凪葵(なぎあおい)は、叔父である伊豆見洋(いずみひろし)が構える司法書士事務所で助手として働いている。
そんな葵は、他人と比べてある能力に秀でていた。
それは、言動・表情、そして場の空気等から他者の感情を汲み取る力。
つまり、他人のウソが直
感的に分かるのである。
ただそれ以外は、プリンが好きで少し控えめなごく普通の働く女子であった。
葵が事務所に来て1年が経ち、雑務のほとんどを任せられ、慌しいながらも充実した日々を送っていた。
そんな中、洋の大学時代からの友人で、大手出版社の女性誌部門の記者である
桐谷千春(きりやちはる)が事務所を訪れる。
千春は、とある人物の誕生パーティの招待券をちょうど3人分もらったので一緒に行かないかと提案する。
その"とある人物"とは、最近売り出し中の若手実力派女優である北大路帆美花(きたおおじほみか)であった。
洋は、帆美花の出演しているテレビ番組はほとんどチェックするほどのファンであり、即、千春の提案を受け入れる。
帆美花は昔、葵の近所に住んでおり友人同士であった。
しかし、帆美花が家庭の事情で引越ししてからは、お互い連絡を取ることもなかった。
葵は、帆美花がテレビに出るようになってからは遠い存在のように感じていた。
帆美花との思い出を今でも鮮明に覚えている葵には、千春の誘いを断る理由は無かった。
それぞれの思いを秘め、パーティが行われる某県の山奥にある北大路家の別荘に向かう。
葵はその道中、帆美花に再会できることの喜びでいっぱいだった。
話したいことは山ほどある。
聞きたいことも山ほどある。
しかし、その胸いっぱいの喜びは、別荘で起こるある悲劇により、儚くも消え去ってしまうこととなるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-25 20:00:00
16354文字
会話率:36%
あなたにも身に覚えがあると思う。
潜在意識が訴えてくるというのだろうか、心の奥の奥から、言葉では言い表せない何かが沸きあがってくること。自分でも理由が分からないけど衝撃的過ぎて頭に焼き付いてしまった経験。
私は八歳だった。そこは父に連れて行
ってもらった美術館の休憩スペース。歴史的芸術家の展覧会が開かれ、メインホールは多くの人で賑わっていたが、そこはしんと静まりかえっていた。別世界に居るみたいだった。無名であろう画家が描いた深海の絵がひっそり飾ってある。私はそこで立ちすくんでしまった。なぜあんなに心が引き込まれたのかは今でもよく分からない。
ただ、私の脳が私の全身に何かしたことは間違いない。
「なんて素晴らしい絵画なんだろう。」
その日から私の夢は画家になった。
十数年後、その感動的な瞬間は再び起こる。しかし、最悪なかたちで。
神様!この世の中はどうして不公平なの?!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-25 02:06:46
10388文字
会話率:53%
これはとある人物が始めた慈善活動の話である。彼の名前は仮にC氏としておく。
C氏は活動を始めた当初は大手メーカーの技術者であり、そして彼の慈善活動が世の中に広く知られるようになった今でも、その仕事を続けている。
仕事が終わった後、彼は
プライベートな時間を使って慈善活動を行っている。その活動とは何か?それはC氏の個人資産を使った返済無用の奨学金を提供する学生支援NPO団体の活動だ。もちろんC氏が作った団体だ。およそ三十人ほどがスタッフとして少ない給料で手伝ってくれている、資金のわりに規模の小さなNPO団体である。
C氏がどうやって一代資産を築き上げたのか、なぜそれを無償で学生たちに与える活動をしているのか、その点についてはあえてここで説明する必要はない。いや、なくはないのだが、それは後の話の中で結局わかってしまうことだ。長々と前口上を垂れるのは蛇足というものである。
C氏は今日も仕事後に奨学金を求める学生との面接に向かう。高校生もいる。大学生もいる。浪人生もいる。いろいろな人間が様々な理由で彼の助力を求めている。しかし、全員が彼の与える奨学金を受け取れるわけではない。面接で選ばれるのである。そしてC氏の選定基準にこそ、彼の強い思想を見ることができる。
場所はいつも同じ、会社近くの寂れた喫茶店、トリスタンである。何時行っても客はなく、潰れないことが不思議な喫茶店。加えて、人気がない店のわりに寡黙な初老のマスターが出すコーヒーは思いがけず美味しい。まったく不思議な店である。
カラン、とドアベルを鳴らしてC氏が店内に入ると奥まった場所にある二人掛けのテーブル席に大学生風の風貌の背の高い男が座っていた。他に客はいない。いつも通りである。ドアベルで大学生風の男はC氏に気が付いてやや落ち着きのない声であいさつをした。面接の始まりである。
アルファポリス、エブリスタにて転載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-23 19:01:57
23970文字
会話率:59%
ーーこの物語のメインステージは2068年。2050年から、一部で魔力を持って産まれた赤子が発見された。何者によってもたらされたのか、そして何故一部の赤子なのか、というのは18年経った今でもはっきりとはわかっていない。
時は変わり22
50年。この時代は魔法が研究され、また新たに生み出され、と発展していた。ほとんどの者が魔法を持ち、国を、組織を守るものとして、ミサイル使いの軍隊よりも信頼されている。平和に導いてくれる者たちとしてとして。
宗教の根は浅くなり、それによる紛争はなくなった。警察が必要ないレベルの喧嘩しか起こらない。
世界は白羽と黒羽の大きな2つの組織に分けられていると言っていい。互いに魔法を鍛え上げ対立し、領土を奪い合った。白羽のトップである白土 浩司は「我々は世界を1つにすべく戦う。黒羽は悪と見なし、滅するべし。」と、一方、黒羽のトップであるフィリップ・B・サイモンは「純白な世界を創るなどと、古典的な概念を持つ白羽を壊す。そうすれば世界はより平和になるのだ。」と、演説した。2250年、1月5日のことである。
その裏で、また別の組織がゆっくりと動き始めていることは、ほとんどの者が知らない。
……あぁすいません、申し遅れましたね。私、チェリーと言います。どうぞ、お見知りおきを。因みに、チェリーは本名ではありません。
さて、赤子と200年後の魔法使いたちや、その時代の組織とはどんな関係があるのだろうと、気になるでしょう?気になりますよね?私が聞かせて差し上げましょう。
さぁ、目を閉じて、心を委ねてください。あなたを素敵な物語へとお導きいたします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-16 23:09:25
3671文字
会話率:56%
あの日、最期に見せてくれた旦那の笑顔は今でも忘れることができない
最終更新:2016-02-13 15:47:46
2475文字
会話率:36%
何が原因か、それは今でもわからない。
でも、私は物心ついたころから両親から疎まれ・兄弟から蔑まれ・クラスメイトから嫌われていた。
それでも私は願い続けた。
だれか1人だけでもいい。
私を嫌わない人が、こんな私でも好きになってくれる人がい
て欲しいと・・・。
年齢を重ねるごとにひどくなるイジメに虐待に耐え切れず、私は自分の人生を自ら終わらせた。
そして、私は異世界に生まれ変わった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-09 08:00:00
10054文字
会話率:51%
平日の昼間から街に1人でいた女の子に話しかける男。
男は昔、テレビに出ていて今でも街に自分のポスターが貼ってあるというが…
男の仕事とは…?
キーワード:
最終更新:2016-01-30 18:06:43
1040文字
会話率:46%
この春、小学校二年生になる腕白盛りのユースケ。
そんなユースケはある雪の朝、庭で小さな小さなお婆さんと会い、一緒に雪だるまを作ることになるのだが……
R15指定でもよいのですが、自分ではこれは子供たちにも読んでもらいたいとい
う気持ちがとても強いので、あえてそうしませんでした。
実は(物語は全然違うのですが)小さい頃、私はこういうモチーフ、テーマの童話を読んで、とても心に残ったことがあります。と、いうか、今でも残っております。ただ、その、タイトル、作者名がまったくわからず、これは自分なりのその作品へのオマージュなのです。
<街にいるお母さんに会いたいというわがままを言って夜中に泣き出した子供をお婆ちゃんが背中におぶって裸足で暗い森を歩いていく話>
と、いった感じの童話なのですが、誰か、そんな物語に心当たりがあるよという方は面倒ですが御一報くださるととても嬉しいてす。
最初に思いついた構想時とは全く裏腹に、
ほのぼのとした形を取りながら残酷性、
残酷でもありながら優しさに対する希望を、
はからずも取り混ぜた作品になってしまいました。
個人的にはその“アクシデント”がわりかし気に入っています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-29 05:55:01
5160文字
会話率:52%
わたくしの最後の恋愛は、重く面倒なものであり大人になった今でも瞼の裏をあの頃の風景が幻想かのようにちらつくのです。
最終更新:2016-01-25 19:57:19
1955文字
会話率:0%
いじめ、差別、批判、暴力、裏切られることも何度かあり
経験と回数が増えていくうちに、人間不振になった。
それから、27歳で知った事実…
とても複雑で今でも悔しくて、許し難い事情。
最終更新:2016-01-22 01:27:30
348文字
会話率:0%
戦いを終えたヒーローはそれぞれの道を歩み始めたが、平和に馴染めない色がいた。
それは第六の色。
紆余曲折を経て仲間になったブラックは、今でも影のごとく街の平和を守っていたが、新たな敵が新東京に牙を剥く。
かつての仲間を招集するわけにもいかず
、ブラックは苦境に立たされる。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2016-01-20 01:51:38
1380文字
会話率:10%
中学時代にいじめを受けていたハルはいじめの主犯格だったショウに対して二十歳になった今でも恨みを抱いていた。そんな中、ハルはミカゲという女からある提案を勧められた。それは「復讐プログラム」と呼ばれ、裏社会で密かに行われていた「仕返し」だった。
だがその代償は自分の命。ショウを殺して「ゲームオーバー」か、ショウを赦して「コンティニュー」するか。究極の決断を迫られる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-14 01:04:19
1103文字
会話率:0%
あの日、僕は彼女になんて応えれば良かったのだろうか。
今でも僕は考えている。
最終更新:2016-01-09 00:48:48
6977文字
会話率:28%
当時旬だったネタを全部乗せした結果。ちなみに身長差ネタは今でも美味しい。※旧学パロサイトからの再録です。
キーワード:
最終更新:2015-12-30 02:29:52
1366文字
会話率:86%
今でも忘れることなどできない。あの熱気を、あの喝采を。
この体を包み込んだ熱狂的なまでの高揚感、そして凍りつくかのような緊張感。
叶うならばもう一度あの舞台へ立ちたい。だがその願いが叶うことはないだろう。
ならばこの願いは捨てるべきだ
ろう。いつまでもそんな願いに縋っていられるほど現実は甘くないのだから。そう思っていた。
だが、その意固地に凝り固まったこの心を解きほぐした人がいた。
意固地に凝り固まった心を解きほぐした歌があった。
かつての舞台とは違う、規模も責任も何もかもが違う、だが彼女は俺をもう一度あの舞台へと押し上げてくれたのだ。
まずは、彼女との出会いから、話していくこととしよう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-24 22:12:09
8701文字
会話率:42%
日本の首都・東京都、その中でも23区という区域の人口は、国内外を見ても稀な程に密集していた。
しかし密集しているのは人だけでなく、車・物流・お金・情報などあらゆる物が集まって来ている。もちろん、妖怪の様な人外のモノまで集まっている。
そんな
23区の中でも、下町と言われる地域には今でもそう言った話や場所は存在していた。
東京の下町、深川と言う地域に一際大きい屋敷がある。
いつからあるのか、そして探そうにもどこにあるのかがわからない。
そこに暮らして居る者だけが出入り出来ると言われる屋敷。
その名も『雲乃庵(くものあん)』という。
様々な人が雲乃庵に訪れ、更生や恋愛、生きて行く事への考え方に影響を受けて行く物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-24 00:27:44
9405文字
会話率:45%
子どもの頃の宝物、皆さんは今でもお持ちでしょうか?
最終更新:2015-12-22 20:36:43
760文字
会話率:0%
彼女は、彼女の大きさの箱に入れられて、彼女の部屋に戻ってきた。
彼女と僕が一緒に居たそれまでの時間は、僕の嘘と、それに気づかない彼女の思い出だった。僕の罪は、彼女にはきっと知られないけれど、僕はそれを贖う事なんか出来ないだろうと言う事を知っ
ていて。
「ずっと待っているから」
口癖のように、僕は今でも繰り返す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-06 14:21:17
7828文字
会話率:10%
4年前、不安と緊張でいっぱいの入学式を迎えた比良坂きままは、小学5年生の今でも、昔と変わらず「人と会話すること」に慣れずにいた。
数少ない、私の友達になってくれた3人と、4人で過ごすかけがえのない日常をおくりながら、人との付き合いを知ってい
く「優しくて」「不器用な」日常が、今日もまた始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-04 16:26:50
11486文字
会話率:54%
コウとサチは思春期を過ぎた今でも互いの家を行き来し合う仲だった。チョコレートがなによりも大事な男の子と、チョコに負けてしまう女の子のはなし。
最終更新:2015-12-02 21:04:13
2924文字
会話率:63%