帝国一の情報屋が、ただ一つ知らなかったこと
——それは、『自分の正体』だった
カゼルシア帝国の片隅、万屋クアドロで働く少女・ロクスタ。
表の顔は雑貨屋。
裏の顔は、帝国随一の情報網を誇る “情報屋”。
見聞きしたすべてを記憶し、
誰より
も多くの秘密を扱う彼女が知らなかった
——『自分』のこと。
生き別れた家族を探すため、皇宮に潜入した少女は“幽霊”の存在と、“第2皇子の命は長くない”という事実を知る。
家族を探すはずが、気づけば皇子の命を救うことになっていた。
情報屋はまだ知らない。
自分が、帝国と王国の運命を揺るがす《鍵》であることを。
“知ってしまえば、戻れない”
——これは、呪いと祝福の狭間で、ひとりの少女が“真実”にたどり着くまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 21:20:00
16955文字
会話率:32%
美しい文字から始まる甘く切ない恋の物語
静寂に包まれた文徳房。下級女官のメイファは、虫食いだらけの古い詩集の頁を、愛おしそうに修復している。同僚たちは、地味な仕事に不平を言いながら、巷で「呪われた皇子」と噂される声の出ないジン皇子の話題
で盛り上がっている。「近寄るだけで不幸になる」と。言葉や物語の力を信じるメイファは、その噂話に少しだけ胸を痛める。彼女が真心で清書した手本は、なぜか他の誰が書くよりも文字が美しいと評判だったが、本人はその理由を知らない。これが彼女の持つ微かな「言霊」の力だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 16:07:54
11238文字
会話率:19%
のどかな農業国フロイトの王女アマリリス――リリスは病弱なためによく眠り、人々から〝美しきフロイトの眠り姫〟と呼ばれている。
しかし、病弱設定は表向きのもので、リリスは不思議な力を持っているのだ。
リリスが眠りの中で見る夢は、過去・現在
・未来の出来事であり、それは遠い地であったり、異なる世界のものであったりする。
そして、その夢で知識を得たリリスの助言もあり、ここ数年でフロイト王国は多大な発展を遂げていた。
だがそれに目をつけた隣国フォンタエ王国のフロイト侵攻計画を夢で見たリリスは、強大な軍事力を持つエアーラス帝国に同盟を求め、〝紅の死神〟と異名をとる皇太子ジェスアルドの許へ嫁ぐことを決意した。
幼い頃から呪われた皇子と呼ばれ、全てを拒絶するジェスアルドは妃となったリリスにも冷たく当たる。
そのため、故郷を遠く離れたエアーラスの地で、リリスは泣き暮らすことに……なるはずもなく、その性格と知識でジェスアルドをはじめとした周囲を振り回していく。
※主婦と生活社様「PASH!ブックス」より書籍発売中です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-31 23:16:46
486383文字
会話率:37%
龍王族の男子一人だけに魂の片割れである番いが現れ次の龍王になる。これは龍王の治める煌国(こうこく)の長きにわたる摂理であった。だが、ある日先読みの神官は「番い一人に龍が二頭あらわれる」と神託をうけてしまう。
隊商に拾われた孤児の少女ククリは
、呪われた皇子と呼ばれ恐れられている第二皇子ハクトに命を救われる。ハクトはククリに惹かれるがククリは突然消えてしまう。第一皇子のシオンは自分の幼いころの師であった美貌の神官が最近弟子にした少年を溺愛しているとの噂に真相を確かめにいくが・・・
ククリに惹かれる皇子二人。ククリを溺愛する美貌の神官。神官ソハヤは自分が視た未来を変えようと決心する。 最初の5話は二人の皇子の親世代の話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-29 23:59:01
31704文字
会話率:20%