「愛してるよハギタ」
「私もですわ、ヘドヴァン様……」
なんなの、これは。
それはとある日のこと。目の前で行われてる行為に目を奪われながら、私ことラウザは驚愕していた。
婚約者である第一王子ヘドヴァン様に呼び出されて赴いた王宮。
到着した後、従者によりこの中庭へと通されたのだが、そこで待っていたのは、私の予想の外にある光景だった。
「ヘドヴァン様、私のほうがお姉さまよりずっといいでしょう? 私の方が、貴方のことをもっともっと愛しておりますもの」
「勿論だとも。もう私には、君のことしか考えられない」
私は婚約者を奪われたのだ。それも、血のつながった妹に。
私は妹に裏切られたのだ。長年ともに過ごしてきたはずなのに、婚約者にも裏切られた。
なんでふたりが楽しそうに笑っているのか、全く理解できない。脳が破壊される感覚で、心が壊れそうになる。
「ああああああああああああ!!!!!」
絶叫とともに、私はその場から駆け出したのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-24 06:00:00
10342文字
会話率:42%
「アンネローゼ!私はたった今をもって、君のことを追放する!」
昼下がりの王宮。
その一角にある庭園にて、アマザ王国第一王子、シュヴァイン・ハーネツァー・アマザは、婚約者である侯爵令嬢、アンネローゼ・レスタを指差しながら、そう高々と宣言
していた。
王子の傍らにいるアンネローゼの妹シャロンは、その光景を見てほくそ笑む。
王子もそんなシャロンに笑顔を向け、もう一度高らかに婚約破棄を宣言しようと―「ちょっと待った!」して、止められた。
「誰だ!私達の未来を邪魔する者は!?」
「それは…私だ!」
ガサリと音がし、その場にいた三人はすぐさまそちらに目を向ける。
そこにはひとりの男がいた。
「私は…半年後の私だ!私よ、アンネローゼを追放してはいかん!国が滅ぶぞ!」
「なにィッ!?国が滅ぶだと!?」
コイツはなにを言ってるんだ!困惑するシュヴァインに男は語る。婚約破棄をした先、国が辿る運命を―――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-18 06:00:00
16161文字
会話率:49%
授業中だったけれど、好きな人と目が合い、胸がキュンとなって、わたしは恋愛発電した。
心臓の横に埋め込まれている発電ユニットが回転するヴーンという音を、わたしは骨伝導で聴いた。
この音はわたしが恋をしている証拠。
そう思うだけで、また胸がドキ
ドキして、ヴヴヴヴーンと発電機が激しく震動した。
なんだか恥ずかしくて、顔が熱くなった。
好きな人はもう黒板を見ていて、わたしの方を向いてはいない……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-20 18:00:00
100088文字
会話率:39%
先日、危険を顧みぬ作戦行動についていけれないと相方からバディを外されたジェイク。
特殊部隊あがりの一匹狼を気取って所轄でも馴染もうとしないジェイクに、上層部は千ページからなる契約書を目の前に出してきた。
曰く、ジェイク警部補に相応しいバ
ディを用意した、と。
その者はリサーチ能力に長けていて、実働を担うジェイクをサポートすべく公私にわたってオペレーションするという。ただし、骨伝導タイプのインカムだけで。
「AI? 機械での案内は必要ねぇ」
「いや、音声だけだが人間だ。隠密行動に優れていると数値が示している」
基本的に一人で動きたいジェイクには正直、最適な気はしていた。なにより、本人が遠隔にいるならば目の前に立たれることもない。
「ラジャー、ボス。他に希望者がいないんだろ?」
「ああ、残念なことにね」
なら迷うことはない、と既に相方がサイン済の隣に並べて書く。
「……エレナ? 女か?」
「分子工学の博士号をもっている知的な女性だったよ。写真だけみたがね」
「へぇ」
ドクター・エレナ・クリフトフ。
ドクターで十分だな。
ジェイクは必要最低限の情報だけインプットし、その場を去るのだが。
後にこの契約書を熟読しなかった事を後悔するのである。
本作は秋月忍さま主催
『男女バディ祭』参加作品です。
*無断転載を禁止します。
©️なななん2021折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-25 20:17:12
33228文字
会話率:53%
梅雨のある日、電池を買いにいっただけの家電量販店でたまたま目にしたそれにぼくは目をひかれた。
『世界初! ワイアレスブルートゥース骨伝導イヤフォン』
ワイアレスとブルートゥースで既に意味が被っている色々もりもり欲張りなキャッチコピーに。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-18 12:54:49
3796文字
会話率:13%
この世は選挙権が能力として機能する世界。ゆえに日本では18歳以上にならなければ、ほぼ人権がない状態だった。
だが、そんな世界に待ったをかけた者たちがいる。それはこの世界の本当に本当に致命的なシステムの落とし穴。
これはそんな少年たちが生き抜
く、ラノベみたいな物語である!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-28 01:44:25
8203文字
会話率:51%
異世界へと召喚された坊主は世界を救って欲しいと懇願される。
だが彼は勇者ではなく坊主、戦う事など出来ない。
彼に出来る事はただ1つ。
拳で念撲つ(ねんぶつ)を唱えて改心させる事のみ!
今ここに、肉体言語で語る坊主が魔王を撲つ道(ぶつどう)に
帰依させる旅が始まる!
南無阿弥打撲つ!
※本作はカクヨム、アルファポリスにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-07 07:00:00
16752文字
会話率:30%