道具屋を営む彼が「面白いもんを手に入れました」と言って、包みをふたつ取り出した。
包みを開くと、それは香炉とお香だった。香炉は美しい装飾が施されているものの、どこからどう見ても普通の香炉とお香。これのどこが「面白い」ものなのだろう。もしか
したら珍妙な香りがするのかもしれない。
「これは反魂香というもんです。なんでも、焚くとその煙の中に死んだ者の姿が現れるとか。これを焚いたどこぞの国の皇帝が、煙の中に亡くならはった奥さんの姿を見たそうです」
死んだ誰かにまた会うことができるなんて夢がある。死が今生の別れではあっても、永遠の別れではないと、思うことができる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-30 09:00:00
8648文字
会話率:31%
わたしには自慢の姉がいる。賢くて、スポーツ万能で、誰にでも優しくて、みんなの為になる立派な仕事をしている、誇らしいお姉ちゃんが。そんなお姉ちゃんから、最近、良い匂いがするようになった。香水を替えたらしい。
最終更新:2022-08-25 08:00:00
4320文字
会話率:47%
一話完結のオムニバス形式です。
都内オフィス街の一角に、「カオル堂」というお香屋さんがあります。死に急ぐ社会人も、生き急ぐ学生も、空を見上げて夢見る者も、地面に俯いてうなだれる者も、誰もそれに気付きません。
でも、そのお店から漂う香り
に気付くことが出来たなら、きっと、あなたも人生を見直すひとときに巡り会えるでしょう
これは、風変わりな店主と摩訶不思議な香の力が、なんでもない人々と織りなす、人と香りの物語。
※不定期更新。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-08 17:40:43
57142文字
会話率:30%
語り継がれるその魔導書は大学ノートへと姿を変えていた。
その元となった存在、原点が中世のイタリアにあると知って、飛び出していた。
最終更新:2016-08-21 21:09:46
3462文字
会話率:15%
『Ars Magna』をイタリア語に翻訳した、『per il fiorire di anima』の断章。
「零落〜」の世界を補足するでしょう。
最終更新:2016-08-18 21:48:01
2227文字
会話率:10%
探検家は願う。この迷宮の真実を世に広めるまでは、決して死ねない、と。
その想いは果たされるか?
最終更新:2016-08-18 17:07:07
3785文字
会話率:7%
もし、死んだ人間を蘇らせることが出来るという『反魂術』を使えたとしたら―――?
最終更新:2008-04-30 19:26:44
1832文字
会話率:62%