高校2年生と1年生の姉妹、姫野咲空と姫野美緒の相貌や雰囲気は姉妹とは思えない程にかけ離れている。
その原因は姉の咲空の顔にある大きな火傷の痕と、それを隠すために垂らした長い前髪。そして、咲空が常に表情なく重い空気を纏っていることであろう。
妹の美緒は白百合のように美しい少女であるのに……。
咲空の顔の火傷は美緒の“半身”たる神族、神狐族の朋夜が付けたものである。
咲空が持つ、祖母からもらったというエメラルドのネックレスを朋夜とのデートで着けたいと思ったのに、咲空が否定の色を見せたために苛立った美緒が、朋夜に『咲空に意地悪をされた』と訴えたのだ。
神族は“半身”を傷付けるものに容赦をすることがない。
神狐族は火を操ることにおいては神族で最も優れている。その出来事の最後、何が起こったのかは想像に難くない。
何故そんなことが許されるのか、それは朋夜が神族で、美緒がその半身だから。
神族──それは、伊邪那岐命と伊邪那美命が日本列島を去る際に、島々の守護を任された一族で神術という不思議な術を有する。
咲空はその炎に焼かれたのだ。
それでも、美緒や朋夜を責める者はいない。咲空の両親でさえ、ネックレスを貸さなかった咲空を責めるのだ。
……美緒が神族の“半身”だから。
神族にとって“半身”は何者にも変えがたい大切な存在である。大きな力を持つ神族が宝物のように大切にする存在、、“半身”である人間は神族だけでなく、人間にとっても特別な存在なのだ。
常に妹を優先しなければならない生活、、そんな生活に疲れきり、唯一の宝物を壊されたことで希望を失い、すべてを捨てようとした咲空を救ったのは───?
アルファポリス様でも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-15 19:40:00
265511文字
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家で出迎える宇迦の声に安心した真人は玄関に入った途端に全身から力が抜けてしまいその場に倒れると真人の身体から穢れが発生し真人の身体を黒く侵食して
いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-09 10:04:18
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《「筐の鳥」第二シリーズ》
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黄泉の国に堕ち、囚われているという雅を助けるため、島崎 加代子は根の堅洲国へと向かう。
しかし、伊邪那岐命と伊邪那美命の元・夫婦の喧嘩と、天照大御神、月読命、素
戔嗚尊と三貴神の兄姉弟喧嘩に伴う勢力争いになってきて・・・・・・。
加代子の「魂」を巡るサスペンス?×古典ロマンな作品、第二弾です。
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前作「筐の鳥」の続編です。
https://ncode.syosetu.com/n3914bd/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-17 00:46:00
143690文字
会話率:50%