三月、その夜は嵐でした。
窓を叩きつける激しい雨音が静かな食堂に響いています。
「最近、王都で殺人事件が頻発しているらしいね。どうやら殺されたのは、全員犯罪者らしい。」
カインお兄様が食事中に物騒な話を始めました。
「私もその話
を聞いたわ。社交界では、自業自得、と噂になっていたわね。」
噂好きなお母様は、とっくにその情報をお茶会で入手していたようです。
二人の会話を黙って聞いていたお父様が、突然、私に話を振りました。
「セシル、ワイル伯爵家から持参金が返金された。追加で賠償金も支払われて婚約破棄が成立した。もう、ワグナーとは関わるな。」
「え?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-23 00:19:24
300464文字
会話率:34%
私、武蔵野千夜、十八歳。どこにでもいる普通の女の子。ある日突然、クラスメイトと一緒に異世界に召喚されちゃったの。クラスのみんなは、聖女らしい加護を持っていたんだけど、どうしてか、私だけよくわからない【応援】って加護で……。使い道の分からない
ハズレ加護だって……。はい。厄介者確定~。
結局、私は捨てられてしまうの……って、ふっざけんな!! 勝手に呼び出して勝手言ってんな!
な~んて、荒ぶってた時期もありましたが、ダンジョンの中で拾った子狼と幸せになれる安住の地を求めて旅をすることにしたんですよ。
はぁ、こんな世界で幸せになれる場所なんてあるのかしら?
※アルファポリス様で先行掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-02 12:00:00
22397文字
会話率:25%
貴族として生まれたクイナは、その加護のハズレ具合から《役立たず》として酷い仕打ちを受けている。掃除、洗濯、料理はできて当たりまえ、寝る場所は屋敷から離れた小屋。友達はフィーナだけ。
ある朝、目覚めてみると屋敷の人間と一切の家具類がなくな
っていた。……どうやら没落したらしい。
※ざまぁはありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-09 23:20:03
17488文字
会話率:38%