荒事においては世界でも屈指の力を誇るニケー王国に生まれたデモン・イーブルは“掃除人”だ。ランクは「超級」。ずば抜けた能力を有するがゆえの肩書である。では、その仕事はというと、それはヒトに仇をなす“ダスト”と呼ばれる存在を駆除することだ。
長らく王国暮らしを続けていたデモンは、ある日、旅に出た。能動的な“掃除”はどこでも歓迎されている。だが、なにも社会的に必要な活動だからという理由で世界を巡ろうと考えたわけではない。
己の根っこに常にある、黒々とした邪心の種火。
そこに焼べるは善悪問わずの刺激という名の薪。
小さかった炎はやがて燃え盛り、業火が生み出すのは無限の快楽だ。
甘美でしかないその瞬間を味わいたいがために、デモンはあらゆる“ダスト”を冥府のゴミ箱へと送呈する――。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 02:05:40
470808文字
会話率:63%
冷たい洞窟に住む氷ノ王子は寂しがりだ。ずっと寂しいのは嫌なものだから、ニンゲンに言って女を寄越してもらう。幸いなことに彼は近所の村里の人々から神と崇められており、だから供物として女をもらい受けることは簡単だ。此度も死に別れたので、また女を都
合してもらう。新しい妻を、また迎える。その名はルペ――。
※「黒き邪心に薪を焼べろ」(https://ncode.syosetu.com/n9626ip/)と同じ世界の物語です。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-05 12:26:52
4011文字
会話率:19%
かつて騎士団のリーダーを務め、その圧倒的な戦闘力から「剣鬼」と呼ばれたセイレン・リーオーは御年六十二歳。前線からはすっかり退いて、今は首都で兵の育成にあたっている。ある日のこと、北方の国境沿い――ファスト州の長官に、新しい辺境伯が着任するこ
とが決まり、それに伴い、「騎士選考会」が執り行われることとなった。「騎士選考会」――辺境伯専属の騎士を選ぼうというのである。それに際し、セイレンは案内役を仰せつかったのだが――。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-28 18:34:25
6770文字
会話率:42%