この世界には、平民が貴族に恋をすると“呪い”が発動する。
感情を抱いた瞬間から、身体に重力が宿り、相手に近づくたびに足が沈み、声が詰まり、息ができなくなる。
それはまるで、想うことさえ罪であるかのように――
辺境の町で暮らす少女リアは、心
を抑えて生きてきた。
けれどある日、王都から視察に訪れた貴族の青年・セランと出会い、目が合ったその瞬間、彼女の身体に“重さ”が降りかかる。
それは、好きになってはいけない人に、惹かれてしまった証だった。
近づけば、苦しい。
けれど、心はそれでも歩き出してしまう。
この想いに名前をつけられる日が、いつか来るなら――
これは、想いが呪いに変わる世界で、それでも恋をしてしまった少女の、はじまりの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 21:24:54
50141文字
会話率:20%
フィーネ・カンツォーネ公爵令嬢は、この学園で『人形姫』と呼ばれ恐れられている。人形のように美しい顔で、人形のように言葉ひとつ話さないからだ。「自分から話さなくても他人が察して当たり前だと思っているんだ。なんて高慢な令嬢なのだろう」ーー学園の
生徒たちはそう噂し、婚約者であるアレグロ王子が平民の生徒と仲良くなっても「当然だ」などと言って彼女を蔑んでいた。
ーーだが俺だけは知っている。フィーネ様が言葉ひとつ話さないのは、ただ単に『コミュ障』だからだということを。
*
ひょんなことから公爵令嬢がコミュ障であることを知ってしまったモブ平民な主人公が、彼女のコミュ障を克服させるために頑張るお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-28 11:15:30
49258文字
会話率:41%