冬の終わり、誰もいない丘の上で、少年は少女に出会った。
白い息と静けさの中、彼女はそこに「いる」よりも「在る」に近い存在だった。
まるで、季節の狭間にふと現れた夢の欠片のように。
彼女の名前を聞いた気がした。けれどそれは、風にさらわれて消
えた。
何度か言葉を交わし、何度か笑い合ったけれど、いつも次の瞬間には遠ざかる幻。
それでも少年は、その曖昧な光に心を惹かれていった。
やがて春、高校の制服に身を包んだ彼女は、現実の中にいた。
教室の陽だまり、窓の外の風、手のひらのぬくもり――
まるで彼女がこちら側の世界に降りてきたようだった。
けれど、どれだけ時間を重ねても、
彼女の瞳の奥には、触れられない景色があった。
まるで、今もどこか遠い場所で、
自分に気づかれないまま眠っている夢のように。
これは、手を伸ばした先にあった温度と、
手を伸ばしてもなお届かなかったひとつの恋の記憶。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-17 00:05:48
12829文字
会話率:18%
暖かい冬と寒い春の丁度その隙間にカーペットを敷いて、かまくらの中で桜を見る。白い息で掌の新芽を温める。枯れながら芽吹く。
え? 関係なくない?
キーワード:
最終更新:2025-02-05 14:08:44
219文字
会話率:0%
白い息を吐きながら 今朝もいつものところでバスが来るのを待っている
今年初めての雪が 灰色の低い空から音もなく降りてくる
静かな水墨画のような冬の朝
最終更新:2025-01-19 21:12:56
1239文字
会話率:0%
荒牧らんは戦っていた。革命のために戦っていた!
白い息を切らし、早朝の校門前で、必死に声を荒げる。
「立ち上がれ!」
誰も相手にしない。
しかし、荒牧らんはそれで満足だった。
そんな中。彼女の前に、一人の女子生徒が現れる。小坂さんだ
。
革命家荒牧らんの、一番の天敵。
クラスでは比較的おとなしい子な彼女だが、荒牧らんだけは知っていた。
小坂さんが内に秘める、何かを……
危険なJKたちの化学反応が、学校を舞台に、巨大な事件を引き起こす!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-21 16:30:56
7471文字
会話率:54%
冬なのに、春を感じる。そんな瞬間に立ち会う男女2人の恋愛ストーリー
==
「ねぇ、君は虫の知らせって信じる?」
ベンチに腰かけた女は、白い息を吐きながら寂しげな笑顔で少年に問いかける。
幸せな家庭とはよほど言えないであろう上川家の長男である
少年は、"虫の知らせ"を聴くことができる。鬱屈した日々から逃げ出すように、深夜に散歩に出かけるが、それは"虫の知らせ"が聴こえるからだ。
『今日はあの女(ひと)がいる』
河川敷の公園で話す少年と女。日々の生活に生きづらさを感じ、お互いを慰め合う中で二人は自然と惹かれあっていく。
年が明けて数日が経った頃、少年は唐突に"虫の知らせ"を聴く。
『あの女(ひと)がいなくなる』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-26 12:00:00
9924文字
会話率:46%
ここは木漏れ日射す森の中。
まだ早朝ということもあり、ヒンヤリとした風が足首に触れる。
ザクザクと落ち葉を踏みしめるたびに、私は白い息を吐いた。
そこは世界樹の森。
これから一生をかけて探索と調査を行う森。
最終更新:2024-11-14 18:59:06
2264文字
会話率:18%
ある寒い日、突然聞こえるようになった心の声。
人と会話をするのが苦手なコトハはそれを星のささやきと呼び、登校時の楽しみにしていた。
そんなとき、北欧系・イケメン高校生の落とし物を拾ってしまうのだが――?
最終更新:2024-02-27 18:00:00
13960文字
会話率:28%
主人公が、女の子と会話をする。
勇気を出して、目を開ければ...君は、どこかへと行ってしまう。男は、一言「元気そうでよかった。」と、白い息を吐く。
女の子は、空想か、現実か 物語の格はあなたに委ねます。
(恋愛要素微量 見る人には、恋愛
っていう設定ですが...)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-25 09:00:00
1757文字
会話率:48%
冷たい冷たい夜。
小さな泣き声が、クリスマスソングに紛れて聞こえていた。
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最終更新:2023-12-24 19:17:54
228文字
会話率:0%
覚悟は出来た。これを飲み終わったとき、それで僕も終えよう。
眼下に広がる夜景、そして季節を象徴している華やかなイルミネーションが、僕の目を突き刺すようにちらついている。
吐いた白い息が空に消えていく、もうすぐ僕も。
けれど、強い風に
押された時踏ん張ってしまうのは何故なのだろう。もう帰る場所は無いというのに。
もう一度だけ、この手で君を抱きしめたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-08 18:25:04
990文字
会話率:7%
公開したいのに読まれたくないので、これを読まずに外へ出て夜空に白い息を吐いて笑っていてください。生きようってずっと励ましてきた。でも本当は私が死にたかった。逃げ出したかった。未来の希望なんてない。どうせもう生き苦しさはずっと変わらないだろう
から。それなのに、どうしてか誰かに言えるのは生きようだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2022-12-02 18:48:28
1254文字
会話率:0%
ぐるぐるぐるぐるっぽ。
両かぎ針を使って毛糸を巻き取って、作業をすすめる。
本日の毛糸ちゃんは、ごきげん斜めだ。
いつもは、素早く行える作業も、手癖と噛み合わず、毛糸がするっと逃げていく。
私は、ふうっと白い息を吐く。
毛糸ちゃんも寒いのだ
ろうか。
目に見えない程度の毛を逆立てて、私の裁縫の邪魔をしてくる。
ふふふ。しかし。甘いのだよ。
そんなときに行うべき対処法は、決まっている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-27 09:08:12
9968文字
会話率:19%
雪が降る、輝き出す、白い息
最終更新:2021-12-31 15:22:52
362文字
会話率:0%
約束、時間、傘の中、白い息、ぬくもり
最終更新:2021-12-14 08:04:29
400文字
会話率:0%
寒い寒い冬の日の日暮れの事です。一人の少女が真っ白い息を吐きながら、一人森の奥を目指し歩いています。
淡い榛色の髪と、透き通るようなエメラルドの瞳が印象的な、彼女の名はリア。リアは七年ぶりにやってくる流星群を見る為、森の奥深くの湖に向かって
いくところなのでした。
先を急ぐリアの前に、次々と助けを求める動物達が現れます。
心優しいリアは、リアに助けられたことに恩義を感じついてきたオオカミの忠告を聞かずその動物達を助けてやるのですが……。
果たして、リアは夜明けまでに湖にたどり着き、流れ星を見る事が叶うのでしょうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-24 11:41:04
7512文字
会話率:20%
――ある冬の、寒い夜。大学生の俺(19)は、半世紀に一度の流星群を観るため、二階の自室から屋根の上へ出た。防寒具を着込んだ姿でひとり屋根の上に寝そべり、白い息を吐き出しながら真冬の天体ショーを小一時間楽しむ。そしてその後、部屋に戻ろうする
のだったが……底抜けにマヌケで恐ろしく絶望的な展開へ突入する。
自宅二階の張り出し屋根を舞台に繰り広げられる、ソリッドシチュエーション・コメディです。
(※この作品は、『monogatary.com』でも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-11 00:11:40
28005文字
会話率:28%
サークルをやめた私と、その理由を聞きに来たサークル仲間の一幕。
最終更新:2021-03-21 23:37:32
2787文字
会話率:35%
強烈に冷え込んだ、3学期の始業日。
互いの白い息を競い合って下校していた女子小学生トリオが、通学路の小さな地蔵と出会い、不思議な事件に巻き込まれる話です。
※本作品は、銘尾 友朗様御主催の『冬の煌めき企画』参加作品で御座います。
最終更新:2021-02-18 06:26:28
4779文字
会話率:29%
冬の煌めき企画参加作品です。
2月と言っても寒い朝なのです。
最終更新:2021-02-11 08:12:38
381文字
会話率:0%
息が白くなった夜に、付き合い始めたばかりの彼と待ち合わせ。美味しい時間が楽しみで、うふふうふふと、待ってる私
最終更新:2018-10-28 23:18:07
1656文字
会話率:7%
上を向き、白い息吐く、星の砂。
キーワード:
最終更新:2021-01-29 06:31:53
246文字
会話率:0%
吐く息がまっ白な寒い寒い冬の日。ちんまりとした小さなお店の中。座布団に座ったおだやかなおばあさんがにこにこ笑いながら湯呑みでお茶を飲んでいます。
その後ろには木で出来た上中下3段の陳列棚があり、手の平サイズの小さな小瓶が各段1本づつ並んでい
ました。
ここはいただくためではなく、差しあげるためだけのお店。
ここに訪れるお客様は選ぶためではなく、受け取るためにいらっしゃいます。
冬の童話祭2020参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-04 18:54:36
8509文字
会話率:28%