――――寵愛が毒となり、邪悪が正義を寿ぐ。
早瀬川夏美、十八歳、浪人生――――ある日、“天使”だか“使徒”に襲われる。
窮地を救ったのはこの世で一目散に大嫌いな人種に認定される、御門阿偉矛と名乗る人物はまさしく“死なぬ邪悪”だった。
あらゆる生物に愛される“寵愛”を持つ早瀬川夏美に天使の手が伸びる。それを食い止めると嗤う御門阿偉矛はいまいち信用に足らないうつけ者で。
両者に板挟みにされる一般人、早瀬川夏美は今日も事件の中心で息を吐く。
天使と堕天と少女。これは世界の終わりの裏で繰り広げられるもう一つの終わりの始まり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-10 13:00:00
27413文字
会話率:37%
以前投稿した同タイトルの短編の連載版です。
四話目は短編と同じ内容になっております。
2019/7 アーススターノベル様より書籍化しました。よろしくお願いします。
2020/5 コミカライズ一巻、発売となりました。よろしくお願いします。
最終更新:2019-06-18 14:43:03
267994文字
会話率:28%
自身を何の変哲も無い平凡人だと思っていた男子高校生サキ。いつものように学校生活を終え、家に帰り私生活を済ませ床に就く。サキにとってこれが日常のサイクルだった。
しかし、ある日サキはとんでもない夢を見た。それはバラバラの年代の五人が断りもな
く自分の身体に入ってくる恐ろしいもの。サキは現実に戻ろうと出口を探すがサキの目はすでに現実を捉えていた。そう。サキに一度に五人もの霊がとり憑いたのだ。
そして霊がとり憑いて一週間。ただの霊が憑いたならまだ良かったが、その五人はオタク・ヤンキー・天才児童・優等生風暴力女子高生・おばあちゃんと、とんでもない曲者(くせもの)揃い。この五人のせいでサキの学校での平凡な日常は欠落していった。さらに追い討ちをかけるように除霊師の式部清納(しきぶせいな)が転校してくる。式部は自身の素性(すじょう)を隠し放課後、誰もいなくなった教室でいきなりサキを襲うが、とり憑いたなかでも運動能力の高い女子高生ユホが間一髪で式部のお札を避けた。それから式部と戦いとは呼べないような除霊ごっこが始まる。つまり、式部は除霊師のくせにお札を直接貼るしかできないうえに運動音痴で天然な奴だった。当然その札が触れることはなかったが、通りかかった担任にイジメだと思われ呼ばれる。しかしその担任は実は悪霊(あくりょう)にとり憑かれていたのだった。不意を突かれたサキの身体は刃物で切られるが浅く、ここから本当の戦いが始まってしまう。
ヤンキーのサンダーに代わってなんとか悪霊の憑いた担任を地面に沈め、悪霊の恨みを理解したうえでサンダーはその悪霊をサキの身体へ勧誘する。断る理由もなく悪霊はサキの身体に住むことになるのだが、問題は血だらけの教師と生徒の光景。サキ本人は考えるより先に式部を連れて逃げ出すが翌日、学校問題に発展し担任とサキに謹慎処分を下した。それから三日後、サキの自宅を訪れた式部は霊にも心があることを理解し、サキに一緒に霊を救おうと頼むのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-01 01:00:00
19605文字
会話率:32%