紀元前後のヘレニズム世界――
アルサケス朝パルティアと共和制ローマ、二大勢力の緩衝地帯に位置するペルシア系の小国アルドヴィ・スーラーの王子イラージュは、「女神の子」と呼ばれていた。
国内に聖域のある女神アナーヒターの巫女と国王とのあいだ
の聖婚儀礼によって誕生したためである。
第二王子ながら王の後継者と目されていたイラージュは、十八歳の春、女神の託宣を受けた父王に命じられて、王国南部の山岳地帯にすむ《山の民》の野営地を襲撃し、一族を全滅させる。
その帰路、祝宴中のイラージュのもとに、都に残した親衛隊長が早馬で駆けつけてくる。
隊長はイラージュの父王の急死と異母兄の即位を告げた――
*紀元前後のヘレニズム世界をイメージした架空の小王国の物語です。もうかなり昔に書いたものが、部屋の大掃除中にプリントアウト版で出てきたため、一からリライトしてみました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-22 13:48:29
96490文字
会話率:36%
ジェラールは花嫁を探すための旅に出た。父の跡を継ぎ、氏族長になるために。
初めは気乗りがしなかったが、旅先で美しい少女ユラと出会った彼は、一瞬で恋に落ちてしまう。
彼女を盗賊から救ったジェラールは、何とかユラと近づきになろうとする。だが、彼
女は別の男にも思いを寄せられていて……。
恋愛に無頓着だった若者と、誰にも振り向むくことがなかった少女の恋物語。
※『水の供人』の番外編ですが、本作を初めて読む方にも、お読みいただけるように書いております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-25 17:15:24
33872文字
会話率:45%
六歳までの記憶がない、遊牧の美しい少女ノエイルは、旅人の青年から驚くべき事実を告げられる。ノエイルは、砂漠の都市国家で信仰される水の女神の一柱なのだ、と。
自分を守る供人として遣わされた青年に、ノエイルは本当の生まれ故郷目指して旅に出るこ
とを要請される。
全ては、雨が降らなくなった砂漠の国を救うために。姉である水の女神に、ノエイルが助けを求めることができなければ、国は滅ぶ。
青年にほのかな想いを抱き始めたノエイルは、彼のためにも旅立つ決意をする。
襲い来る追っ手。禁じられた女神と人間の恋。
困難に遭いながらも惹かれ合う二人は、旅先で絆を深めながら、水の女神が住まうという湖へと向かう。
※『水の女神と水の供人』から改題しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-06 19:00:00
155743文字
会話率:31%
滅び行く国の皇子と暗殺者の少女の話。殺伐としていて糖度はゼロ。
暴力・流血・戦争・殺人・拷問・疫病・不衛生な描写あり。全三話。
最終更新:2012-06-16 00:00:00
19846文字
会話率:35%