俺は、偶然に偶然が重なって、宝くじの一種「ロト7」で一等賞に当選して、100億円が転がり込んできた。
真っ先に感じた感情は、恐怖だった。
運を使い切った事で、事故で死ぬかも知れない。
百億円持っていることがバレて、拷問にかけられたあげく
金を渡した後、殺されるかも知れない。
殺されないにしても、バレれば変な団体や危ない奴から、「金を貸せ」「寄付をしろ」と追いかけ回されて、逃げ回る事は確実だ。
今まで底辺で生きてきた俺だから分かるが、金を持っていることがバレれば、嫉妬に駆られた周囲の奴らにたかられて、あっという間に金を使い切ってしまうのは確実だ。
まず、職場の同僚など今付き合っている連中から、離れる必要がある。
しかも離れるにしても、それなりの理由が無いと行動を怪しまれる。
そのために思いついたのは、田舎で農業をするという理由で職場を辞めることにした。
若い頃、農家やってた祖父母の手伝いをしていたから、栽培のイロハは知っている。
農家だった者が、農業をすることは不自然では無い。
そう考えた俺は、静かに行動を始めた。焦れば宝くじ当選がバレる。
バレれば破滅は確実だ。
だから、周囲に悟られないように、慎重かつ迅速に現在の人間関係から、離れる必要がある。
そうして、俺は夢でも何でも無い、静かで平和な生活を目指すための行動を始めた。
これは、偶然の幸運をつかんだ者が、“惜福”の工夫をしながら、ひっそりと生きる努力をする話である。
ほかの話のように、主人公が異世界に迷い込むという設定は、今のところ考えていません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-23 21:00:00
18599文字
会話率:6%
波乱もなく漫然と生活する浅間イサムは就活生。世間の流れと共に就職活動を始めるも、夏になっても内定を得られていない。
そんな中、母に請われて帰省すると山仕事に駆り出され、その山中では蛇に噛まれ、翌朝には顔に見慣れない痕ができていた。
そ
して再び入った山中で行き倒れた女、異界からの来訪者であるユーラを見つけて介抱すると、後日ユーラから腫れ痕が魔術によるものだと指摘される。
山が異界と繋がることを知ったイサムは顔の痕を治すため、ユーラの案内で異界へ渡り、その故郷のプレダを目指すことになる。
渡った先の異界では獣化病という病が蔓延り、問題が起きていることなど露と知らずに。
イサムが異界を旅する中で様々な選択を求められ、成長していく物語。
※2019/12 全体の改稿と改題しました。(旧題:蛇の従者 ~就活生、異界へ渡る~)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-24 06:10:35
472179文字
会話率:27%
ある日のこと。
弥太郎は山仕事をしての帰り、山あいにある小さな池の淵に倒れている娘を見つけた。
最終更新:2018-07-11 05:11:09
1347文字
会話率:30%
アルバイトの為にとある田舎村に来ていた青年。しかし、雇い主からの指示がないまま、すでに数日が経過していた。暇を持て余しているところへ、通りがかった老人から「山にはクマが出る」と言う話を聞かされる。そして、さらに数日経った夜、ようやく彼は「山
仕事」とやらを手伝わされるのだが、そこで思いがけない物を目の当たりにするのだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-11 23:07:03
8352文字
会話率:37%
山仕事で成長した青年と山小僧の話
最終更新:2015-09-14 18:37:28
1870文字
会話率:17%
主人公、甲 久司(きのえ ひさし)は中学三年の男。不登校児でいつも山に籠もっている。
七歳の頃両親を事故で失い、それ以来、母の田舎の祖父に引き取られ面倒を見て貰っていた。が、半年前その祖父も亡くなり、それ以来ずっと学校に行かず、祖父が行っ
ていた山の手入れや椎茸の栽培、炭焼きetc… などをして生計を立てて生活をしている(両親と祖父の保険金で生活していくのに困らないだけのお金は持っている)。
学校に行かないのは山仕事をする時間が無くなるのと、別段進学する意志もなく、将来もこのままの生活を続けていこうと考えているからだ。
多少皮肉屋だが、サッパリとした性格で友達も多く特に学校に不満があって登校拒否をしている訳ではない。
担任の教師などに再三に渡り説得されているが、応じる気は無かった。
三年になった四月初旬。運命の転機というか、災難の口火を切る女性が久司の前に現れる。
名を織部舞華。四月から久司の学校に赴任してきた新任教師である。
彼女は久司のクラスの副担任で、久司を学校に連れて行こうと使命感に燃えていた。
しかし彼女は久司にとって心の奥底に封印した負の記憶だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-26 09:42:17
4465文字
会話率:64%