――帝国は、崩れ始めていた。
かつて栄華を誇ったセイラム・ドミナス帝国は、腐敗した貴族たちが権力をむさぼり、民衆の悲鳴は無視されていた。だが、誰も帝国の未来を疑わない。なぜなら、皇帝の名のもとに"正義"は保たれていると信
じていたからだ。
そんな中、帝国の騎士団『オブシディアン・レギオン』に所属する騎士ケイオス・ヴァルトは、一人の王女の護衛を命じられる。
彼女の名はセレナ・ドミナス。
帝国の第六王女でありながら、皇帝に疎まれ、政治の表舞台から遠ざけられていた少女――腐敗した帝国を根本から変えるために改革を掲げた王女だった。
しかし、彼女の政策は「革命」と呼ぶにはあまりにも危険すぎるものだった。
権力を削がれることを恐れた高官たちは、彼女を疎んじ、"敵国のスパイ"として断罪しようと動き出す。
そんな中、ケイオスは彼女に寄り添い、協力を誓う。
帝国の未来を切り開こうとする彼女に、初めて"誰かのために剣を振るう"という意志を抱いたからだ。
――だが、彼が知ることになる真実は、余りにも深い闇だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-06 22:46:12
7538文字
会話率:44%
海の王国の姫ニーナは人魚を探していた。愛しい婚約者アイザック殿下のために。
人魚は歌を歌い人を癒すが、その心臓を食べれば病が癒されるとのうわさがあって……。
おとぎ話みたいなテイストで書きました。
猫屋ちゃきさん主催の #片想い男子企画
参加作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-14 23:35:52
17119文字
会話率:44%
彼女は今日も駆ける――魔物に向かって。
「異世界の孔」。それはこことは異なる世界と通じる孔のことである。
孔からは大量の魔物があふれ出し、国々を、そしてそこに住まう人々を苦しめていた。
そんな中、ヴェルシュ王国は小国ながらも魔物の脅威に
打ち勝ち続けていた。
原動力たるその女性の名はシャーリー・アージュ・リシャール。世界に数えるほどしか存在しない精霊師であり、精霊の力を借りて魔物を屠り続ける彼女はまさに最強。
国の人を身を粉にして守り、誰よりも強い彼女は、人々の尊敬を集める存在である――本来であれば。
しかし彼女が褒め称えられることもなければ感謝を述べられることもない。なぜなら彼女は「裏切りの姫」だから。
父の犯した罪を背負い、国中から蔑まれながらも戦い続けるシャーリーだったがある日、意図せずとある精霊を召喚してしまったことで状況は少しずつ変わり始める。
運命に枷をはめられた彼女が精霊らしくない精霊と共に抗うアクションファンタジー、ここに開幕!
※「魂喰いのアーシェ」(完結済み、https://ncode.syosetu.com/n6470gc/)もどうぞ宜しくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-18 21:37:07
170162文字
会話率:46%