王国歴1832年、6月。
国王即位三十周年記念の夜会で、類稀なる歌の才能を秘めた王立楽団の歌姫カナリアは、暴漢に襲われてしまう。
相手はこの国の第二王子にして、楽団の指揮者、レットー殿下だった。
婚約者のオリバーは第二王子の側近。
彼の将来を想い、カナリアは世を捨て、女神神殿へと助けを求める。
一般社会にいられなくなった人々を受け入れる神殿に入ったとき、女神の奇跡は起こった。
カナリアはその歌の才を認められ、聖女の一人として歌声で人々を救うことを、女神に命じられたのだ。
そして明らかになる第二王子の犯行の数々。
聖女は自分以外にも被害に遭った人々のため、王国を相手に神殿の協力を得て立ち向かうことを決意する。
他の投稿サイトにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-19 14:27:33
9442文字
会話率:21%
シュヴァルト伯第二令嬢アイネは、婚約者であるオルビエート殿下から間接的に婚約破棄宣告を受ける。
彼の視線は自分ではなく、美しい美貌と才能溢れる義理の妹へと向いていた。
殿下の想いが二度と自分に向くことはない。
それに気づいたアイネ
は、彼に持っていた愛情がだんだんと彩りを失っていくことに気づいてしまう――。
透明になった私の心に、彼はもう必要ない。
アイネの心は生きる気力に乏しくなっていく。
そんなアイネにあてがわれたのは、ヤクザ大公と悪名高い大公ブラック。
十六歳のアイネは五十歳の大公の新妻となる。
粗暴に見えるが、実は人情味に厚く愛情表現が多彩な彼は、ゆっくりとアイネの心を癒していく。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-30 09:00:00
96002文字
会話率:40%
戦女神を信奉する西の大陸の信仰の中心地、海洋国家パルシェスト。
その王都には、女神を奉る神殿があり、そこには四世紀ぶりに聖人に選ばれた聖女が誕生していた。
王族と神殿には深いつながりがあり、聖女に選ばれたマルゴットは、王国の第一王子の
婚約者でもある。
ある日、マルゴットは第一王子ラスティオルから、冤罪をなすりつけられて婚約破棄を申し付けられる。
この暴挙に対し、マルゴットは神殿と王族との絶縁を宣言。
彼女の意向を受け、神殿を統べる大神官と、王国最大の勢力である辺境伯が暗躍を始める。
グレイスター辺境伯アレクセイは、代々の当主に与えられるとある「呪い」から一族を解放したいと望んでいた。
また彼はマルゴットに密やかな思いを馳せる男性でもあった。
自領に聖女と神殿の機能全てを受け入れ、聖教国を立ち上げたアレクセイとマルゴット。
アレクセイは募る想いを彼女に告げるものの、その願いが叶うまで半年を必要とした。
そして、アレクセイは聖人を支える杖、聖杖の称号を賜ることになる――。
過去に掲載した作品の、連作短編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-29 15:37:24
82462文字
会話率:34%