前半は少女と末期がんの中年男の物語です。後半(第7部分以降)では精神科病棟に入院した少女と入院患者との交流が描かれます。人間のみならずこの世界全体はデータであり、それに還元できるという考えはコンピュータが発展する前からありました。それは現実
になろうとしているようで、スマホに人が丸ごと取り込まれる日も近いかもしれません。「あたし」はそれに抵抗しようとしたり、逆に救いを見出したりします。
ジャニス・ジョプリンの"Get it while you can"にインスパイアされたもので、彼女は「生きてるうちに手に入れるのよ 愛に背を向けちゃダメ」と唄います。
「夢のもつれ」https://blog.goo.ne.jp/traumeswirrenに掲載した同名作品のリライトです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-18 10:58:04
24674文字
会話率:47%
陶芸工房「翡翠堂」には奇妙な者たちが訪れる。
以前の持ち主の幽霊。恋に臆病な河童。寺の跡取り娘で嫉妬深いサンショウウオと、妖小僧たち。
翡翠堂の主、宮地圭介が一目惚れをした華奢でうつくしい女の正体は、桜の樹に宿る蛾の妖であった。
「
夏の間しか、わたしは貴方の側にいられない。それでも貴方は、わたしを必要としてくれるの? 後悔しないの?」
オオミズアオは宮地へ問いかける。
「俺の人生丸ごとお前にくれてやる」
宮地のまっすぐで無骨な愛情が、かたくなだったオオミズアオの心をとかしていく。一生を共に過ごそうと誓いあったふたりの行く末は……
無断転載禁止。無断複製禁止。
本作は角川『野性時代フロンティア文学賞』一次通過作を加筆修正したものです。
第六回ネット小説大賞2次通過作。
※三部作となっています。
『こいし恋しと夜になく』(光文社/小説宝石新人賞一次通過作)河童の恋物語。
『ひえた毒』(第六回ネット小説大賞一次通過作)宮地の弟弟子であるコーへーくんの歪んだ恋愛物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-23 23:00:00
83277文字
会話率:29%
■第1回集英社ライトノベル新人賞、四次選考落選作品
これは、少年とオオミズアオの恋物語である。
人間を除く全ての生き物――【蟲】が喰い合う異常な都市・皿久米市。
そこで一人の少年――夏見柚彦が記憶喪失になってしまうところから物語は始ま
る。
母や友人に支えられ普段通りの生活を送ろうとする柚彦だが、周囲がそれを許してくれない。街が蠱毒化した原因を探る異端審問官。柚彦を狙う覆面の男とそれに付き従う巨大な犬。そして、柚彦の自転車に憑りつくオオミズアオ――椿。
そんな者達に囲まれながら、少年は何を想うのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-30 21:33:39
191703文字
会話率:47%