「君の心、全部見えてるよ。でも、それを言ったら傷つくだろ?」
高村勇人は、異世界に召喚された日本の高校生。与えられたスキルは《察する力》――相手の本音や感情が直感的にわかる、という地味で役立たずなハズレスキルだった。役立たずとして追放され
るも、彼は笑ってこう言う。「……わかってる。でも、言わないだけだ」
だって、彼にはすべて察しがついていたから。
この世界の矛盾、人の嘘、そして――少女たちの恋心までも。
口ゲンカばかりのツンデレ騎士見習い・セリナ。
計算高くも優しい腹黒聖女・エイリン。
無口だけど真っ直ぐに心を向けてくれる魔族少女・ルーナ。
勇人は、彼女たちの言葉にできない想いを察しながらも、あえて鈍感を演じ続ける。自分が踏み込めば、誰かを傷つけてしまうかもしれないから。けれど、そんな勇人の優しさが、少しずつ周囲の心を変えていく。
陰謀渦巻く王都、明かされる聖女の過去、察しすぎるという呪いに苦しむ勇人――
痛快なラブコメとほんの少しのシリアスが交差する中で、勇人は決断する。
もう、察するだけでは終わらせない。
本音で語り合うことこそが、勇者としての使命だから。
これは――
本音が見えるからこそ、あえて鈍感を演じる優しさと、
最後に本音を語ることで始まる、新たな関係の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 06:58:41
2497文字
会話率:32%
『言葉の教室(僕と君の間に何が起こるのか)』
これは、静かな少年ミン・クアンと、日本とベトナムのハーフであるハルトが出会う、ひとつの教室の物語。
不器用な感情、交差する視線、そして言葉にならない想い。
ふたりの距離は、ひとつの席から始まり
、少しずつ、少しずつ変わっていく。
男子同士の友情と恋の境界線。
この物語は、誰もが一度は経験した、"初めて誰かを意識する瞬間" を描いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 09:00:41
12185文字
会話率:33%
伯爵家の冷たい屋敷で、妻として、ただ「役目」を果たすだけの日々を送っていたエリナは、夫・カーディスの度重なる裏切りに耐えきれず、ついに離婚届を残し、館を去る決意をする。
たどり着いた先は、幼い頃に過ごした父の兄が治める領主館。
そこには、
かつての幼馴染であり、今は館を護る騎士隊長となったアレクの姿があった。
再会した二人──静かに笑顔を浮かべるエリナと、彼女を見つめるアレクの心には、言葉にできない想いが渦を巻く。
エリナの無理に作る笑顔、優しさを忘れずにいる強さ、そして背負ってきた痛みを、アレクは胸の奥でそっと抱きしめながら見守り続ける。
しかし、かつて何もできなかった後悔と、彼女を守りたいという想いが、日常の中で次第に膨れ上がり、アレクの心を揺さぶる。
一方、元夫・カーディスは、エリナがいなくなった現実に直面し、焦燥感と苛立ちを募らせる。周囲の噂でエリナとアレクの関係を知り、理不尽な独占欲と支配欲に突き動かされ、二人の前に立ちはだかろうと決意する。
「もう、見ているだけでは駄目だ」
アレクの決意と、エリナの新たな一歩。
再び交わる二人の想いの先に、過去の後悔を超えた未来が待っているのか──これは、そんなエリナのが幸せになる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-29 18:00:00
28978文字
会話率:25%
西藤公園――それは、隼と葵がまだ名前で呼び合うことさえ照れくさかった頃から通い続けた、小さな場所。
木漏れ日と夕焼けが交差するあのベンチは、二人だけの静かな世界だった。
高校生になり、クラスが離れ、時が過ぎるたびに、隼は少しずつ「となりに
いた彼女」との距離を感じるようになる。
それでも、何気ない一言、ちょっとした目線の交差に、言葉にできない想いを託し続けていた。
だけど、変わらない風景の中で、変わっていくのはいつも自分たちだった。
新しい人間関係、遠ざかる沈黙、言いそびれた「好き」という言葉。
隼はそれでも“となり”を守ろうとしたが、葵は静かに離れていった。
やがて彼女は、言葉の届かないところへ行ってしまう。
最後に残されたのは、ひとりきりになった西藤公園と、彫られた名前の跡だけ。
葵がいなくなったあのベンチに、隼は何度も通った。
過去に触れるたび、触れられなかった温もりの記憶が、胸に刺さる。
そしてある春の日、名前の彫られたベンチを前に、隼はようやく気づく。
本当に欲しかったのは、「ずっと隣にいること」ではなく、
「隣にいるときに伝えること」だったのだと。
彼はただ、もう一度だけ言いたかった。
「となりにいてくれて、ありがとう」と――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 21:53:13
4028文字
会話率:17%
雨の降る季節、工学部の野村と文学部の菜緒子は、偶然の出会いから静かに心を通わせていく。中原中也の詩が二人を結びつけ、すれ違いながらも少しずつ距離を縮めていく日々。しかし言葉にできない想いが、やがて時とともに交差していく——。やさしい余韻と切
なさを湛えた青春の物語。「小雪の降る日、言えなかった言葉」は、詩が心に沁みるように、読む者の胸にも静かに響くラブストーリーです。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-10 21:23:09
3765文字
会話率:32%
もう少しで、バレンタイン。
言葉にできない想いを綴ってみました。
最終更新:2021-02-04 12:38:49
268文字
会話率:0%
孤独な少女が母親の再婚によって、突然10歳年上の姉ができ、少しづつ心を通わせていく物語。
最終更新:2018-09-01 19:36:15
8360文字
会話率:0%