奨学金と生活費のため、日々ギリギリの生活を続けていた地方国立大学の理系学生・伊吹駿。冬休み、SNSで見かけた「高額短期バイト」の画像に誘われ、高知県四万十川へ向かう。
仕事内容は、夜の川でうなぎの稚魚「シラスウナギ」を捕ること。だが、その
バイトには決して表に出せない事情があった。
現地で出会ったのは、元自衛官、失踪した技能実習生、家庭に居場所を失った少女、そして過去を抱えたフリーターたち。名前も、年齢も、素性も不明の彼らと共に、伊吹は密猟という静かな犯罪の最前線に立たされる。
川の冷たさ、他団体との縄張り争い、地元住民と漁協の目、そしてバイトを斡旋する企業の裏に見え隠れする大きな影。
「自分は、何に手を染めているのか?」
「この金は、誰の犠牲で成り立っているのか?」
やがて、ひとりの仲間が姿を消し、もうひとりが川に沈む。
静かな夜の作業の中で、伊吹の倫理と現実がじわじわと侵食されていく。
これは、“ほんの3ヶ月”のつもりだった若者が、社会の裏側に触れてしまった記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 21:13:16
8485文字
会話率:18%
かつて鮭が群れをなして遡上したサール川。だが、開発と治水の名のもと自然は削られ、命の流れは絶たれた。そんな川の再生という無謀な任務を受けたのは、現場叩き上げの土木技術者・アウトブ・ヘイジ。堰や養殖場の整備、ブナ林の再生、子供たちと稚魚の放流
……人と自然をつなぐために、仲間たちと奔走する日々が始まる。やがて、何も戻らぬかに思われた川に、数年の時を経て命が還る。鮭とともに人もまた帰り、地域は再び息を吹き返す――。川と人の再生を描いた、希望と感動の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 21:00:00
19025文字
会話率:22%
稚魚レベルから飼っている10匹の金魚のうち、ひとりが引きこもりになりました。家族のように思っている金魚たちの観察日記のようなものです。
最終更新:2025-02-01 07:23:29
2125文字
会話率:2%
あるアジの稚魚が、餌を探して泳いでいると、突然自分の倍ほどはあるメカジキが現れた。稚魚サイズなのに、形は成魚だった。
そこには何もなかったし、泳いできたわけではなさそうな現れ方だった。不思議に思ったアジは、メカジキに話しかけてみた。
最終更新:2024-10-17 17:04:35
1612文字
会話率:54%
——水槽の稚魚は大海に憧れた。
とある、小さく素朴で、そして閉鎖的な村で生まれ育った少女。そんな水を愛した少女の生物語。
最終更新:2024-09-26 23:06:32
89602文字
会話率:52%
僕は会社で飼育している1匹の稚魚にアダムスミスと名付けた。
しかし、アダムスミスの命が長くないことは、僕は知っていた。
それでも必死に生きようとする、アダムスミスに気が付いたら、僕の心は涙していた。
最終更新:2022-02-25 19:23:56
1750文字
会話率:22%
グッピーは赤ちゃんを産む魚――――卵をお腹の中で孵して稚魚を産む。
私はその産仔(さんし)の様子をじっと見つめていた。次々と生まれてくる小さな稚魚たち。
私は熱帯魚が泳ぐ水槽を眺めるのが好きだ。ぼうっと何時間でも眺めていられる。
彼らはい
つも私を癒やしてくれる。
と、母魚はくるりと稚魚に振り向き、稚魚をパクリ……。
それを目にした私は――――。
涙と共に叫びがとまらなくなった。
※旧タイトル「グッピーと私」再投稿版。
※本作は流産を扱っています。人によってはご不快になることもあるかと思いますので、ご了承の上お読み頂けると幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-31 14:04:22
7763文字
会話率:41%
同棲していた彼女と些細なことで喧嘩別れした平野優大は、ヤケ酒を煽った帰り道に不思議な露天商から瓶詰めの人魚を押しつけられる。
育て方のリーフレットには次のように書かれている。
《!注意! 本商品は愛玩用です。それ以外の用途には使用しない
でください。》
《1 餌も水替えも必要としません。
日光浴、月光浴をさせれば喜びますが、基本的にはあなたの愛情で育ちます。》
《2 これは稚魚です。瓶の中は人魚の世界ですので、成長に伴ってより広い世界を用意してあげましょう。》
※夜の市場企画参加作品。
※カクヨムに重複投稿。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-03-18 16:30:35
27051文字
会話率:26%
そんな目で見ないで・・・・
最終更新:2010-04-04 22:05:29
249文字
会話率:0%