「メルシニカ。良く聞いて。半分だけ、均等にしましょう」
ラフティは幼い妹のメルシニカの為に愛を二分割して分け与えた。
しかし、年を経て突きつけられたのはラフティの付き合っている人とは、運命の人だったという男女の裏切り。
彼女は別に相手のこ
とをなんとも思っていなかったが、悪意しか感じ取れない行動に、強欲にこちらの愛すらも奪おうとする妹の感情が既に綺麗でまっすぐなものから外れてしまったと感じた姉は、妹に貸し与えていたものを返してもらうことにした。
個々で愛を見つけたのなら、もう私からの愛はいらないわよね?
姉は庭で男と茶を嗜む。
運とはなんなのかについて語らう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-26 06:00:00
6527文字
会話率:30%
アリア大陸に突如出現した異形の存在……《サヴァン》と名付けられたその化け物の軍勢によって大陸の勢力図は変化を余儀なくされる。崩壊したカミュナ帝国を中心にサヴァンの被害は拡大を続けていた。人々の思惑は絡み合い、幸福を求める不幸の連鎖はいまだ鳴
り止まない。
黒髪の少年シュナ=クレイは生家をサヴァンに襲撃されて家族を失った。復讐を誓うシュナは身に宿った異能力の価値を認められ、能力者で構成された傭兵団『アザブラ』への入団を許可される。身を焦がす怒りに支配されてシュナは突き進む。彼は止まらない。その道の先に誰も望まない結末が待っていたとしても……
感想ウェルカムです。辛い評価も真摯に受け止めます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-13 00:47:33
171790文字
会話率:41%
2014年、日本国憲法改正。
2015年、シリア戦争、日本防衛軍介入。
2010年代後半、中国国内におけるクーデター。それによる難民流入。
2018年、第二次高度経済成長期
2020年、東京オリンピック
世界はあっという間に様相を変じて、僕
たちを飲みこんでゆく。
望まない世界と、望まない結末に僕たちを誘《いざな》って。
そのどす黒い悪意の力に、気付けば僕たちは心さえ蝕まれていた。
後はただ為すがまま、為されるがまま。
今度は僕たちが悪意を持って銃を持ち、獲物を探して世界を巡る番だ。
それは死ぬまで続く殺戮の行進。
誰かが僕を殺すまで、僕は銃を離さない。
さぁ、獲物はどこだ?
弱者はどこだ。
僕たちは探す。
自分よりも弱い者を探す。
ただ僕たちへの犠牲にするために探す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-12 16:08:53
13180文字
会話率:32%