内海に面した街エストゥアーリョ。この地を治める伯爵家の娘アマーリアは、女料理人ルーチェと密かに愛し合っていた。
だがアマーリアは政略結婚のために、山深い地モンターニュへと嫁ぐことが決まった。
相手は、父親ほどに歳の離れた辺境伯。
嘆くアマー
リアを慰めるため、ルーチェは一つの小箱を旅立ちのはなむけとして贈る。
山での暮らしが耐えられなくなった時、開けるようにと言い添えて。
なにもできないルーチェに、たったひとつだけ残された愛の形。
嫁ぎ先での孤独な一ヶ月の後、アマーリアはついに箱を開けてしまう。
そこに入っていたのは――
ノベルアッププラス「百合短編小説コンテスト2022」中間選考通過&カクヨム公式自主企画「百合小説」最終選考候補作。
※ノベルアッププラス・カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 17:21:15
9999文字
会話率:36%