簡単な潜入捜査の筈だった。
都市警察特殊犯罪捜査課、通称「怪異班」所属の遠鳴尚登は、絶体絶命のピンチに立たされていた。
——汝、我と契約せよ。さすれば助けよう
どこの何ともわからぬその声に、戸惑うも、迷っている暇などなかった。
「契
約するから助けろ!!」
それが始まりの合図。
尚登が命を託した相手は、かつて魔王と呼ばれていた異世界の放浪者の右腕だったのだ――。
(以下、ネタばれあり)
魔王ヴァルガ(の右腕)と契約を交わした尚登は、魔素の代わりとなる「負のオーラ」を集める手助けをしながら、ヴァルガ(普段は腕輪に擬態)と行動を共にする。
ヴァルガを追って異世界から来た勇者リディはヴァルガへの片思いを爆発させ尚登(ヴァルガ)にまとわりつく。
ペアを組んでいる、上司、安城ミサトにヴァルガのことがバレないよう注意を払いながら、尚登は未解決事件に挑む。
豪邸の庭に咲く花の下から出てきた複数の死体、雑居ビルの地下駐車場に置かれた首なし死体の謎、リディ誘拐事件、とある村での神隠し、など、ヴァルガの未知なる力を借りながら事件解決に奮闘する尚登は、一緒に過ごすうちヴァルガに心を開いていく。
そんな中、輪廻病棟の幽霊事件でヴァルガはかつての恋人の魂を持つ人間を見つける。死を迎えるその魂を救うことが出来ず、ヴァルガは姿を消した。
要人の娘キャロルを護衛する任務のため、安城ミサトと夫婦を装うことになった尚登。ヒーローショーの途中で、キャロルが裏組織の人間に誘拐されそうになる。安城と二人、駐車場に駆け付けると、キャロルは「ヒーローが助けてくれた」と二人に説明。彼女を助けたのは、人の姿になったヴァルガだった。
尚登の元に戻ったヴァルガは、完全体になったことを告げる。
人と深い繫がりを持たずに生きようとしていた尚登は、ヴァルガへの執着に悩むが、ヴァルガは優しく「誰かと共に生きればいい」と諭す。
今も尚登の部屋には、魔王の右腕が鎮座しているのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-06 19:20:00
136551文字
会話率:52%
西暦25XX年
地球では、突如、悪獣と呼ばれる異形の怪物が次々に出現し、各地を破壊していった。
悪獣に、銃やミサイル等の近代兵器は効果が薄く、一部の国では核兵器を使用したが、悪獣を一掃する事はできなかった。
そんな緊急事態の中、国際連
合に「デーモンスレイヤー、通称DS」という名称の対悪獣組織が作られ、悪獣に有効な武器の開発に乗り出した。
DSでは、討伐した悪獣の素材から、対悪獣用武器の開発に成功し、それによって、世界を脅かしていた悪獣を討伐できるようになり、平和な日常を取り戻していった。
それに伴い、各国にDSの支部ができ、各国の軍に悪獣討伐の部署ができていった。
そのため、対悪獣武器の性能が各国の軍事力に影響を与え、国防の観点からも各国では悪獣武器の開発に力を注ぎ、また、その悪獣武器を使う軍人育成にも力を注いだ。
悪獣の素材は武器だけではなく、日用品にも使われ、日常生活には欠かせない物になっており、各国は悪獣の素材を取り合い、国際紛争になるところもあった。
この頃、日本では、悪獣対策部隊に配属するための士官学校を各都道府県に1つずつ置き、悪獣対策に力をいれていた。
悪獣対策部隊長野学校に入学した
真田 肇(さなだ はじめ) 15歳
は、平均的な成績で、とりあえず公務員ならいいやと受験したら受かってしまった今時の男だった。
肇は、入ったならやる事はやると決め、生活を送っていく。
これから、肇はどんな人間達と出会って、どのように成長していくのか。
まだ、誰にも分からない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-06 14:34:41
12156文字
会話率:28%
比丘たちよ、世の中には二つの極端がある。出家者はそれに近づいてはならない。何が二つの極端なのか。
一つめは、欲と愛欲や貪欲をよしとすることで、これらは下劣かつ卑賤、つまらぬ人間のやることで、無意味で無益である。
二つめは、自分に苦難を味わ
わせることは、苦痛であり、無意味で無益である。
比丘たちよ、如来はこの二つの極端を捨て、中道を認知したのである。
それこそが、観る眼を生じ、英知を得、證智をもち、定(サマーディ)、涅槃に至る道である。
比丘たちよ、苦(ドゥッカ)の真理(サッチャ)とは以下である。
すなわち、出生は苦である、老は苦である、病は苦である、死は苦である、
怨憎するものに会うことは苦である、愛するものと別居するのは苦である、求めて得られないのは苦である。
要するに一切は苦である。
比丘たちよ、苦の集起についての真理とは以下である。
繰り返す再生をもたらし、喜び(ナンディ)と貪(ラーガ)を伴って随所に歓喜する渇愛(タンハー)である。
つまりは、欲愛(カーマタンハー、感官によって得られる刺激・快楽への渇愛)、有愛(バヴァタンハー, 存在への渇愛)、無有愛(ヴィバヴァタンハー, 存在しないことへの渇愛)。
比丘たちよ、苦を滅する真理とは以下である。
渇愛から限りなく離れ、滅し、捨て去り、放棄し、執着しないことである。
苦諦(くたい) - 迷いのこの世は一切が苦(ドゥッカ)である真実。
集諦(じったい) - 苦の原因は煩悩・妄執、求めて飽かない愛執であるという真実。
滅諦(めったい) - 苦の原因の滅という真実。無常の世を超え、執着を断つことが、苦しみを滅した悟りの境地であるということ。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-09-05 20:46:22
1626文字
会話率:0%
もうすぐ50になるミサト、40代半ばで離婚してから、マッチングアプリにはまり、自称童貞キラーをうたっていたが…
最終更新:2024-09-04 17:32:08
1883文字
会話率:0%
ホント、かわかっこよかった(可愛くてカッコ良いこもね)なぁ、最初の頃のミサトさん。
あ、エヴァ、の、ね。
キーワード:
最終更新:2024-08-31 08:06:22
423文字
会話率:0%
小学校の夏休み、少年は祖父母の家のある村へ来ていた
キーワード:
最終更新:2024-08-27 02:50:01
10394文字
会話率:41%
眠れない夜に思いつくような、妄想ネタ
最終更新:2024-08-26 09:43:44
565文字
会話率:0%
対人嫌いを拗らせた無類の服好き男、嶋村装一。その愛が強過ぎるあまり、服を血で汚すくらいなら殺し屋にだって勝ってしまうほどのタフガイだった。
そんな彼の家に、念願のオーダーメイド品が届く。<世界一注文できない仕立屋プールポワン>製
作のトレンチコート。このスペシャルな上着はなんと意思を宿しており、喋ることもできる超機能性素材外套<SFMC>だったのだ。トレンチと名づけた彼女(衣服)との出会いを境に、装一は<SFMC>着用者同士の戦いに巻き込まれる。
服愛が織り成す、スタイリッシュ・バカ・アクション。俺の恋人は、核ミサイルにも耐える――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-23 21:47:40
8385文字
会話率:46%
ユウはCL1014のガンナー。戦術支援AIのアイや、同僚のガンナーともに貴族の戦闘機、ドミニオンに挑む。帝国の貴族たちに復讐心を持つユウはドミニオンに勝てるのか!
バンダナコミック応募作品。
少し不完全燃焼燃焼。多分一般向けではないです
。
この作品の無断転載を禁じます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 10:00:00
10390文字
会話率:56%
犬が大好きなのに犬からは全然好かれないミサ。
そんなミサはある日子犬を拾う。
その子犬はとんでもなく頼もしくてミサを溺愛するスーパーワンコだった!
ミサの愛されすぎる生活が始まった。
最終更新:2024-08-10 19:20:00
10237文字
会話率:26%
ひさびさの休日を得ることができた主人公、山咲心太(やまさく しんた)。だが、これといったことが思いつかず、惰眠を貪ることに。そんな彼が目覚めると、なんと彼は人型の兵器として、異世界に転生していた。
転生先の街で、たくさんの人に見守られる中で
信達は体内に埋め込まれていた録音テープから、自分は魔王軍の科学者によって作られ、そして試作品だからと捨てるように命令されていたことが判明。自分の不遇さに絶望する信達を、街の人々はどうするものかと議論する。そんな時、魔王軍の襲撃を告げるアラームが町中に鳴り響く。慌てふためく市民とは違い、街の娘であり剣士であるミサは信達に協力を要請する。しかし、自暴自棄となり、魔王軍に対する恐怖は自分も同じだとそれを拒否。やむを得ずミサや他の戦闘員はそんな彼を置いていくことに。そうして信達はどこにいくべきかと悩み込むが、そこで突如録音テープが、自分を生み出した科学者の言葉を流し始める。それは、自分を構成する物質、そして、その体内に生みこまれた数々の能力についてであった。その事実のよって奮起した信達は、リサたちが繰り広げる魔王軍との戦闘に乱入する形で参戦する。
理不尽とも言える攻撃性能と、不死ともいえるその能力に魔王軍の一隊は壊滅した。調子よく、そのまま自分を捨てた魔王軍の壊滅を宣言する信達。そんな彼に街の人々は賛同しかねてたが、ミサは彼の性能を見て彼の強さは確かなものであると確信。信達についていくことを伝えると、彼もまた彼女のことを喜んで迎えるのであった。
そうして魔王の城にたどり着いた信達とミサ。そこで待ち受けていた魔王軍の幹部たちをも信達たちは撃破していく。そしてついに、そんな彼らの元に魔王が姿を現す。即座に魔王に対して攻撃を仕掛ける信達。しかし、そんな彼の体は一瞬で破壊されてしまう。『時そのものを操る』能力を持つ魔王は、自己修復を行おうとする信達に対し永遠に、体が崩壊した瞬間を繰り返すように封印し、無力化したのだった。しかし、そこで信達の中に埋め込まれていた最後のプログラミングが覚醒。究極形態となった信達に対して魔王は再び永遠の封印を行おうとするが、『空白を生み出し、塗り替える』能力を得た魔王はそれを無効化。逆に魔王が積み上げてきた時間を空白とし、その力を無力化したとともに、魔王を空白の封印の内に閉じ込めるのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-10 11:14:46
3676文字
会話率:63%
── 私はこの仲間とこの斧で、世界をギラギコバッタンしてやるんだ! ──
来栖見アリナはあるとき、アーリナ・クルーセルとして異世界へ転生を果たした。
フィットリア領を治めるクルーセル家。
前世でも、孤独に奮闘していたアーリナだったが、転
生した先でも家族から虐げられた。
その理由は、アーリナに魔力がなかったこと。
この世界で生き抜くには魔力が必要だ。
そして、人から愛されるためにも──。
アーリナは一度も両親に褒めてもらうこともなかった。そのうえ、妹のリアナが生まれてからは更に拍車がかかった。
氷属性という極めて珍しい属性魔力を宿した妹は、食事にしたって朝から贅沢三昧、勿論、スイーツ付きだ。
一方、アーリナはといえば、一口で食べれそうな小魚に味のないスープだけ……デザートなんて野草だ。
それでも、元気に10歳を迎えることが出来たのは、隣にいる使用人のミサラのお陰だ。
ミサラが屋敷に来てからは、家族には内緒で、別に食事を用意してくれるようになった。
食生活も大きく改善したし、彼女の手料理は最高だ。
もう、いつまでも家畜扱いしてくる家族にはうんざり……。
アーリナは決意した。
この家族から領地を奪い、皆で笑って暮らせる場所を作ると。
アーリナには力があった。
魔力はないが、一振りの光輝く斧の力が。
『生まれ変わったら、世界をギラギコバッタンしてやるんだ!』
前世の記憶を辿れば、いつもそう思っていた。
必要なのは仲間と信頼! アーリナはこの世界で人生逆転を目指して、密かに作戦を開始した。
***
・当作品はカクヨムでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-07 23:00:00
118250文字
会話率:30%
ある日、オール・ビルド・オンラインと言う途轍もない自由度を誇るVAMMOが発売された、このゲームはモンスターから色々な物がドロップする、装備やスキル、変なアイテムまで様々だ。
全てのプレイヤーに〔何でも合成〕と言うスキルが貰へ、合成出来る
物はその名の通りアイテムや装備はもちろんの事スキルまでもが素材として使える程の圧倒的な自由度を誇る。
そんなゲームを心待ちにしていた少年、前川慎二は親友の門崎太一と一緒に発想力を武器にしてこの世界を遊び尽くす物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-04 10:25:41
21454文字
会話率:58%
死後の世界には、レーテーと呼ばれる川がある。
忘却の女神の名を冠するその川を渡ると、すべての記憶をなくしてしまうらしい。
川を渡ること、そして、記憶をなくすこと。
天秤にかけなくともどちらを選ぶかは明白だろう。
たとえ向こう岸に、
自分の求めているものがあったとしても。
たとえそれが、渡らなければ二度と手に入らないものだとしても_________
日本から異世界転生した勇者ミサキは、魔王を倒して世界を救ったものの、魔王と相打ちになり失意の中死んでしまう。
だが、彼はまた別の世界の女神に拾われ、魔王やその配下達を打ち倒し世界を救った、記憶を代償に強力な力を得る神話再臨『イミテーション・ゴッズ』を頼りに、女神の世界を救ってほしいと頼まれる。
すでに日本にいた頃の記憶を失っていた彼は迷うが、世界を救った暁には願いを何でも一つだけかなえてくれることを条件に、世界を救うことを決意した。
そして再び異世界召喚されたミサキだったが、目の前に現れた少女、メアリーの罠により体が入れ替わってしまい______
こうしてその世界の根底を揺るがす大事件に巻き込まれてしまうのだった。
死後の世界に、レーテーと呼ばれる川がある。
忘却の女神の名を冠するその川を渡ると、すべての記憶をなくしてしまうらしい。
川を渡ること、そして、記憶をなくすこと。
天秤にかけなくともどちらを選ぶかは明白だろう。
だが、向こう岸に自分の求めているものがあったらどうだろう。
たとえばそれが、渡らなければ二度と手に入らないものだったとしたら。
だからこそ、俺は再びこの川を進んでいく決意をした。
それを手に入れるために、記憶を失う覚悟をした。
だが、その覚悟は、一種の諦めのようなものではないだろうか。
この選択をしたのは、俺がすでに腰まで川に浸かっていることに。
後ろを振り返っても、もうすでに戻れる岸がないことに。
後戻りができないと気づいてしまったからかもしれない。
これは、記憶も体も、すべてを失った彼が、すべてを手に入れる物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 22:00:00
109044文字
会話率:42%
「『悲劇の勇者』ミサキ、もう一度世界を救ってみる気はないかい?」
「もう一度、ねぇ.........」
異世界転生をしたミサキは、勇者としての使命を果たし魔王を倒すも、神との約束を守れず死んでしまう。
「もし私の世界を救ってくれるの
なら_________」
そのことに後悔の念を抱いていたミサキは、魂をこれまた違う世界の神に拾われ、転生することとなる。
「何でも願いを一つ、叶えてあげるよ?」
「俺が叶えたい願いもお見通しって訳か......」
これは、二度の人生を途中退場し、三度目の人生を歩むこととなったミサキが、ハッピーエンドを目指す物語である。
「あ、ちなみに転生じゃなくて転移だから。
というか、そのナレーションは何だ?
まさか、私が心を読めるってことを忘れたわけじゃないだろうね?」
「............すまん、ふざけてた。」
しかし、『悲劇の勇者』の称号を持つ彼が順調に事を進められるわけがなく.........。
「いや、だからふざけるのも大概に.........」
「いや、今のは俺じゃないぞ?」
「え?じゃあ今のは.........?」
これから、ミサキの歩んでいく人生にどんな困難が待ち受けているのか。
それは、作者ですら予想できないものとなるのであった......!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-15 18:06:45
41164文字
会話率:21%
夜中の高速道路をバイクで走っていた小合克己は前を走る車からミサイルを撃たれた
「殺す気か!」
{狙って撃って来とるさかいそうなんちゃう?}
航行コンピューターとして生まれ変わった彼はAIと漫才しつつ宇宙を駆ける
最終更新:2024-07-28 00:00:00
624743文字
会話率:62%
「いや、普通に有名探索者なんかより米軍の戦車や戦闘機の方がつえぇだろ」
by海原ナギ、16歳男子高校生。
十数年前に見つかり今や当たり前の存在となったダンジョン。
数多の英雄と呼ばれる探索者が生まれる、まさに「ダンジョンの世紀」たる現代。
そんな中で逆張りし続ける高2病を患う海原ナギ。
―じゃあ、証明してみる?現代兵器になって―
「は?」
謎の存在より、茶髪碧眼の美少女になりユニークスキル「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」を与えられる。
「…いや、なんで女になるんだよ(困惑)」
現代兵器系TS美少女「ナギ」によるダンジョン攻略が…今始まる!!!…のか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-21 21:07:24
46355文字
会話率:50%
危機一髪だった! という人の話を聞くのが好きだ。
愛していると言ってもいい。
もともとスリリングな体験談とかエッセイとか、そういう眉唾もののテレビ番組や特集雑誌を見るのが趣味だった。むしろそこから本が好きになった。気付けば、この世の中
のヒヤリハット事案を探すのが僕の生きがいになっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-20 19:43:57
4369文字
会話率:32%
あらすじ
わたしはメリ あなたはエルマートのエルくん
あなたの家族 珠恵さんとミサトさんとリキヤくん
十三年と数か月前 十六歳のわたしの身に起こったこと
そしていま 四十歳のあなたの身に起こること
この作品はカクヨムで公開中
の『端切れドールのメリ~いちばん大事なこと~』に加筆して改題したものです
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 19:23:24
17487文字
会話率:19%
『SYTVをご覧の皆さま! 私は今、ヘリコプターにて茨城県上空に来ております! この映像が視聴者様に届いておりますでしょうか!? ご覧下さい! 海が、海が何者かによって二つに割られています! これはまるで、あの有名なモーゼの十戒のようにも見
えます! 割れた海が高波となって……津波です! 自然災害ではない、故意に起こされた津波が町を襲っています! 逃げて! 早く逃げて下さい!』
その日、お茶の間のテレビは、緊急速報一色に染まった。
スマートフォンから鳴り響く地震速報、更には防災放送、サイレン。
予兆は無かった、誰もが悠久に続く安寧を享受できると思っていた。
『街が、信じられない、海が大地を飲み込んでいきます! 速報? この映像よりも凄い速報なんてある訳ないじゃない! え? 日本だけじゃない? 世界中に現れたの? あの化け物が!? ちょっと待って、これって人類滅亡しちゃうんじゃないの!? あ、自衛隊、自衛隊の戦闘機が巨大な化け物へと向かっています! 彼等は世界の希望、守るべきものの為に戦う力が、自衛の力が今まさに発揮されようとしています!』
古くは恐竜の時代から行われてきた、文明のやり直し。
それは、地上にはびこる瘡蓋のような痕跡すら残しはしない。
『なんで……なんでよ、何も効かないじゃない。……なに? アメリカが核を発射した? アメリカだけじゃない、ロシア、中国、パリ、世界中で!? そんなの、地球がもたないんじゃないの!? ……でも、もしそれであの化け物が倒せるのならば、殺せるのならば、私たちも、助かるのかなぁ……どうしよう、どうしてこんな事になったのよ』
地球が壊れるとされる核ミサイルであったが、それは正しい表現ではない。
地球の表面に生きる人類が滅亡するミサイル、それが正しい表現だ。
すべての核ミサイルを集めた所で、恐竜を絶滅したチクシュルーブ流星には遠く及ばない。
地球とは、何者よりも生命に溢れた星なのだから。
『お母さん……』
そして、人類は絶滅した。
たった一つの希望だけを残して。
「リリィ、起きて下さい」
全てを諦めた人類が選択したもの。
それは今を生きる人間ではなく、後世へと人類を残す選択だった。
「活動再開の時です、リリィ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-17 18:10:00
77396文字
会話率:48%
ある日、「タキガミサマノオワスクニ」と呼ばれる地に落ちた拓真と久也。水道も電気もない生活、閉塞的な運命。青年たちは失った人生と折り合いをつけられるのか――これはきっと、そんな彼らの地に足のついたファンタジー。
*割とハードモードな転移も
のです。残酷描写が基本的に容赦なしなので苦手な方はご注意。
【タイトルから誤解されそうなので明記しますが、この物語には和風のワの字もありません。キーワード参照。
尚、この物語は完全にフィクションであり、実在する或いは歴史上の人物・団体・信仰・場所とは一切関係がありません】
*エブリスタ、カクヨムにも同タイトル同名義で投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-16 11:30:52
203935文字
会話率:40%