらしかった。
病院で診察を受けた後二人はタクシーに乗る。
少女が呼んだタクシーは、ある豪邸の前で止まる。
それは少女の家だった。
少女は自宅で手料理を少年に振る舞う。
少年は「どうしてこうなった」と思う。
少年は急いで御飯を食べて家を出る。
そしてまた冬の中をさまよう。
※自分のブログにて公開している作品の転載になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-20 03:29:53
8734文字
会話率:45%
――最後は、君を送る歌を。
ある日、平和な山間の里は火に包まれた。地獄と化した雪の里から男が一冊の書を盗み出す。そこに記されていたのは、命の輪を侵す禁術。そしてこの事件は、決して会うことの無い三人を出会わせる始まりだった。
深い夜に沈む
街で、死神の少女は一人の少年と出会った。今宵の標的たる魂を天へ送る不思議な少年。その力が気にかかった少女は、去ろうとする彼を引き止める。腕を掴んだ瞬間、見えた少年の正体は……。とある目的を果たすまでは“死ねない”と言う少年と共に、少女は一人の男を追う旅に出る。
死神の少女とある一族の少年、軍属の青年が織りなす、想いを巡る物語。
他所でも連載させていただいています。
拙い作品ではありますが、楽しんでいただければと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-17 22:07:05
6486文字
会話率:47%
突如姿を消した甥。叔父である比木谷は周りが引き止める中探索するが――。
※【夏のホラー2013】参加作品。申し訳程度のホラーでよければどうぞ。本気で背筋が凍えるような恐怖を味わいたい方はそっとブラウザバックをしてください。
最終更新:2013-08-06 13:20:10
9502文字
会話率:24%
3人の若い男女が凶悪な殺人犯を捕まえ、警察に引き渡そうとするが、
1人の少女が引き止める。
「このまま逮捕されても死刑になるだけ。
死ぬ前に反省させ、罪の償いをさせるべきです」
しかし殺人犯はその提案に反発。反省などするものかと言い出す始末
。
そこで、もう1人の少女が提案した。
この男は『良心増幅装置』にかけるべきだと。
『良心増幅装置』は人の良心を増幅させるとても素晴らしい機械です。
『良心増幅装置』を起動し、悪い人に『償い』をさせましょう。
(ニコ動に投稿済み)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-16 01:38:35
5075文字
会話率:21%
過去のトラウマから、恋愛に対しても親に対しても距離を置いていた私。そんなある日、診療室で出逢ったイケメンの患者さん。ただの患者さんのはずだったのに、そんなに優しくされたらもう止められない。
恋に落ちた私を引き止めるのは、職場のお局様・ライバ
ル達・幼馴染、そして過去のトラウマ。
誰もが羨む彼にそんなに優しくされたら、もう何も考えられない。
苦難を乗り越え二人の絆は強くなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-10-28 13:01:21
56172文字
会話率:27%
天原家の離れに居候している弥月は原因不明の熱におかされていた。不可思議な白鷺があらわれ、弥月を林の中へと誘う。一方、天原の御曹司・上総は彼女を引き止めるため林の中に入るが、そこで見たのは子供のころ亡くした母だった。
最終更新:2006-07-22 21:25:36
9607文字
会話率:34%