「世界(World)」がテーマのダークファンタジーSF。
"ネイズグ"はほとんど神話なき世界。 悠久の昔まで遡ったとしても、記録の限り現実の物語ばかりが続いてきた底の世界。
"レザフィカ"は造ら
れた古き世界。悠久の時、大地を支えてきた巨大な木の枝の先に浮かぶ、独立した宇宙として存在する球体(スフィア)の世界。いくつもの秘密が蓄積されてきた。希望も絶望も、全てそこにあるかのよう。だけどそこに生きる者たちはただ、今その時を必死に生きている。
ある時、球体世界に恵みを与えてきた、大いなる天空の海を漂う太陽船が何者かに襲撃される。襲撃者は、その造られた世界ではひどく嫌われる、特別な機械生物を連れていた。
彼はまたウィルミク・ナフナドカと思われた。狂気的な実験を重ねた末に、自らの国を滅ぼしたとされる、悪の王家の最後の王子。
ほぼ同じ頃。スフィアではない、天空の海でも、巨大な木でも、どこまでも続くような大地でもない。ただ、最も高き領域で、この世界で最も恐ろしきものの1つが、初めてその目を開こうとしていた。
それは、この世界とセカイのすべてを巻き込んだ巨大な陰謀の始まり。機械仕掛けのもの、創造の魔術師、永遠の大地の怪物、そして欠陥品の生き物たち。すべて巻き込んだ戦いの始まり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-07 17:37:43
145556文字
会話率:37%
戦闘の合間の休息に、シェリーは部下のヴェイと語らう。ヴェイは、開戦時の核攻撃によって二百五十万人を殺めてしまい、そのあまりに大きな罪の意識に苛まれ、相応の神罰を欲していた。シェリーは、それを生物哲学の教義からは、内神に従った結果としてあるい
は歴史の成り行きとして仕方なかったと諭し、彼が生き残って罪を見つめることこそ神罰だと告げる。シェリーは、神でもない自分が神罰を語ることに違和感をもち、自らも罰を欲しているのだと気づく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-30 09:51:54
18153文字
会話率:43%
月と地球の間、虚無の広がる戦場で、そのおおらかさに身を委ねたいという動物的な衝動を感じていた看護兵リザは敵兵アーウィンを救う。生物哲学にも、神にも救いを求める気持ちになれないリザだったが、アーウィンと話をするうちに心が安らぐ。二人は戦前に出
会っていることに気づき、ジャズへの興味を伝えあううち、リザは戦争によって押し隠されていた情熱を思い出す。そこへ停戦の知らせがあり、リザは虚無の抱擁よりも魅力的な、未来への期待に身を震わせる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-26 17:05:38
13194文字
会話率:41%