今年一番の冷え込みを感じさせる夜だった。
成人式を終え、ようやく一人の大人となって数日後。
私は車に撥ねられていた。
凄まじい衝撃とともに私は何が起きたのかを視界の隅で理解した。
短い生だったがこんなこともあるだろうと、私はあきらめ
半分に瞼を閉じた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-03-15 02:20:58
5855文字
会話率:46%
わたしは常々一人称の小説の限界を感じていた。
〈一人称の小説の主人公はどうして作家のように語りが上手いのだろうか?〉 (エピローグ/文中より) ◆◆◆◆
「おはよう。あむ」
と、きみの声が聴こえた時から物語は始まる。
目が覚めた
ら記憶がなかった。
瞼を閉じ『昨日の自分』を探す。
『昨日の自分』を探すつもりが『前世の記憶』が脳裏にうかんだ。
名前は安室 覇那子(あむろ はなこ)。
ニックネームは『アム』。
アムの村には伝説がある。
色情魔なるものがいる。
色情魔に憑かれた男性は霊域に住みつく。
霊域に寄りつく女性を襲う。
霊域には近寄らないよう、幼い頃から教育されていた。
でも、行かずにはいられない。
アムの愛した彼が、アムを愛した彼が、色情魔に憑かれた、と噂になっているのだから………。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-29 22:56:07
18317文字
会話率:18%
-目覚める時に瞼の裏に浮かんだ秋桜が咲き乱れる光景。
これを見せたのは貴方ですか?私は目覚めていいのですか?-
5年ぶりに戻ってきたこの街で、新しい私が始まる。
最終更新:2012-01-05 20:00:00
423112文字
会話率:46%
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キーワード:
最終更新:2011-12-20 15:28:52
250文字
会話率:0%
相川みつきは十七歳、高校三年生。何もかもが満ち足りているはずなのに、『忘れ物』が気になって仕方がない。順調すぎる日々、来年は進学、家族や友達、彼女を支えてくれる大切な人々。けれどみつきは時々自分を置き忘れてしまう。そしてふと瞼の裏に浮かぶの
は、茜色の空と一直線に伸びるポプラ並木。幼い日、父に連れられて歩いた茜色の散歩道。耳に届くメロディ、そしてコーヒーの香り。
忘れかけていた記憶の扉が開き、みつきは誘われるままに扉の向こうへ歩みだす。もう夢と区別がつかなくなった、記憶の世界へ。そこで彼女は幼い日々の自分と出会う。無邪気に父のあとを歩いていたあの日々を。見上げる空は燃えるような夕焼けで、優しく手を握ってくれるのは、父か、それとも大好きな彼の手か。美術部の彼、裕の指は自由に世界を描き出す。キャンバスに、自在に。ある日みつきはイーゼルの上にあのポプラ並木を見つけてしまう。幼い自分がバスを待った、あの待合室、伸びる影。
まだ夏には遠い春の夕方、みつきはいつかやってくるバスを、待つ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-16 00:32:32
49571文字
会話率:56%
いつも何かを我慢している俺の瞼の裏には、あの少年の日、跳び箱の前に蹲り続けていた「僕」がいる。
最終更新:2011-09-26 15:44:56
2590文字
会話率:29%
虹彩異色症の主人公、儚(はかな)。
車に撥ねられ、“ようやく”人生終わった。と、思った。
眼前に迫るヘッドライトを視覚におさめ、もう二度と開くことはないと思っていた瞼が動いた次の瞬間、眼前に広がっていたのは…………
最終更新:2011-04-04 03:36:29
8284文字
会話率:10%
壁を隔てた明るみを撫でるように。
キーワード:
最終更新:2011-01-29 19:44:04
374文字
会話率:0%
僕から吐き出される言葉は僕の命です。
最終更新:2008-08-04 10:16:47
7038文字
会話率:13%
雨が落ちる夕暮れも星の陰り交じり逢う空。
空に大きな月が出ていた。その向こうには太陽が地平へと去って行こうしている。夕立を降らした雨が空の境界線をまたいで、向こうに星と月、向こうに夕日とあけ色に染まり、雲がその二つを色を交ぜあわせて不
思議な色をしていた。
「先生さようなら」
私の脇を女子生徒が駆けて行き、振り向いてそう言った。
「さようなら、気をつけてかえりなさい」
私の言葉に女子生徒は頷いて、走って帰って行った。私が振り返ると夜色のカーテンが学校の上にかかっていた。瞼を閉じるとまだ学生だった頃を思い出す。幼くて未熟で、ただひたむきで真っ直ぐだった頃を思いだす。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2011-01-08 02:44:12
1338文字
会話率:31%
雨落ちる夕暮れも、雲と星、陰りて空に交じり逢う。
空に大きな月が出ていた。その向こうには太陽が地平へと去って行こうしている。夕立を降らした雨が空の境界線をまたいで、向こうに星と月、向こうに夕日とあけ色に染まり、雲がその二つを色を交ぜ
あわせて不思議な色をしていた。
「先生さようなら」
私の脇を女子生徒が駆けて行き、振り向いてそう言った。
「さようなら、気をつけてかえりなさい」
私の言葉に女子生徒が頷いて、走って帰って行った。私が振り返ると夜色のカーテンが学校の上にかかっていた。瞼を閉じるとまだ学生だった頃を思い出す。幼くて未熟だったあの頃を……。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2011-01-08 02:42:47
1514文字
会話率:30%
これから寝ようとしたていいたところに友人から久しぶりの電話がかかってきて。
日常のなんでもない時間の断片を描いた小説です。
最終更新:2010-11-30 23:09:32
3649文字
会話率:48%
「フカツ」
乾の手が腕を捉えた。引き寄せられる。足元で砂がじゃりっと音をたてる。シャツに乾の指が食い込む。
熱い指だ。
「好きだ。フカツが好きだ」
熱い声だ。
夏の太陽のように、人を焼く、生々しい声だ。鼓膜が震える。振動が指先にまで
満ちる間、瞼を落とし感じていた。
これは、恋だ。こういうのを恋と呼ぶのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-11-25 15:21:35
9331文字
会話率:42%
タンスの上に小さな白い包みがあった。骨が入っていると義母は言った。
その日の義母の顔を私は忘れられない。涙で半分閉じられたような薄い瞼から白目が私を睨んでいた。
最終更新:2010-04-28 15:55:05
990文字
会話率:22%
好野圭。
誰もが振り返るほどの美貌を持つ男子高校生。
しかし好野には謎が多く、彼の本当の姿を見る者がいなかった。
彼の右目。彼の声。
病室でひとり過ごしてきた彼に、話しかけた和砂。
好野圭は何者なのか。和砂は知りたかった。
そしてその日から
始まる不思議な毎日に、気付く術などなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-04-08 22:27:58
801文字
会話率:23%
宝島に憧れる少年は、瞼の裏に夢を描く。明るくて暖かい夢。もう誰も寂しくない夢。そんな夢は何処で見つかるのか。宝島は何処にあるのか。――彼は眼を開いてそれを見る。
最終更新:2010-01-21 08:27:33
2491文字
会話率:33%
羽田の倉庫で働く男と来歴不明の中国人女性、同性愛のケンジ、事務のみっちゃん、危険な香りの陳、様々な人間模様がぐるぐる回って、少し悲しい終局です
最終更新:2009-07-10 05:25:25
4054文字
会話率:29%
猫のささみ様。それは不思議な白猫だった。学校のテスト。私。ささみ様。逃走。公園。青年。スケッチブック。坂道。別れ道のミラー。山の中。空に一番近い場所。宵の祭り。青い青い空。重すぎる瞼。そして目覚めた私は何を見るのだろう。
最終更新:2008-10-04 02:14:46
33228文字
会話率:35%
ある男子高校生の何気ないと思われる会話の裏。
最終更新:2008-02-03 15:32:55
3389文字
会話率:41%
「今日も独り、明日も独り・・・」彼は考え込んでいた・・・。「一生独りなのかな、俺は・・・。『一人』じゃなくて『独り・・・』」昔の友達の顔が、瞼の裏に現れる。もっとも、今は『友達』と呼べる間柄の人は、存在しないが・・・。そう、彼は死のうとして
いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2007-11-15 19:53:33
10650文字
会話率:42%
目を閉じて、思い出してみる。ほどよく筋肉がついた、たっくんの肩にあったモノ。鮮明に瞼に浮かびあがる。「天使の……羽」可愛らしくて、柔らかそうな。「天使の羽?」不思議そうに聞き返す亮平に頷いて、あたしはもう一度言った。「たっくんの肩に、天使の
羽があった」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2006-11-13 03:24:07
9872文字
会話率:41%
お祖母ちゃんは、夜眠くなった時、『眠りの精』が瞼に砂をかけたのだと言いました。私はお祖母ちゃんに『眠りの精』になりたてのエーベルのお話を聞きました。ずっと昔のお話です……。
最終更新:2006-10-01 00:19:04
4237文字
会話率:39%