秋の気も息を潜めた曇天の下。その日は手指さえ霜が付くのではないかと思えるほど、酷く冷え込む一日だった。既に放課後を迎えた高校の校舎からは、生徒がさざ波のように校門の外へと流れ出ていく。堅苦しい勉学の時間からようやっと解放され、がやがやと賑わ
っていた一年A組の教室からも、徐々に歓談する生徒達が散開していく。
「……」
ごうんごうんと静かに唸る暖房機のみが存在を主張する教室の中。螢ほたるは席に腰を下ろしたまま、窓ガラスに額を寄せて外の様子を見下ろしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-22 16:00:00
13951文字
会話率:57%
あの冬、出会った出来事を自分は一生忘れないと思う。頬を撫でる風の冷たさも、波のように迫る雪の音も、一瞬で飲み込まれた闇の明るさも。
あの声も。
超短編で、すぐに読めると思います。ふわっとした感じです。よければどうぞ。
最終更新:2023-12-31 17:48:34
950文字
会話率:44%
『シン=ヒノ、君は……どのクラスでどんな役割を与えられても役不足だ』
帽子がそう告げた瞬間、嘲笑が波のように広がっていき、中心にいた少年シンは何事かを呟くが笑い声にかき消され生徒たちには届かない。
「ははは! やはり下級貴族がこの魔法学
校に入ろうなんて無謀なんだよ!」
「だっさーい! どのクラスにも入れないなんて」
シンが被っていたぎゅっと帽子を握りしめると、帽子が苦しそうに皺を寄せ、呻く。
その帽子は、大魔法使いが作った〈生きた魔法道具〉の1つ。
被った者の才能を見極め、相応しい教育を与えてくれるクラスを教えてくれる。
魔法の帽子に役不足と告げられた少年のおはなし。
※この作品はなろうラジオ大賞参加の超短編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 12:38:18
998文字
会話率:59%
「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
推しの色をまとって、ライブへ行く。
ライブのペンライトって波のようであり、星のようで綺麗ですよね。
最終更新:2023-12-07 22:52:20
227文字
会話率:0%
私は文章を読むのが好きです。
しかし色々な本を手にとるわけではなく、気に入った本を何度も何度も何度も…。
しつこく読んでは本の世界にどっぷりハマり、あれやこれやを妄想する。
そんな子供時代を経て大人になり、運よく本に囲まれた環境で一時期働く
ことができました。
そこで出会った本、思い出した本、大人になってから良さに気づいた本。
それらを私見を絡め、つたないながら紹介したいと思います。
大人になってからの視線で読み直す、こどもの本。
昔と違った景色が見えるかもしれません。
あなたも手に取ってみませんか。
※ブログ『太陽の東、それから月の西』の過去記事をエッセイ用に修正してお届けします。
カクヨムをはじめ、他サイトにも掲載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-02 18:42:09
26212文字
会話率:7%
彼女は男だった。
僕はそれを知らなかったが。
最初にあった彼女は、僕をスタンガンで動けなくさせた。
そしてアディオス、とばかりに部屋を飛び出し海岸線の国道の向こうへと消えた。
彼女は違う仕事もしているようだった。
二度目に彼女に会ったと
き、彼女はまた別の仕事をしていた。
しかし僕が彼女とやることは変わらない。
今度はスタンガンを回避した。
そして彼女に十分な誠意と愛情を示した。
彼女が逃げてしまう前に。
彼女は精神が不安定である。
泣き崩れ、走って逃げた。
しかしその後、その日の彼女の書き込みに、
『〇〇さん(僕の名前)、お水入れときますね』
と書かれているのを見つけた。
それをみて懐かしくなり、また数カ月後、彼女を指名した。
私は上空を飛行していたが、彼女をみつけた。
彼女は工事現場で働いていた。
土木作業の途中、といったところだった。
そこに降り立ち挨拶をする。
明るく返してくれた。
本当に多種多様な仕事してるんだね。
私は彼女が俄然好きになった。
夢というのは波のように何度も繰り返し同じようなことが起こる。
それはデジャブのようなもの。
そのデジャブに気付ける者は、夢を文字通り二周目として体験できるのだ。
しかしすべてのシーンが同じわけではない。
まったく違う場面が入り込む。
そして夢の展開はあらぬ方向へと進む。
彼女は五人の背の高い外国人を相手にしていたようだった。
そして彼女が男であるが故に差別され、チップをまともにもらえなかった。
その場に居合わせた私はその五人と犬が3匹の巨悪集団に正義を要求した。
しぶしぶといった感じで彼らは彼女に対価を支払った。
その場に犬がいたのは犬を害獣として認識している私の特質のせいであろう。
私の足の爪が巨大な鳥のように変身し、彼女を捕らえた。
彼女はカピバラのような生物に変身し、そこで泣き崩れていた。
その小屋で泣き崩れていたのは彼女だけではなかった。
彼女と近い形質を持つ者が1人、寝台の上で嗚咽していたからだ。
「こんなことならこうしてここに引きこもっていればよかった。彼もこうしていればよかったのよ。顔が不細工なんだから」
と彼女は彼を巻き込んで反省した。
私は彼女を慰めたかったのだが、それは一週目の世界だった。
彼女とうまく行ったさっきまでの世界とは違い、なぜかここには五人の外
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-07-29 14:10:36
1154文字
会話率:4%
2000年、世界では不況と不穏が波のように打ち付けている。だが日本に住む大河はいつも通りの日常を送っていた。するとあら不思議、いきなり何もかもがひっくり返る事が起こった。
最終更新:2023-03-28 16:00:44
19964文字
会話率:61%
▷▷▷ひだまりのねこ様主催の企画、『つれないメイド企画』に参加させていただきました。
イルムトゥラウト王国の王太子は、これまでの学園生活で男爵令嬢と不貞を働いてきたことが明らかとなった。
真実の愛だと弁明する王太子だったが、そのお相手で
あるはずの男爵令嬢は、王太子の側近を含めた五名の有能な若者たちとも愛を誓い合っていたことが判明する。
力の均衡を崩さないために必要な契約だったのだが、有力貴族家を中心に婚約破棄が津波のように広がっていった。事の重大さに国が動く事態となり……。
一方、実に平和な領地暮らしを満喫していた王弟ビェルート大公の三男アシェルは、王都の騒動など知らぬまま今日も新しく雇われたメイドに困惑していた。
王都に居を構える父から派遣されてきたセレニアは、メイドならば極めているべき基本さえ出来ないという。言葉のキャッチボールさえ怪しい彼女の淹れてくれた渋いお茶を飲みながら、それでも平和だったはずのアシェルの日常に終わりを告げる封書が届けられーーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-01 19:00:00
19734文字
会話率:47%
奇妙な夢から覚めた俺の目の前に姿を現したのは、ドラゴンになってしまった同級生であった。突然、優しくなる幼馴染の女子、夢泥棒という通り魔、夢を研究する甲田ドリームセンター、高校生を虜にする謎の料理ルーメソ、どこか奇妙な日常たちが、眠気まなこ
の俺に津波のように押し寄せる。天変地異の如く変化してしまった日常に触れる中で、俺はこの世界の真実を知る。
毎週土曜日、午後1時更新折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-01 13:00:00
98761文字
会話率:50%
愛情の限界って、あるんだろうか?
キーワード:
最終更新:2022-05-25 23:12:38
372文字
会話率:0%
陳腐だけど、怒涛の荒波のように押し寄せる感情。
キーワード:
最終更新:2021-03-23 02:15:17
305文字
会話率:0%
美幸には『声』が聞こえる。
だがそれは、当たり前の中では有り得ない、見えざるモノが生み出していた。
耳を疑いたくなるような、不可解な音。けれどもそれは、確かに誰かの『声』だった。
突如として、日常を壊された美幸。出来ることはただ、
消えない恐怖と共に漂うだけ。
そんな彼女に手を差し伸べてくれた、とある人の家。
そこで過ごした時の流れは、遥か遠い記憶の名残りと彼女を、幾度となく引き合わせた。
ゆるやかに、寄せては返す……波のように。
これは、ある一年間の情景に寄り添った、美幸の中の淡い追憶。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-30 00:00:00
101323文字
会話率:17%
天下統一の勢いをもって大陸に勢力を広げようとする瑞穂国の真道将軍は、東の超大国の内乱に介入するべく遠征軍を東の大陸に派遣したが、勇戦虚しく総退却となってしまう。その退却の際に殿(しんがり)を努めることになったのは、身分も石高も低い地侍の三男
坊に過ぎない黒江成光。体良く置き捨てにされたはずの黒江成光だったが、諦めず仲間の力を借り、奇策を用いて敵の大軍を撃破することに成功、その武名を大陸中に轟かせる。成光の功名がさざ波のように東大陸に、西大陸に、そして瑞穂国に影響を及ぼし始めた時、歴史が動き始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-22 23:26:24
121467文字
会話率:35%
ある少年の遠い記憶の中に眠っていた中日ドラゴンズの本拠地であったナゴヤ球場での出来事。それが時を経て、中年になって再び胸に津波のように押し寄せる物語。
最終更新:2022-01-16 10:11:15
4257文字
会話率:35%
突如として地球から放出された光の柱。
その光はそれぞれが違う色を放ち地球全体を波のように覆っていく。
幻想的でありながらも非現実的な出来事に人々はただその光景を眺めていた・・・
以降『始まりの日』と呼ばれるその日に世界は精霊の存在を初めて
観測した。
特別な精霊術『虚空』を扱う霊示が、精霊社会の裏の真実を知る物語・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-29 20:21:25
1886文字
会話率:15%
「海に向かって」
――この言葉の続きは、この旅の終わりに待っている。
高校3年生の夏、澤島昇は、中学の同級生4人と、自転車で海に向かう旅を計画する。しかし、そこにはなぜかもう一人、犬猿の仲で幼馴染の芹沢桜の姿があった。
思いがけない参加者
に、動揺を隠せない昇と、この旅に一つの決意を抱いてきた桜。旅の中で、さざ波のように変化していく2人の関係だったが、その波は次第に周りも巻き込んでいく・・・
多くの少年,少女たちが思い描いた夏の想い出を、自転車と共に駆け抜けていく。
海×自転車×夏の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-10 07:00:00
277002文字
会話率:35%
宗教的なド短編です。
最終更新:2020-06-17 22:25:27
1324文字
会話率:7%
まるで波のようだ。上がったり下がったり、この関係性は実に忙しない。
最終更新:2020-06-03 10:21:58
399文字
会話率:0%
初夏に近づく。草木は大きくなる。緑の勢い、波のように押し寄せる。話がしてみたい。
最終更新:2020-05-08 05:13:01
281文字
会話率:0%
地球にダンジョンが発生して半年後の現代日本、中学一年生の吉水千代(よしみずちよ)は、限界集落の祖父母の墓参りに訪れた時、目の前で突然ダンジョンが発生して為す術もなく飲み込まれてしまう。
深く考えずにダンジョンマスターとなったインドア派でもや
しっ子で頭も悪い女子力ゼロな彼女の存在は、邪神の勢力からシステムの致命的なバグと判断され、世界各国の迷宮から津波のように大量の魔物が送り込まれてしまう。果たしてこの先生き残ることはできるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-23 19:00:00
16213文字
会話率:39%
入学式で式辞を述べた少女に恋をした倉田は彼女の心を射止めんと一念発起する
最終更新:2019-07-24 14:00:00
8573文字
会話率:10%