神々の計略により、グレイプニルによって縛り上げられた大狼Fenrir。
ラグナロクの日、彼が神話界へと舞い戻るまでを描いた再訳の物語。
「今度は、俺が狩る番だ。」
自らを束縛する戒めを壊すため、彼は自らの複写を、一匹の狼として、異世界へ
産み堕とす。
時は9世紀初頭。降り立ったのは、第2階層、ミッドガルド。
ルーマニアのカルパチア山脈周辺はブルガリア帝国の支配下にあり、地方的な領主たちが自治的な領域を形成していた。
黒海に睨まれたコンスタンツァ寄港有するドブロジャ地方の無名小国ヴェリフラートは、絶えずブルガリア帝国とビザンツ帝国による支配権の争奪に晒された傷跡を残しながらも、交易港として発展を遂げる。
しかしながら、ドニエプル川を通じて黒海方面に進出し、スウェーデンよりビザンツ帝国へと南下する過激なヴァイキング勢力の侵攻により、次第に彼らの略奪に晒されるようになって行った。
出逢ったのは、神様によって、ヴァイキングによる侵略戦争の火種として妻を殺された青年シリキ。
「復讐が、したくは無いか。」
互いに、利用し合えそうじゃないか。
こいつは、嗅ぎ覚えのある臭いをしている。
そう、あいつと同じ臭いだ。
優しかった大狼は、もういない。
底知れぬ人間の憎悪が、神々への報復の手段をより歪んだものへと変えていく。
唯一心を許してしまった裏切りの友には、どんな死が相応しいだろう。
そして、彼が決して神話界で味わうことの無かった、同じ大きさの、普通の狼同士の触れ合い。
群れを率い、番を持つようになること。
その全てが、ずっと、なりたかったもの。
初めから、ありさえすれば、そう悔やんでも、もう遅いのだ。
最後の日、彼が齎し、そして迎える死とは。
最愛の我が狼が、どうか納得の行く最期を迎えられますように。
前作、「Wolfhound ウルフハウンド ―神話に殺された狼のやり直し―」の続編になりますが、単作としてお読みいただけます。
狼や人外が好きで堪らないという方、是非読んでみてください!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 19:31:14
85618文字
会話率:12%
2種類のあらすじを用意しました。短いVer.と長いVer.です。お好みでお選びください。
「短い方のあらすじ」
若干12歳の少年ジンは、異形と遭遇する。
人を殺し、食らう化物。それが異形。
そんな絶体絶命のピンチを助けたのは白髪の美
女ウェウリン。彼女は魔技師であり、異形を殺すことを生業としていた。
再び異形に狙われる可能性がある以上、ジンを放置することはできない。ウェウリンは魔技師になることを提案し、ジンはそれを受け入れる。
この決断が、のちにある大事件を解決に導く魔技師を誕生させるのだが、それはまだ先のお話。
ーーー
「長い方のあらすじ」
心霊だとか、そういう不可思議なものは、剥き出しの精神と変わらない。だから大きな負の感情に歪めば、その歪みに沿って簡単に姿形を変えてしまう。そして一度でも歪んだものは、二度と元の姿形に戻ることはない。
歪んでしまった心霊だとか、なんだかそういうものは、これが困ったことに人間を襲う。増幅した悪感情に歯止めが利かず、肥大した欲望に振り回される。
襲われる側の人間は、とりあえずそれを『異形』と呼んで恐れることにした。しかし昨今では、その『異形』という存在を見ることは勿論、聞くこともない。
しかし『異形』は変わらず、そこに存在している。
見える範囲にいないだけだ。生き血を啜る化物は、依然として、日常の陰に非日常の巣を築いている。
ハリボテの平和が続けられるのも、薄氷の日常に立っていられるのも、全ては非日常に身を投じる何者かのお陰なのだ。
『異形』を狩り、その存在を表に出さない。
それを続けてきた尽力者たちこそが『魔技師』であり、統括する組織を『魔技師連盟』と言う。
さてここに、非日常へと転落した少年がひとり。
少年の名前はジン。
彼は不幸にも異形と対峙し、魔技師となり、のちに世界を揺るがす大事件を解決へと導くのだが、今はまだ12歳の子供である。そんなことになろうとは本人も、両親も、世界だってまだ知らない……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-03 18:00:00
221584文字
会話率:37%
様々な漫画の名言を読んできたけれど、つうじる名言というものが存在する。
著作権の都合上、お話する事は叶わないが、これはその二つから思ったお話。
神様のしっとりと重い愛の話。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳
御座いません。
注意事項2
神様の愛って他者から見たら理解し難い程に歪んだものに思われるかも知れません。
距離を無視した、というのは半分合ってる。
距離も時間も無視した。これこそが本当の意味だと思います。
でも、それくらいなくちゃ本当の愛とは言わないと思うんですよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-13 09:11:14
908文字
会話率:24%
小さい頃におばあちゃんが教えてくれたこと。神様を信じ、祈ることで見た光で信仰心が産まれた。
ただその信仰心は、真っ直ぐなものではなく、歪んだものだった。
そんな信仰心を持った如月 祈理(きさらぎ きり)は、お祈りを続けた。
そして、お祈りが
実を結ぶ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-16 00:38:10
6977文字
会話率:39%
年下の恋人アオイへの愛がいつしか歪んだものになっていることに気づかない帆波。彼女の心の奥にある闇とは…
最終更新:2020-07-11 09:22:35
37738文字
会話率:8%
過干渉な親。彼女がいるのに自分と寝ているセフレの幼なじみ。就活で失敗続きの自分。
少しづつ歪んだものたちに囲まれている大学生の愛莉は、ふとしたきっかけで体型や食べることへの考え方が変化し、体重を減らすことに喜びを見出し始める。
適切なジャ
ンルがわからなかったので「その他」で投稿しました。その他って何なんでしょう……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-28 13:58:09
14460文字
会話率:33%
これは上海アリス幻樂団の手掛ける東方projectの二次創作です。
メリーに彼氏が出来た。そんな中、蓮子が想うこととは
最終更新:2018-04-01 22:17:00
3354文字
会話率:53%
一年中雪で閉ざされた『霊幻山(れいげんやま)』
そこには一人の雪女と、
彼女に仕える雪男が暮らしていました。
争いや憎しみ、歪んだものなど何もない
真っ更で純白な世界。
ある時雪女は、別の色を彩る世界を
一目見てみたいと願うよう
になりました。
初めて外の世界へ出た時、彼女が目にしたものは――?
この世界は変わらぬ純白な世界か
それとも暗闇に歪んだ世界か――?
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2018年公開予定の自作オリジナル乙女ゲーム「ラストインフェルノ」の小説版です。
「雪」を題材にした、暗く幻想的な和風ファンタジー。
なおこの作品は「エブリスタ」にも掲載しております(表紙イラストあり)
https://estar.jp/_novel_view?w=24942006折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-20 21:41:09
5027文字
会話率:26%
巷で有名な不良組の1つ、一之瀬組の次男であり次期頭領として若頭でもある男子高校生の一之瀬律。
ある日、数年前から行方不明になっていた実の兄一之瀬竜が家に戻ってきて、律の人生が大きく変わろうとしていた…
「俺達は、他者から見たら歪んだものなん
だろうな。」
「…子は生まれてくる親を選べないって、不公平だと思うんだ。」
誰にも理解されないモノでも、最後まで貫けばきっと…そんな当たり前の未来を取り戻そうとする兄弟の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-08 16:09:10
5121文字
会話率:40%
何処にでもいる普通の、漫画と走ることが好きな女子高生久下菜々子。彼女は過去に、向日葵畑の中で待つ“少女”と出逢っていた。その少女が転校してきたとき、二人の歯車は動き出して――――
少女同士の淡い恋、そして夏。少し歪んだものがたり。
最終更新:2015-03-14 00:47:27
16318文字
会話率:47%
「皇妃?!今、皇妃になれと言いましたか?今さらそんな言葉をすると私が'はい、陛下'と受け入れると思いましたか?!」
歪んだものは何でも元に戻す!
怖い毒舌家。でも愛しい月紅連お嬢様が聞かせる皇妃になるプロジェクト!!
可愛いし、愛しい
紅連お嬢様の中化風の物語があなたを会いに行きます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-10-03 14:52:49
4536文字
会話率:33%
唯は声に導かれ、井戸の中へと落ちた。そこには、平凡からかけ離れた不思議な世界が。おかしな住人たち、狂った常識、アリスの存在意義。哀しい宿命を背負った者たちから注がれる切ない愛は、ひどく歪んだものだった──。『不思議の国のアリス』をベースとし
た、異世界ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2007-08-25 18:28:55
87771文字
会話率:39%