女子校生の千波ナナミは18歳。
基本的に明るい性格だが、小中高と可も無く不可も無い普通な成績と運動神経で、極々平凡な日常を送っていた。
しかし、FPS(ファースト・パーソン・シューティング、一人称視点射撃ゲーム)『Run on the
battlefield!!』(架空)というネットゲームに出会う。
元々ネットゲームは好きだったが、MMORPGの人間関係など、高校生になるとそういうことが煩わしく、時間とお金さえ掛ければ誰でも強くなれるという理不尽さにも霹靂していた。
だが、友達の兄に誘われてやってみたFPSは『死んで覚える』という過酷さにも関わらず、単純な操作とルールの中にも奥ゆかしい駆け引きに、何度もチャレンジしてしまう中毒性を持っていた。
完全な実力主義と、対戦相手の裏をかく事を基本とするMMORPGとは違うチームワークによる戦略性、敵を倒した時の爽快感、その魅力にFPSに傾倒していくナナミ。
(ここなら自分を解放できる!)
(この場所なら自分の腕を磨いた分だけ強くなれる!!)
今まで感じたことの無い、自分に対する期待や可能性を感じさせるのだった。
ナナミには他のプレイヤーには無い特技を持っていた。
ナナミには、幼い頃から「迷子になったことがない」というほど突出した方向感覚があった。
しかし、彼女の特性は単なる方向音痴とは無縁というだけではなく、『空間把握能力』と呼べるほどの精密さを伴っている。
具体的には、どんなに入り組んだ場所でも、瞬時に頭の中で空間を俯瞰(ふかん)して地図を描けるのだ。
立体構造の複雑な路地や建物内であっても、彼女は「そこを90度曲がれば、階段がある」「通路を抜ければ、十字路に出る」といった情報を正確に把握して、迷うことがない。
そんなナナミにはFPSのマップなど子供の描いた絵と同じくらい稚拙なものにしか感じない。それはどんなに複雑なマップでも自分の位置を見失うことが無いという点。
立体的なグラフィックの画面から、頭の中で『平面図』に『俯瞰』して地図を
描ける。
これを武器に親友カグラ、その兄太蔵と共にライバルを蹴散らしながら日本大会そして世界大会に勝ち進みやがては『世界最強のプロゲーマー』を目指すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-26 06:54:28
45664文字
会話率:39%
時は中世。
緑豊かな大地に囲まれた王国があった。
名はエリトール。
そこに双子の王子が誕生した。
「双子の王子がこの国を導く時、世界は新たな時代を迎える」
この予言が示すものとは何か?
弟の暴走、互いの心のすれ違い、衝突。
心が一つ
となった時、絶大な力が彼らを包む....。
今、兄と弟の魂が融合し、一つの身体となる....!
兄アストリアの人並外れた身体能力と弟セラフィスの瞬間空間把握能力を駆使し、戦場で兄と弟が共有している身体を入れ替わりながら悪と戦っていく冒険ファンタジーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-01 23:38:09
82635文字
会話率:30%
異星からのスペースデブリ群が太平洋に墜落して二十年。かつて東京メトロと呼ばれた地下トンネル網は水没し、巨大化したブラッドワームの巣窟となった。
荒廃した東京の地下を、金属牙を持つミミズの怪物が高速で泳ぎ回り、夜になると生き餌を求めて地上
に這い出す。
討伐は、超常感覚を持つ少女たちと、彼女たちを支える各々の戦闘ユニットに託された。
“セブンス・センサーズ”
X染色体の突然変異によって網膜に第四の錐体細胞を持つなど鋭敏に発達した五感に加え、ミサイルに使われる加速度計とジャイロセンサーなみに発達した三半規管が、絶対空間把握という第六感をもたらす。
そして、短期記憶の欠如と正確無比な体内時計が感覚情報を統合し、位相感応と差分解析に基づく予知能力かと見紛う“第七感”を生んだ。
だが、能力の代償は大きい。
感覚情報の洪水と、“忘れられない”苦しみが少女たちを蝕む。その特殊能力や生存方法が発見される以前は、乳児のうちに衰弱死する運命にあった。
セブンス・センサーズと診断された胎児は、生後すぐに隔離され、その後の人生のほとんどを、一切の感覚を遮断する人造羊水で満たされたアイソレーション・タンクの中で過ごす。
彼女たちはタンクの中の暗闇を浮遊しながら、その脳はインターネットに接続され夢を見る。ネットワークの中に構築されたセブンス・センサーズが創り上げた共同幻想(メタバース)だ。
少女たちはエルフのアバターに転移し、静謐な森の中の村で、従順なドワーフたちにかしずかれ、満ち足りた共同生活を送る。
平和なファンタジー世界の仮りそめの日常が、現実世界でのブラッドワームとの苛酷な戦闘の記憶を癒やし、正気を保たせるのだった。
だが、“ファンタジア”を不穏な影が覆い、セブンス・センサーズたちが次々と夢(ダイブ)から醒めなくなる事態が発生した。
かつて半蔵門線と呼ばれた地下トンネルを活動エリアとする“七菜子”ユニットの戦闘員である“私”は、現実世界に戻れなくなった七菜子をブラッドワームとの闘いに復帰させるため、ドワーフのアバターに転移し、ファンタジアに潜入した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-13 19:36:25
29179文字
会話率:25%
暑い朝の日、普段、人が通らないところで女の子が倒れていた。
ふとももを吸ってみたいと思った時に書いた変態で、少し文学的な小説です。
最終更新:2023-09-11 22:00:00
2444文字
会話率:52%
20xx/6/10 12:00
阿久津将司(あくつまさし)は今、仲間と共に北海道の山中に来ていた。
仕事だからだ。
この日本にはダンジョンがある。
ダンジョンが突如現れたのが10年前。そこから魔物があふれる世界になった。
阿久津将司(あ
くつまさし)はごく普通の家庭に生まれ、12の時にこのダンジョン出現騒動で大混乱した中、翌年のチップ吸収で【空間把握】という固有スキルが発現し、めでたく防衛隊という国の防衛に関する任務にあたる公務員となった。
22になった俺は防衛隊の第17班の隊長として新たな任務のために仲間を連れ、今回のターゲット『黒瑪瑙(オニキス)』という組織幹部を確保するというもの。依頼書には国家転覆を企む組織とだけ記されている。
将司は今回の任務に不審なものを感じていた。
「隊長!何難しいこと考えてんすか!直子ちゃんのことっすか?うまくいってないんですかねー」
「おい!冗談でもいって良いことと悪いことがあるぞ!」
そんなことを言いながら目的の施設へ入る。3名ほどの若い女性が待ち構えていた。
窓の明かりに照らされた女は、今回の最重要人物、宮城由香里(みやぎゆかり)。
「悪いことは何もしてないわよ。むしろ悪いことをしてるのは・・・あなた達のボスの方・・・かしらね」
「ほお、詳しく聞きたいもんだね」
俺の言葉に、目の前の女はニッと口を緩ませたが・・・
「ぐっ・・・お前、何を・・・」
背後からの痛みにとっさに体を前に飛び振り返った。
仲間である吉田は長剣に滴った俺の血を一振りして落とすとまたこちらに対して身構えた。
「そういう、ことかよ・・・」
「まだ動けたとはやっぱり隊長は・・・今日のところはここで引き揚げます!そうだ!直子ちゃんは俺っちがちゃんと慰めておいてあげますからね・・・」
吉田が舌なめずりをしながらその小屋を出ていくのを、叫びながら見逃してしまった俺は・・・薄れゆく意識の中で、直子の笑顔と、そして苦痛に歪む顔を想像していた。
過激なニュースで瞬く間に犯罪者としてさらされ、赤い悪魔と呼ばれた男の非日常な1週間の悪足掻き。
そんなお話
※1週間、実時間でお届けします。無理のない範囲でお楽しみいただければ幸いです。
その都合上、極端に短い部分もございます。ご了承くださいませ。
稚拙な文章ではありますが、お楽しみいただければ幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-16 19:00:00
33988文字
会話率:45%
大樹の下でふと目を覚ました完全記憶体質と突出した空間把握能力を持つの主人公の青年が、少しずつ成長していく物語。
根源構築要素(プライド)という能力を巡って情勢が動く世界を正していく……ようになるにはしばらくかかります。
2月7日午後 第
一章16話にて一章の山場に突入しました!
現在毎日更新中
物語が進むごとにあらすじを書き換えていきます
年単位で続ける予定なので主人公が強くなるまでは時間がかかります…!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-06 22:14:34
38762文字
会話率:44%
『スキル』――それは固有の力であり、冒険者においては最も重視されるものだ。 強力な『スキル』を持つものとそうでないものとでは、実力に天と地ほどの差が生まれ、弱い『スキル』を持つものは冒険者の間では侮蔑の対象であった。 冒険者であるフェイト
・レイグルートの『スキル』数あるスキルの中でも最弱に分類される【空間把握】。 まるで戦力にならない『スキル』であったために、フェイトもまた侮蔑の対象であった。最底辺のFランク、最弱の冒険者という烙印を押される。 一方で、フェイトと共に冒険者を志した三人の幼馴染み達は『スキル』の中でも最強格と呼ばれる『エクストラスキル』を持ち、冒険者として華々しい戦績を築いていた。 「もう俺のことは放っておいてくれ」――幼馴染み達との久しぶりの再会によって崩れてゆく関係、そこから始まる彼の本当の冒険譚。 力なき彼はスキルの進化によって最強の冒険者への道を歩み始める。 R15は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 09:52:08
64047文字
会話率:44%
2070年、急速に発展したロゼッタ帝国によって追い詰められた諸国は1人の天才科学者によってビクトール王国という国にまとめられた。これが、長きにわたって続く2カ国戦争の始まりである。
そして同時期、その天才科学者が発明した新技術により世界は再
び大規模産業革命を迎える。空間に存在するあらゆる粒子を操ることでさまざまな事象を起こせる技術、それが「空間把握技術」だ。
時は過ぎていき、2355年。ビクトール王国のまだ若き女王の元へロゼッタ帝国からのスパイがいるという情報が伝わる。誰が味方かわからなくなった彼女は、先代である両親から聞いていた「困ったら助けてくれる人」の元へ行くことにする。これが、彼女と謎の少年クルスシアとの出会いとなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-29 19:00:00
69617文字
会話率:56%