あやかしと人間が暮らす世界。伊桜里は幼なじみの辰巳に奴隷のように扱われていた。反論したくとも伊桜里の親の会社を潰すぞと脅されており、言いなりになるしかなかった。互いの家は隣同士で両親は仲が良く、辰巳の外面が良いことから、伊桜里と辰巳も当然仲
がいいと思い込んでいる。何度否定しようとも、伊桜里が恥ずかしがっているだけだとしか受け止められない。学校でも辰巳のせいで身の置き場に困る生活は、伊桜里の心を疲労させる。そんな伊桜里が安らげるのは、孤高の存在として一目置かれていた要との時間だけだった。
『あやかし旦那様の愛しの花嫁~お前は永遠に俺のもの~アンソロジーコミック』に収録作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-26 20:52:48
12210文字
会話率:46%
恩人の彼はただの変人か、それとも簒奪者か――? ◆ ギリギリになって婚約を邪魔された村娘のフロランスは、美人だが性格の悪い義妹と無神経な両親に神経をすり減らし、毎日村から逃げるように修道院へ通う日々を過ごしていた。ところがある日修道院が山賊
の襲撃を受け、フロランスはあわやというところで不気味な青年グレゴワールに命を救われる。フロランスは修道院の焼失で唯一の望みをも失いかけるが、そんな折、なぜかフロランスを気に入ったらしいグレゴワールに彼の下で働かないかと誘われる。 ◆ 宮廷魔術師団の死霊術師(ネクロマンサー)であるグレゴワールは周りから嫌悪されることが多く、残虐な先王殺しとも噂されていた。しかしその一方で彼はフロランスには妙に甘く、物理的に身近に置いておこうとするわ、毎日頭を撫でては魔力を流し込んでくるわ、怪しく笑っては嬉しそうに「私の太陽」だなんて呼んできて……? (※太陽娘=たいようむすめ)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-20 22:51:30
175237文字
会話率:45%