「メリッサ・アルトナー! 貴様が、どぉーーーうしても言うのなら、婚姻契約の継続を認めてやってもいい! どうだ! 嬉しいだろう!」
婚姻契約。
冬の大国では《冬の魔女》の加護が強く、他の季節魔法を使う者は一族の身内でなければならなかった。
それゆえに秋の法国フォールでは《白の結婚》を前提とした三年という期限付きの婚姻契約を提案し、冬の大国はそれに同意した──のだが、メリッサは第一級聖女で有りながらも容姿が凡庸だからと、天使族と人族に二度も契約破棄をされてしまう。
そんな傷ついたメリッサのため《秋の聖女》は、同じ冬の大国であるロッカにメリッサを派遣する。
そこで出会ったのは、愛くるしい垂れた兎耳の聖獣族、王太子ヴォルフだった。年齢を偽って出迎えたが、メリッサを温かく迎えて婚姻契約を結ぶ。
ロッカに派遣されて、すぐに国の危機に気付く。それはかつて自分の故郷を襲った流行病に近い状態だった。
一人で足掻く幼い王子にメリッサは、協力を求め二人で季節豊穣魔法を使い、力を合わせていく。仕事に夢中で休もうとしないヴォルフ様を年下のヴォルフが窘めるなど、少しずつ夫婦らしくお互いを思い合う。
「毛繕いするのも夫婦と家族だけの特権なのだ」
「ふふっ、光栄です。モフモフでヴォルフ様はいつも良い匂いがしますし、温かい。誰かと一緒に寝るってとても心地よくて安心できるって、最近すごく思うのです」
「…………メリッサ、その、私以外に誰と……? き、君が婚姻契約でその他国でも奉公しているのは……聞いたのだが……」
拗ねるようなヴォルフに、メリッサはこの国に愛着を持っていく。
怒濤の一年が過ぎ、国の復興と春が近づき国交を開会したところで、天使族の公爵と、人族の王子がメリッサの有能さに気付いて無理やり押しかけるのだが──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-11 13:13:40
17555文字
会話率:44%
豊かな自然に囲まれた、ヒューイット王国。
かつてこの地で争いを繰り広げた、人間族と聖獣族との間に和解をもたらした伝説の英雄のひとり・魔導士ムネタカは、人間と自身の欲に失望して農村に隠居し、20年の時が経過していた。
平和な時代しか知らない
18歳のわがまま王女・レナ姫は、聖獣族の子どもに危害を加えた罪により獣化の呪いをかけられ、王宮のエリート魔導士・シオンの力で最悪の事態は逃れるも、耳と肉球、尻尾だけが獣化した姿となった。
レナとシオンはムネタカの力を借り、再び聖獣族との和解を目指すが、20年の歳月は英雄達の間に格差を生み、一方で獣化したレナは愛らしい姿と正直な性格で、逆に王国民の人気者になってしまう……。
★1話あたり3000文字前後で週4〜5回更新、更新時刻は20:00〜22:00頃の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-04 20:03:17
100683文字
会話率:32%
この世界には神獣族、聖獣族、魔獣族、神魔人族、人族(魔術師)の
5種族が存在する。
狼牙一族の長男、狼牙 響(ろうが ひびき)15歳は魔術師として致命的な欠陥を抱えており落ちこぼれであった。
8歳の頃から周りに落ちこぼれ、色無しと言われ続
けた彼は落ち込むこともせず
ずっと自分に出来ることだけをしていた。
彼の夢は学園を無事に何事も無く卒業し
全世界を自由に冒険する事だった。
しかし、狼牙一族の契約の義の日
響が契約の準備をし始めた途端なんと、そこには有り得ない種族が乱入してきて…………
乱入者により響は色々な厄介事や、世界を巻き込む大事件に巻き込まれてしまう!
果たして夢は叶うのだろうか……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-26 22:00:00
13913文字
会話率:58%