元和二年三月、病に臥す徳川家康を見舞うため、駿府城を訪れた征夷大将軍・徳川秀忠。だが、そこで目にしたのは、黙々と禁じられた本を読む父の姿であった。その書の名は、『新約聖書』。
「『王から乞食までが等しく読む本』を、ただ読んでみたかっただけ
じゃ」
天下人・徳川家康は好奇心を満たすため、『新約聖書』の翻訳を命じる。
翻訳に携わるのは、南光坊天海、金地院崇伝、林羅山、本多正純、三浦按針、ヤン・ヨーステン、そして名もなきキリシタン。
岡本大八事件と大坂の陣。激動の時代を越えて、家康はついに『黙示録』に至る。
神を知って、何を得たのか。
これは、ひとりの老将が「読みたかっただけ」で始めた、静かな探求の記録である。
※この小説は歴史ファンタジーです。史実や宗教の裏付けはありません。また、特定の宗教を持ち上げたり、けなしたりする意図で書いたものではありません。気楽にお楽しみいただけたら幸いです。
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