「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親
も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 04:36:21
6780文字
会話率:63%
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親
も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、令嬢にあるまじきことに、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、その上で向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-13 00:06:38
6520文字
会話率:63%
汝、オーディオ沼にハマることなかれ。
低音ズンズンが最高? 高音キラキラが至高? 正解なんてない。
※本作は音楽業界や沼の住人にケンカを売るものではありません。
最終更新:2022-12-05 12:37:48
2303文字
会話率:4%
今は亡き恋人のデジカメで夕日を淡々と撮影し続ける主人公は、ふらりとSlowtimeと書かれた喫茶店にやってくる。そこはクラッシックしか流れない、ゆったりとした空間だった。店の奥には古いピアノがあって、時々生演奏を聞くことが出来るのだが、別
に誰が弾いてもマスターはにこにこしているのだ。
やがて、意外な事にマスターもピアノが弾けると判り、常連客はマスターにピアノを弾かせようとする。しかし、恥ずかしがり屋のマスターは、店を閉めてから『ある一定の条件』が揃った時しかピアノ演奏をしないのだ。その法則を、常連客は面白がって探していく。
そんな、ちょっと面白い日常が繰り返されていた四月一日。一人で近所の花見を終えた主人公が、今日もSlowtimeにやって来た。そこで『自動ドア』とステッカーが貼られた入り口で立ち止まるが、ドアは一向に開く気配がない。
騙されたと判ったが、マスターに言われて、今日がエイプリルフールであったことを思い出す。しかし主人公の恋人は、酒と嘘が嫌いであったため、しばらく嘘というものから遠のいていた。
いつもの席でマスターと話している内、自分が言った一言で、主人公は恋人と出会って、そして別れるまでの楽しい日々のことを思い出す。それは外で花吹雪が舞う一瞬の出来事であり、主人公の人生でも半年にも満たない期間であった。
Slowtimeにはもう一人、Miniに乗った女性が現れる。CDを出したり、映画に出演することになったり、ちょっとした有名人の様であるが、主人公にはそれが誰だか判らない。しかし、マスターと仲良しのその女性の様子を微笑ましく眺める。かつて自分もそうであったと思い出させるかの様だが、それは口にしない。
この喫茶店の窓際にある一番奥の席は「悲しみに浸る席」で、そこに座るのは、恋人と別れた女性と相場が決まっている。するとマスターは、頃合を見計らって、元気が出る歌謡曲を流して応援する。
主人公は仕事上の苦悩でそこに座ってしまうが、恋人に振られたのだと勘違いしたマスターは、同じ様に元気の出る歌謡曲を流し、別れの曲を歌って主人公を励ましてくれる。
思いも掛けぬ曲のプレゼントに驚くが、その曲をきっかけとして主人公は元気付けられ、この街を後にする。
その日はかつて、恋人が祝ってくれた自分の誕生日だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-17 22:00:00
99244文字
会話率:48%
学生演奏家としてコンサートなどに出ながら、動画投稿サイト『YouTube』に動画をアップし、コンサート出演料と動画の広告収入で生活している『東雲皐月』こと高橋賢治。
ある日高校の学祭で使う演奏を撮影するために音楽スタジオへ行った帰り、み
なとみらいの海沿いの公園でセッションをしている少女たちに出会い、その演奏に飛び入り参加をする。
この時の彼には、彼女たちが今後の自分の人生を変える存在とは夢にも思わなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-23 15:26:21
57082文字
会話率:48%
テレパシーが開発されたのだから、もう言葉なんて必要無い。
そんな未来になってから赤は病気から目を覚ました。
盲目の画家の赤。
赤の娘で安楽死の研究医、紫。
未だに生演奏にこだわる言葉好きロック歌手の黒。
人間嫌いのテレパシー開発者、白。
そ
して正義の味方、空色。
色々な登場人物の中で「目が見えない人間にはこの世界をどう見えているか」を描く画家の物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-10-16 22:31:40
27905文字
会話率:54%
いつか古楽器の生演奏を聴いてみたい。そんなささやかな願いをやや捩子曲がった方向に叶えられてしまった迅見道子(はやみとうこ)。今いる場所もわからず、元いた場所に帰る方法も知らず。それでも持ち前のポジティブシンキングで元の世界に戻ろうと決意す
る。そして半年後、とある町の広場の一角には横笛を携えた道子の姿があった。(意訳:まだ現世に戻れていません)企画:SmileJapan参加作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-07 00:00:00
2831文字
会話率:24%