かつて、一人の精霊の民の少女が、未来を祈って差し出した白い花冠。
その祈りは、ある少年の心に“呪い”として根を張った――
精霊の民《咲かぬ種》と呼ばれた一族。
種を結ばぬ静かな命を、人は“無価値”と断じた。
だが、少年カイラスは誓う。
「
俺ならば咲かせてみせる。力ずくで、祈りも命も繋ぎ止めてやる」
やがて青年となった彼は、最後の精霊の娘ティレアを見つけ出し、
“花を咲かせる”という名の執着でその命を縛っていく。
これは――
祈りが呪縛に変わり、愛が支配に歪められた、帝国の原初譚。
“虹彩の魔眼”と呼ばれる奇跡が生まれる、その前夜。
帝国支配の礎となった、忌まわしき始まりの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 01:35:06
3373文字
会話率:20%
東の大国、ブランシールは近隣諸国を次々に支配下に置いた。よって同等の力を持つ西の大国、エギュイエットは戦わざる終えない状況に陥る。翻弄されるアシェとロンデルの始まりの話。
最終更新:2008-08-26 22:38:23
2636文字
会話率:47%