ある日突然、私はすべてを失った。
『もう君はいりません、アリスミ・カロック』
恋人は表情を変えることなく、別れの言葉を告げてきた。彼の隣にいた私の親友は、申し訳なさそうな顔を作ることすらせず笑っていた。
恋人も親友も一度に失った私に待
っていたのは、さらなる残酷な仕打ちだった。
『八等級魔術師アリスミ・カイロック。異動を命じる』
『えっ……』
任期途中での異動辞令は前例がない。最上位の魔術師である元恋人が裏で動いた結果なのは容易に察せられた。
私にそれを拒絶する力は勿論なく、一生懸命に築いてきた居場所さえも呆気なく奪われた。
それから二年が経った頃、立ち直った私の前に再び彼が現れる。
――二度と交わらないはずだった運命の歯車が、また動き出した……。
※このお話の設定は架空のものです。
※お話があわない時はブラウザバックでお願いします(_ _)
※アルファポリスにて先行投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-24 21:07:15
95409文字
会話率:34%
「記憶改竄事件」
新東京で突如発生した愉快的異能事件。
巻き込まれた人は多く、主人公である御影もその被害者だった。
記憶を失い、倒れているところをたまたまある異端の仕事をしている名家の女性に救助される。
記憶の改竄で、元あった記憶は
破壊され消え 残ったものも断片的で感情を忘れてしまう。
ひとりの救い手と触れ合うことで己の存在価値、失った感情を補完していく。
「おっ、ようやくお目覚めか 眠り姫。」
目が覚め、その女性はいう。
幸い言葉は少し覚えており、意味も理解できるが前後の記憶が完全に失われていた。が、一つだけ覚えていることがあった。
「お前、名前は?なんて言うんだよ?」
「......御影」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-10 16:52:53
503文字
会話率:0%
「ねぇウレシノ君、覚えているかしら? 七歳の時、私たちが一緒に行ったお祭りのことを――」
俺――嬉野空海には、リトアニアという欧州の小国からやってきた、エーリカさんというそれはそれは美しい彼女がいる。彼女は高校一年生の夏頃に初めて日本にや
ってきた人で、もちろん俺たちはその時に会ったのが初めてなのだけれど――。
「日本人の男女はオサナナジミでないと結ばれない」という与太話を何故か盲信するようになってしまったエーリカさんは、俺と付き合い出してからというもの、俺と彼女が幼馴染であるという捏造の思い出話を始めるようになる。やれKGBに誘拐されただの、海に小舟で漕ぎ出して遭難しただの、ありもしないヘンテコな記憶を捏造し、必死に俺の「オサナナジミ」になろうとするエーリカさん。最近はその捏造内容も随分上達してきたものの、日本の文化に根本的に理解が足りないため、なかなか俺の記憶改竄は上手くいかない。
それを憐れに思った俺が「じゃあ実際にお祭りの光景を見たら記憶の改竄も上手くいくのでは?」と提案し、俺とエーリカさんは一緒にお祭りデートに行くすることになったのだけれど――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-22 12:04:23
11461文字
会話率:30%
記憶というものはあてにならない。
最終更新:2019-01-26 18:29:48
2399文字
会話率:20%