ただ一つ、少女は願いを握り締めて暗闇を飛び出した。
歪んだ波の数数を浴びて自沈した、暗い、暗い、海の底。潜めて、押し込めて、どうにもならない狂気を抱えて、裏切りの浮上を繰り返した。
最初の願いは叶わない。それでもいいと思えた。海の
底に、新たな願いが生まれていた。
「震わせ──」
諦めることのできない本能。諦めることのできない本心。ぶつかり合った過去と現在の願いを六つの剣に籠めて、少女は解き放つ。無数の願いを叶えてゆくために。その狂気を包んでくれたひと達のために。
――――――――――――――――――
※文体・台詞の癖が強いかも知れません。ご理解・ご了承ください。
更新:半月から一箇月ごとに一頁ずつを予定。
完結:一七頁を予定。
――――――――――――――――――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 06:50:00
21156文字
会話率:61%
……ワタシ達は何を手にしてる。
夕影の決起、綯われた縄のような地下室、温かな姉の手、凶弾と止まらない血。
選び取ったものを置き去りにして、見つめたかったものとは別のものを見つめて、抗うことのできない破滅へと踏み出して。
……後戻
りはできない。
隔たりの向こう側へ届く日は遠くとも手放すことのできないもののため静かに叫び、孤独を歩み続ける──。
――――――――――――――――――
※文体・台詞の癖が強いかも知れません。ご理解・ご了承ください。
更新:不定期の水曜から金曜に一頁ずつを予定。
完結:二六頁を予定。
――――――――――――――――――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-29 16:00:00
574620文字
会話率:56%
どうということもない日常がほしい。
素朴なものがほしい。
未来を信じた決意が望んだ未来を遠ざけた。身近にあった手放せないものまで遠退いて闇に沈んだ。
同じテーブルで、ティーカップやオーバルプレートに向かえたら、それだけでよか
った。
たったそれだけのことに、手が届かない。
それでも手を伸ばしてゆく。
……あの決意は、間違いじゃなかった。
そう信じたから。
今もそうだと、信じているから。
――――――――――――――――――
※文体・台詞の癖が強いかも知れません。ご理解・ご了承ください。
更新:不定期の水曜から土曜に一頁ずつを予定。
完結:五頁を予定。
関連作品:前作「破綻の日常」「幸福の踏台」「冥姫の断凍」「破滅の怨恨(連載中)「水面の木の葉(連載中)」
――――――――――――――――――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-26 06:00:00
91257文字
会話率:61%
「……私はただ、貴方を救いたかっただけだったのに」
魂に刻まれた宿命と罪に、一人の男が溺れてゆく。
竜や精霊、魔物が棲む世界。その大陸の一つに存在する国・アルヒ王国に暮らす騎士カシェ・ファーガスは、類稀なる魔法の才を持っていた。領地経営、
人間関係、縁談。ありふれた問題に頭を悩ませる、ただの平凡な伯爵である……はずだった。
父の死に関する事件、突然現れた義兄弟、魔王討伐——。様々な問題や面倒事がカシェの身に降りかかり、否応なしに渦中へと放り込まれる。
生来苛まれる、身を裂くような喪失感と焦燥感。その真因に触れた時、彼が想い、選び取ったものは──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-29 21:29:53
268332文字
会話率:51%
――人が、死ぬわけないだろう!
人は、命は、生まれた以上必ず死を迎える――。
真理でもあるはずのその大前提を覆す、少年の放った一言。
しかし、この人類最後の都市においては、それこそが摂理だった。
そこに生きる人々は、そのすべ
てが、老いることも死ぬこともない、不老不死の身だったのだ。
……たった二人。一組の双子の兄妹を除いては――。
これは、永遠の生を享受する者と、死の意味を見出す者と――。
1000年の時を経た彼らの縁が最後に紡ぐ、命と罪の物語。
※ かつて投稿した同タイトル『畢罪の花』を、レイアウトや構成を見直した作品になります。
※ 多少の手直しはありますが、物語の内容自体は変わりません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-14 18:41:46
234646文字
会話率:21%
原罪の器
七つで満たせば願いが叶う
九つで満たせば全てを手に入れる
懺悔する憤怒 毒を喰らう暴食
哀しみを隠す傲慢 心を知る強欲 家族思いな怠惰
愛を求め与える色欲 世界求める原罪 共に巡る嫉妬
時期を待つ虚飾 命を賭けて赦す
憂鬱
優しい子供たちの哀しい罪の話折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-05 13:27:04
47498文字
会話率:40%
本職、建築家として、副職、盗賊としてカルトは日々を過ごしていた。
そんなある日、建築としての仕事である商人の家に行く。仕事の中で、商人の奴隷、ジェノに出会い、恋をする。ある日を境にジェノと同居生活をするうちに、ジェノから国の裏というもの
を聞かされる。
一方で隣国、カルドレール王国では派閥ができ、国は割れていた。キリアはカルトの住む国、アドル王国に貿易と応援を頼むことにした。来国した際、シアナとキリアの子と思われるカルトに出会い、一度国に来ないかと誘う。己の生を知らないカルトは半信半疑でその誘いに乗った。カルトは自分の生を知ると同時に立場を知り、ある決意をする。
愛する者のため、自分の夢のため、カルトはかつての母の様に真っ直ぐに混沌に突き進んでいく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-08 00:55:03
85473文字
会話率:40%
美しい石造りの街ベニーナに、うり二つの双子の少女が訪れた。
彼女たちの仕事は殺し。その手に全く似合うことのない絆という名の銃を握り、驚異的な運動能力を武器に殺戮を行っていた。
常に一心同体。二人は強い絆に結ばれ生きてきたのだが、ある日一人で
帰ってきた少女はうつろながらに言った。
もう一人が死んだと。
架空の美しい街を舞台に、双子の少女達とその周りの人々による、命と罪の物語。
※この物語は、私が20代前半のころ大会投稿用に書いた処女作を、その1年ほどあと同人即売会用として修正したものです(おそらく2009年頃)。
その後、数年間PCの中に眠っていた作品ですが、最近妙に懐かしくなり、このたび、このサイトにて投稿させていただきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-30 01:35:12
92670文字
会話率:28%