幼いころから、私のものをなんでも欲しがる妹と、そんな妹ばかりを可愛がる両親。
我慢ばかりの人生だったけれど、王太子との婚約で状況が一変した。
しかし、妹はまたしても私の大切なものを奪おうとする。
——でも、今回ばかりは違う。最後に笑うのは、
私。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 11:38:29
1472文字
会話率:40%
グレア・レンヒルトは公爵令嬢として気品ある立ち振る舞いを求められたが、自由気ままな旅に出たいという夢を捨てられず、誰のために生きるのかと問われれば『自分のため』と誰にでも答えられるほど芯のある女性だった。
予定されていた皇太子との婚約
にも消極的で風変りな彼女だが、不思議と誰も責め立てはしなかった。家族以外は。おかげで夢を追う障害もなく、むしろ背中を押してくれる人々のほうが多い。
いくらかの着替えと硬貨を鞄に押し込んで、愛読書を一冊抱えて長らく暮らした帝都をあとにした彼女は、列車の中でマリオン・ウィンターという女性と出会う。
マリオンの夢は『不老不死になって世界を永遠に旅すること』だが、そのためには世界各地を巡っているらしい不老不死を得る手段を知っている魔女を探さなくてはならない。
意気投合したグレアとマリオンは少しの間だけ旅のパートナーとなるのだが、偶然にもグレアだけが魔女と出会い、運が良いのか悪いのか、魔女の大切な魔導書を開いてしまい──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-24 23:05:40
262748文字
会話率:57%
河村夏実は都市部の有名私立大学の付属高等部2年。女子からは容姿端麗・頭脳明晰だと持て囃され、一部の男子からもそれなりに人気がある。だが彼女は恋愛には一切興味がない。なぜなら……過去のとある出来事のせいで、男性恐怖症になっていたからだ。
なにより、11歳年下の弟・夏樹の面倒を両親の代わりに見なくてはいけなかった。周りの人間は「弟の面倒を見るのなんて大変だね」と同情するが、滅相もない!
確かに彼がまだ赤子だった時は右も左もわからなくて、不安で仕方なかった。だが学校の勉強の合間を縫って、育児書を読み漁り教育系の番組やドラマを観て、心優しいお隣のママさん方や孫思いの祖父母からアドバイスをもらう毎日を送る。
夏樹の成長を見守ることこそが、喜びであり、生きる力の源だった。夏樹が大きくなるにつれて、彼女自身も次第に、強気で勝気な芯のある女性へと変身していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-21 00:00:55
7172文字
会話率:26%