ゴンドル族で戦争孤児のリアは、人間の養父に拾われ育てられ、義理の兄弟とも仲良く暮らしてきた。
しかし、ある日養父が亡くなり、その日を境に義兄アルフレッドの態度が豹変する。毎日のように義兄に求められるようになってしまったリアは、義弟テオドール
と共に逃げ出すが──。
同族の医者ポポロムに助けられたリアは、その後驚愕な真実を知ることになる。
義兄と義弟、正反対の歪な愛情が交差するラブサスペンスドラマ。
しんどい展開が続きますが、一応救いはあります。
「トリアーダ」はギリシャ語で「三位一体」という意味です。
某所タテコミ原作コンテスト予選通過作品を小説化したものです。
【登場人物】
◉リア(20) 主人公。大学生。ゴンドル族の生き残りで心優しい性格。
◉アルフレッド(24) リアの義兄。社会人。クールで優しいが、リアに対して歪んだ愛情を持つ。
◉テオドール(18) リアの義弟。大学生。明るく社交的だが、リアに対して歪んだ愛情を持つ。
◉ポポロム(28) リアと同じゴンドル族の生き残り。医者。
エブリスタ、タップノベルでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-12 12:08:50
92265文字
会話率:39%
フィンセント・ファン・ゴッホという画家は、美術愛好家のみならず、芸術に全く関心のない人にさえ名前を知られている、世界的な有名人です。
世間一般の、ゴッホに対するイメージは、『狂気の画家』という言葉に代表される、一種の変人的な人物像ではないで
しょうか?
しかし、彼と弟のテオとの間で交わされた膨大な手紙をまとめた書簡集に目を通すと、彼が極めて理知的で、分析的で、論理的な人物だった事が分かります。(絵画と文芸に対する知識が豊富で、文章力も非常に巧みです。)
それに加えて、情にもろく、正義感で、少々意地っ張りという、人間的な魅力も多分に持ち合わせています。
この小説では、ゴッホが画家を志して五年目(1885年)くらいの時期に、どんな事を考えていたのかを、書簡集での言動を参考に、極力誇張を交えずに著わしています。
この頃は、まだあの彼独特の燃えるような絵のタッチを編み出すまでには至っていませんが、すでに将来それを実現する事を予期しているという所に、特徴があります。
テオはこの後も、ゴッホに金銭的援助を続け、文通を継続することで、兄の画家としての大成を物心両面で粘り強く支援する事になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-07 17:09:09
1548文字
会話率:6%
定年退職後の夫婦に危機が訪れる。二人はフランス旅行に旅立った。男はこの旅行を離婚記念旅行にしようと思っていた。パリのオステルリッツ駅から電車に乗って、オヴェール・シュル・オワーズという町に出かけた。この町にはゴッホの墓がある。一度、見たいと
思っていたのだ。ゴッホの絵にある教会を観た後で、墓地に向かった。墓地近くの麦畑では、まさに、ゴッホがキャンバスに向かって描いているような幻想にも囚われた。ゴッホと弟テオの墓を見た後で、ゴッホの下宿先「ラヴー亭」で昼食を摂った。妻が初老の小さな女に見えた。男の心の中で、妻に対する頑なな心が徐々に溶けていくのを感じていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-06 20:00:00
13787文字
会話率:11%
人に強大な竜の力を宿すという「竜槍ドラグニル」。
その力は忌まわしき呪い。人の身には過ぎしもの──
(註:本編にはあまり関係ない設定です)
竜槍の「元」所有者にして魔法剣士リコルは、冒険者仲間の忍者セニア・侍ジンと共に、敵の追っ手から姿を
くらますため、東方の港町シレトゥクに潜伏していた。
敵の目を欺くため、セニアの家秘伝の性転換術を使い男性に変装したリコル。旬の魚を買おうと市場に出かけたが、そこに待っていたものは──
「テオ様! 英雄騎士のテオ様よねっ!」
リコルを実の弟テオと勘違いし、しかも英雄と祭り上げて崇拝する、豪商の一人娘モニカ。
弟が英雄騎士? 一体何の冗談だ? 全ての元凶はモニカの抱えた一冊の本の中に──!
性転換したばっかりに巻き起こる悲劇と喜劇。そして誘拐事件。これは冗談では済まされない!
リコル達は果たして事態を収拾し、誤解を解く事ができるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-17 20:10:21
28821文字
会話率:36%